女性芸人の中から“笑いの女王”を決める『女芸人No.1決定戦THE W 2020』(日本テレビ系)の決勝が、12月14日(月)に放送されます。過去最多のエントリー646組のなかから、ファイナリストに残ったのは10組。今回は第1回チャンピオンで3度目の決勝進出を果たした、ゆりやんレトリィバァの決勝直前インタビューをお届けします!
『THE W』は、今年で4回目の開催。プロ・アマチュア、芸歴、芸風、人数など一切問わず、純粋にネタの面白さで、女性芸人日本一の座と優勝賞金1,000万円をかけて争う“異種格闘技戦”です。昨年王者の3時のヒロイン(福田麻貴、ゆめっち、かなで)がテレビなどで引っ張りだこになるなど、賞レースとしての存在感がますます高まっています。
今回の『THE W』ファイナリストは、Aマッソ(村上、加納)、オダウエダ(小田結希、植田紫帆)、ターリーターキー(玉遥香、伊藤那美)、TEAM BANANA(藤本友美、山田愛実)、にぼしいわし(にぼし、いわし)、はなしょー(杵渕はな、山田しょうこ)、紅しょうが(熊元プロレス、稲田美紀)、ぼる塾(あんり、きりやはるか、田辺智加)、ゆりやんレトリィバァ、吉住の10組。決勝を前にした芸人たちに、『THE W』にかける思いや今後の展望などを連続インタビューで語ってもらいました。
賞レースがめっちゃ好きなんだなって気付いた
――3度目の決勝進出おめでとうございます。10月の記者会見から決勝までの期間を、どう過ごしてきましたか?
いままでの賞レース前は、決勝当日まで劇場でネタをかけさせて(磨かせて)もらってたんですけど、占い師にネタをかけないほうがいいって具体的なアドバイスをされたので、いまはイメージトレーニングだけしてます。私、いけそうやなって思ったときは、ほんまにいい感じになるんですよ。(そういう直感のようなものを)“超能力”って呼んでるんですけど、今年はいい感じでイメージできていますね。……と言いながらも、決勝直前にルミネ(the よしもと)の出番は入れてもらいました(笑)。
――その占い師っていうのは、いつもみてもらっているんですか?
いえ、全然! けど、賞レースのときって、考えすぎて本来やりたかったことと違ったり、ワケわからんことになったりしてしまうことがいままであったので、新鮮さを失わないためにあまりネタをかけないっていうのもいいのかなと思ってやってます。
――ゆりやんさんは『THE W』の第1回チャンピオン、第2回も決勝に進出しましたが、昨年の第3回に出場しなかったのは何か理由があったのでしょうか。
その年初めて『R-1』も休んで、2019年は芸人人生で初めて賞レースを受けない年になりました。それまで毎日、賞レースに向けてネタを作ってましたし、単独ライブも裏テーマには賞レースのためのネタ作りみたいなところがあったんです。
けど、2018年の秋に『アメリカズ・ゴット・タレント』というアメリカのオーディション番組にエントリーしてまして。もし合格したら、『R-1』決勝と(日程が)被るかもしれないということで、その年はアメリカのオーディションだけ受けることにしたんです。あと、勝ち負けにとらわれず、シンプルにネタを考えたらどうなるんかなぁって考えてのことでもありました。
――お休みした1年を経て、芸人としてのスタンスに何か変化はありましたか?
