子どもたちが絵具まみれでペインティング! アーティスト小澄源太と小学生が合作した地下鉄ウォールアート完成!

「駅を行き交う人々にアートに親しみを持ってほしい」「子どもたちに芸術の魅力を感じてもらう空間を創りたい」――。そんな思いを込めて、大阪府立江之子島文化芸術創造センター「enoco」が、Osaka Metroや公共機関、周辺の小学校などと連携したプロジェクト「アートな精霊」が開催されました。7月17日(月・祝)には、今回、大阪府出身のアーティスト・小澄源太氏が子どもたちとともにライブペインティングで制作した作品のお披露目会見がenocoで行われました。

出典: FANY マガジン
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プロジェクトでは、アーティスト・小澄氏が、大阪市立本田小学校、明治小学校の児童23人とともに、木津川遊歩空間(トコトコダンダン)で、ライブペインティングで制作した4枚のウォールアートを、小澄氏がブラッシュアップ。2週間をかけて完成させた作品を、7月17日(月・祝)から、Osaka Metro中央線・千日前線阿波座駅の7・8号出入口の地下通路の壁面に展示しています。

途中からテンションが上がってきて…

会見では、はじめに7月1日(土)に行われたライブペインティングの様子をVTRで振り返りました。5~6人の児童が1チームになり、1枚の大きな絵を仕上げていきます。まずは、約15分間、好きな色のクレヨンを使ってペインティング。小澄氏は、「遊ぼうぜー!!!」と誰よりもハイテンションでキャンバスの間を走りまわり、子どもたちの創作心を開放していきます。

すると、最初は戸惑っていた子どもたちもどんどん心を開き、躍動感たっぷりに自由に絵を描くようになっていきます。激しく走りまわりすぎて、持っていたペットボトルの飲み物をキャンバスにこぼしてしまった小澄氏でしたが、「ごめん!」と謝ると「いいよ!」と子どもたちがリカバリーする一幕もあったそうです。

出典: FANY マガジン
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クレヨンのあとは、マスキングをしてアクリル絵の具で仕上げていきます。子どもたちは全身絵の具まみれになりながら、感情のおもむくまま、キャンバスに命をふきこんでいきました。後日、子どもたちが自身の分身を「精霊」として描いた、96の手型や足型を小澄氏が絵に落とし込み、4枚の大作が完成しました。

「完成形はイメージせずに、子どもたちのあの日の元気を精霊で表現しました。絵を見た人に『元気になったよ』と言ってもらえたら最高! 大人は上手く描こうと考えるけど、子どもたちには邪気がない。ここに大人のいやらしい線を描き足したくないな(笑)と思ったけど、子どもたちのよさを消さないように仕上げました」(小澄氏)

さらに小澄氏は、「本当にいい経験をさせてもらいました。今回の企画を通じて、アートをきっかけとして、たくさんの人とつながることができました。子どもたちは、下を向いている大人に元気を与えてくれます。皆さん、力を合わせていただき、ありがとうございました」と感謝の言葉を語りました。

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ライブペインティングに参加した子どもたちも、心から楽しんだ様子でした。

「いつもはできない経験ができました。絵の具まみれになって、すごい暴れて。本当に楽しかったです。でも気持ちがノッてきたときに、(ライブペインティング)が終わっちゃったので悲しかったです」(本田小学校・江頭英さん)

「あんなに体全体を使って絵を描いたのは初めてです。最初は何を描くか悩んだのですが、途中からテンションが上がってきて、思いっきり描くことができました。あっという間に時間が経ちました」(明治小学校・南恵里奈さん)

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アートを通じて人と人のつながりが生まれれば

本田小学校の今村友美校長が「子どもたちの熱中する姿を見られてよかったです。 何をやってもいいという解放感、失敗や間違いをしてもいいという安心感が心地よかった」と語ると、明治小学校の酒居国宏校長も「コロナ禍で制限が多い日々を過ごしてきた子どもたちでしたが、あの日は心を解放している様子が手に取るようにわかりました。“それいいね”など、肯定的な言葉がどんどん出てきていたのが素敵でした」と子どもたちの成長を感じた様子。

ウォールアートが展示されるOsaka Metro中央線・千日前線阿波座駅は来年、開業60周年を迎えます。西岡真駅長は「今回のプロジェクトを通じて、地域の皆さまにアートを見てもらうことで、西区がより賑やかになってくれたら。通勤中のお客さま、地域の皆さまの癒しになればうれしいです」と期待を込めました。

大阪市西区の三村浩也区長も「アートを見ながら会話をすることで、人と人とのつながりも生まれると思います。たくさんの人に見ていただきたいです」とアピールしました。

出典: FANY マガジン
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ウォールアート「アートな精霊」は、Osaka Metro中央線・千日前線阿波座駅7・8号出入口地下通路に、2027年3月まで展示される予定です。