今月も始まりました『ガクテンソク奥田のGossip Times』です。新年度もよろしくお願いします。さて、昨年度末にこんな論争がありました。
『デート代は男が奢るべきか否か』
事のはじまりは2月12日にセクシー女優の深田えいみさんがTwitterに投稿した一意見からでした。
デート代、なんで男が払わなくちゃいけないのって言葉 女性はそのデートの為に準備して洋服、メイク、美容代も入ってると思う 全部安くない。リップだってブランドなら4000円はする 可愛いって言って欲しくて、その為に凄く早起きして準備してる それを考えた上で、女性に出してあげて欲しいって思う!
引用元:Twitter(@fukada0318)
これを受けてネットからさまざまな意見が寄せられ、アカウントは炎上。投稿を削除し、YouTubeに謝罪動画をアップする事態になりました。これで終わりかなと思ったら、これを皮切りに著名人からさまざまな意見が寄せられることになりました。
元AKB48の大島麻衣さんは自身のYouTube生配信で、
デートのために女性は美容室に行きます、ネイルに行きます、自分にお金をかけます。新しい服を買うことだってあると思います。あなたよりも2時間早く起きてメイクをしています。あとは、あなたのために新しい下着を買っています。こっちはデートのために出費が多いんですよ!
引用元:YouTube 大島麻衣の裏チャンネル(仮)
と発言。
「いや、深田えいみと同じこと言ってるだけやん笑」
と思われたかもしれませんが、深田さんを責めるだけでは飽き足らなかった、おそらく男性ネットユーザーから責められてこちらも炎上。
青汁王子こと三崎優太さんは自身のTwitterで、
奢る奢られで文句を言ってる世の男性陣に伝えたい。そんなこと議論してる暇があったら金を稼げ。1秒でも早く行動しろ。女性は目先の会計の金を見てるんじゃない、将来金を稼げる男がどうかを見てるんだよ。目の前の会計が小銭に思えるくらいに金を稼げ。すべては自分の努力で変えられる。
引用元:Twitter(@misakism13)
と発言。
「えっと、そういう話やったっけ?笑」
と思っちゃいそうですが、内閣府の「令和3年度性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査」で、「男がおごるべき賛成」割合は男性37.3%、女性22.1%という結果が出ているので、青汁王子の発言は、奢るべきと思っている3割弱の男性の中の、奢りたいけどお金がないから奢れない男性に向けての発言だったと思えば、全く的外れではないのかもしれません。的はだいぶ小さめですが。
この論争、定期的に起こりますが。逆にいえば、永遠のテーマともいえるのでしょう。そして、この論争の根底にあるのは、
レディファーストという文化
だと思います。では、レディファーストという文化の起こった時代と、今のレディファーストに違いはあるのでしょうか? その辺りをゴシップ的に考察していきたいと思います。
少し調べてみると、『レディファースト』という言葉は、中世ヨーロッパで生まれたそうです。この頃のヨーロッパは、憎しみや陰謀などが横行する時代でした。当然のように人を殺し、奪い去ることや暗殺等、さまざまな事件が起こったのです。そのため、男性には常に危険が生じ、誰かに狙われていないか?と確認しながらの生活が続いたといいます。
そんな生活の中、生まれた言葉が「レディファースト」です。なので、男性は自分の身に忍び寄る危険を察知し、回避するために女性を利用したというわけです。
レディファースト = 女性を盾にする
という事実から『レディファースト』という言葉が生まれました。自分を守るための手段で女性を利用する。女性の命は顧みず、自分の命を守るという何とも自分本位な行動だったというわけです。
はい。多分これ嘘。
だって、中世ヨーロッパですよ? 騎士道精神ど真ん中の時代に、そんな考えが普及するとは思えません。よって、よく言われている
・女性を先に部屋に通すのは、侵入者が居れば女性が刺され自分は助かるから。
・女性が先に料理に口をつけるのは、毒見役をさせるため。
・女性に歩道側を歩かせるのは、下水道の環境がなく糞尿はバケツにためて窓から捨てるという習慣があったので、女性に壁側を歩かせて自分にはかからないようにするため。
この辺りも、おそらく嘘だと思います。特に最後。車道側だろうが歩道側だろうが、上から降ってきた糞尿なんて避けられないでしょうよ。
こういうデマがなぜ生まれたのかを考えてみると、おそらく、日本でフェミニズムが浸透しつつあった頃、「日本もレディファーストを取り入れろ!」という声が上がったことに対しての抵抗だったのじゃないかと推察します。
ただ、これらデマに全く根拠がないわけでもなくて、事実をひねくってみると、そう考えられないわけでもないんです。そして確かに、現代の日本人が思っているレディファーストと、そもそものレディファーストにはやはり違いがあります。
実はレディファーストが生まれた時代の女性たちには、財産権、契約権、相続権などの諸権利がありませんでした。これらは大人が持てる権利なので、この当時の女性たちには、子ども程度の権利しかなかったことになります。
この頃のヨーロッパは超男性中心の社会だったので、男性同士の話し合いが行われる場では、女性は出ていかなければなりません。ただ、男性に騎士道があるので、
「ここは女が居ていい場所なんかじゃない! 出ていけ!」
なんて言うわけはなく、
「先に寝室へ行っておやすみハニー」
と紳士的に追い出していたのが、レディファーストになっていったのです。そしてそれは、女性のマナーにもなっていきます。
・女性は男性より早く起床して身支度を済ませ、出迎えること
・食事の時は女性が先に席に着き男性を出迎え、男性より先に食べ終え、席を立つこと
・玄関ホールには女性が先に入り、男性を迎えること
女性が先に行動する=レディファースト
となっていき、男性はそのレディファーストに応えるために、ドアを開けて女性を先に通し、女性が座るまで自分も座らないという行動をとっていました。
今はこの男性の行為だけを、レディファーストと言っているわけです。
いかがでしたでしょうか? レディファーストという文化も、時代によって捉え方が違うようです。デート代は男が奢る・奢らないという問題も、未来では全然違う形の論争になっているのかもしれませんね。
ちなみに欧米では、レディファーストはむしろ女性差別だと捉えられ始めているそうです。
※あくまでも本連載は個人の見解です。