実は、あんまり変わらなかったんです(笑)。ただ、自分が面白いと思うことをみなさんに観てもらいたいっていう気持ちがもっと強くなりましたし、休んで改めて、私、賞レースがめっちゃ好きなんだなぁって気付きました。
賞レースってしんどい部分もめっちゃあるんですけど、1つの目標に向けてやっていく機会なんてなかなかないですし、楽しくてかっこいい。まわりの人たちと「あのネタこうやったな」とか話したりする熱い感じもめっちゃ好きで……。やっぱりゾクゾクする賞レースは、常に味わっとかんとあかんなぁって思いました。
――ゆりやんさんは、ピリピリとした賞レースも楽しんで挑んでいるんですね。
そうですね。芸人になってすぐのころは、それこそ賞レースの結果に一喜一憂してたんですよ。特に2017年の『R-1』決勝で負けたときは、前の年の『R-1』決勝からその日までのことが頭の中にうわーっと出てきて、またこれを1年やるんかい……って絶望して。
そんなふうに賞レースで勝たないと夢が叶えられないと思っていた時期もありましたけど、いまはちゃんとやっていたらいろんな人が見てくれて、やりたいこともいろいろできるってことがわかったので。もちろん優勝できたら最高ですし、今回も優勝を目指してやり切りますけどね。
目の前に大会があるのに行かへん選択はない
――第1回で優勝してすでに『THE W』の称号を得ているのに、それでも出場し続けるのはなぜですか。
単純に、(優勝賞金の)1000万円がほしいっていうのもあります(笑)。けど、目の前に出られる大会があるのに行かへんっていう選択はないですね。今年は昨年より、来年は今年よりもっともっと自分を更新していきたいから、“いま”で終わらせたくないんです。どう映ろうが、ネタをやり続けているところは観てもらいたいですし、みなさんに知ってもらいたいと思っているので、これからも賞レースは出られる限り、出続けたいなと思います。
――何度も決勝進出を経験していますが、勝負ネタを作り続けるのは大変なこと。ネタのアイデアに行き詰まることはないんですか?
私の場合、うまいことやってるネタは全然ないというか。伏線回収とかちゃんとしたコントはしてないかもしれないですけど、自分がやってて楽しいもの、面白いものをお見せしたいなと思ってるんですね。そういう中で1人だと、これって面白いんかな? 私だけかな?っていうことを確認するのが難しいので、作家さんや先輩、後輩に観てもらって、笑ってもらえているかどうかで判断するようにしてます。
あと、劇場に出させていただいているとき、客席にはまったくウケてないけど、舞台袖から聞こえてくる(芸人仲間の)笑い声に、あぁ、大丈夫やって思ったり、袖に戻ったときにかけてもらえる「めっちゃ面白かったな」っていう言葉を励みにしているところはありますね。
優勝特番でスパイクさんとやりたい
――来年1月から大阪・よしもと漫才劇場で『ゆりやんR-1優勝に向けてのげきあつライブ!』も始まります。『THE W』決勝に出ながら、数カ月後に控える『R-1』決勝も見据えるは、大変なことです。
死ぬまでに絶対、『R-1』獲りたいって思っていたら、今年から(参加資格が)芸歴10年までになってしまって。ただ、ありがたいことに(自分の芸歴は)まだ8年目で、今回を入れてあと3回出させてもらえるので、優勝に向けて頑張っていきたいです。『THE W』も優勝して、『R-1』も来年優勝できたらいいですね。
――『THE W』優勝への秘策は考えていますか?
『R-1』決勝4回、『THE W』決勝2回、『歌ネタ王決定戦』決勝2回、『ABCお笑いグランプリ』決勝2回、『NHK上方漫才コンテスト』決勝3回、『新人お笑い尼崎大賞』1回、『茨木フェスティバル ボルケーノ茨城』1回、計15回の賞レースで決勝に出させていただいている中で今回、使おうと思っているのは…………、できるだけ大きい声を出す!っていうことです。このインタビューを読んでいただいてから決勝本番を観ていただくと、いつもより声が大きいなと感じていただけるはずです。
――ぜひとも確認したいと思います(笑)。決勝は、まずA・Bブロックに分かれて勝ち抜き戦から始まります。
第1回と第2回のときは2組ずつの対戦で、今回の対戦スタイルは初めて。しかも、Bブロックの2番っていうのは、(順番的に)ちょっと嫌ですね。
紅しょうがの熊元(プロレス)さんは同期なので決勝で戦いたいっていう思いはありますけど、やっぱりスパイクさんが……(出られなくなってしまったことが)本当にショックで……。おふたりともめっちゃ大好きで、めっちゃ面白い方々なので、私なんかがこんなことを言うのは違うかもしれないんですけど、悔しいですね。もし優勝させてもらえて優勝特番をさせていただけるなら、スパイクさんと絶対、一緒にやりたい。後輩がこんなことを言うのはおこがましいんですけど、『THE W』決勝以上の何かが起こるようなことを一緒にやらせてもらえたら嬉しいなと思っています。
ゆりやんレトリィバァの公式プロフィールはこちらから。
番組概要
『女芸人No.1決定戦THE W 2020』
放送日:12月14日(月)20:00~
放送局:日本テレビ
公式サイトはこちらから。