どうも芸人ライターのてんぐの横山ミルです。
映画、笑い、飲食、音楽などで大分県別府市の街を盛り上げる「第1回別府短編映画祭」が、7月20日(木)から23日(日)の4日間、JR別府駅周辺の老舗映画館「別府ブルーバード劇場」や商店街「べっぷ駅市場」で開かれました。地元飲食店などが出店するイベント「線路シタの夜市」も同時開催。ここに吉本芸人たちが、映画、出店、そして「よしもと放課後クラブワークショップ」で参加してイベントを盛り上げました。僕も参加したこのイベントの“生の声”をお届けします!
「映画祭」では、コロナ禍で観光客の足が遠のいた別府を盛り上げようと2020年から始まった「別府短編映画制作プロジェクト」、吉本芸人100組が監督メガホンをとった『YOSHIMOTO DIRECTOR’S 100 〜100人が映画撮りました〜』の作品などが上映。
プロジェクト作品で監督を務めた斉藤工さん、チュートリアル・徳井義実さんらが登壇しました。
「線路シタの夜市」では次長課長・河本準一さんが甘酒ジュースを、ハイキングウォーキングさんがもつ煮を、よしもと料理ブ!部長のいけや賢二さんが春巻きを作って出店しました。
さらに、「よしもと放課後クラブワークショップ」も盛りだくさん。くまだまさしさんがサングラスワークショップを、もりやすバンバンビガロさんがジャグリングワークショップを、南海キャンディーズ・しずちゃんさんがお絵描きワークショップを、そしてNON STYLE・石田明さんが漫才ワークショップをしました。
今回は、僕たちてんぐがお手伝いさせてもらった漫才ワークショップの様子、そして、大盛況だったとウワサの「線路シタの夜市」に参加したハイキングウォーキングさんといけや賢二さんにお話を聞いてきました。
“高スペック”すぎるハイキングウォーキング松田
まずはハイキングウォーキングさんに聞いてみました。
――来てみてびっくりしました。ハイキングウォーキングさんといけや賢二さんが実際に店頭で売っているなんて!
松田 僕たちのもつ煮は完売したから、いけや賢二の春巻きがまだ少し残っているって聞いてさ、全員でぜんぶ売り切ろうってことで、いま手伝っているんだよ。
――そうだったんですね。昨日は河本さんもここで甘酒ジュースを売っていたんですよね?
松田 そうそう。河本さんも、自らプロデュースして作っているお米「準米」から作った甘酒に、自分で作った炭酸水「かんちゃんちゅい」を合わせたジュースを売っていてさ。大盛況だったよ。
――たしか、大分県と岡山県でお米を作っているとか。
Q太郎 そうそう。大分の「朝来米」を食べて、こんなお米を全国に普及させたいって思ってお米作りを……ってか、オレに聞いてもわかんねーよ!
――すいません(笑)。ハイキングウォーキングさんの話を聞かせてもらいます。少し見ていたら、「写真撮ってください!」の声がすごいですね! 今日で2日目ですが、何枚くらい撮ったんですか?
Q太郎 どうだろう。声かけてくれたら撮るし、買ってくれても撮るからね。今日で90食だから……40枚くらいかな。
松田 少なくない?
Q太郎 だって1人で2つ、3つとか買う人とかもいるしさ、実際に買っても「写真は結構です」っていう人もいたしさ。オレたちじゃなくて、もつ煮だけに魅力を感じている人もいるんだよ。言わせないでよ。
――すいません(笑)。でも、河本さんもすごいたくさんのお客さんと写真撮られたって聞きましたが。
Q太郎 そうだね。買ってくれた人と撮ったりしていたから、数えきれないくらい撮ったんじゃ……だから、オレ、河本さんじゃないからわかんねーから!
――すいません(笑)。でも、今回はどうしてもつ煮だったんですか?
Q太郎 「暑いのにもつ煮?」って思ってんだろ?
――すいません……ちょっと思いました(笑)。
松田 それに関してはオレも言ったよ。「大丈夫ですか?」って(笑)。でも、(吉本の)社員さんが「いいですよ」っていうからね。でも、完売しているからね。
――確かにそうですね。
Q太郎 いろいろ話し合ってもつ煮にしたのよ。
松田 お酒を飲みながら食べられるものということで、唐揚げとか明太ソースをかけたポテトフライとか、いろいろ提案していたんだけど、ポテトフライは持ち運ぶのに崩れたりすると大変かもとかで、結局、もつ煮になったんだよ。
――そんな経緯があったとは。仕込みは大変でしたか?
松田 前日から別府に入って、1人でホルモンの臭みを取るために丁寧に手洗いしてさ。
――そこからですか!?
松田 そうだよ。もつを手洗いしたあとに5時間くらい煮込んで、ボイルして洗って、ボイルしてって。でもさ、仕込みをするのにキッチンを提供してくれたところがあるんだけど、そこの場所の担当の女性が綺麗な方だった。
――突然、なんの話ですか(笑)。
松田 ヨガのインストラクターの方でさ。お母さまと娘さんがいてさ。2人とも美人だった。大分美人もいいよね。
――「よかったですね」、としか言えないですよ(笑)。
Q太郎 松田さんは大分の方と一緒に作り上げた!って、言いたいの。
――そういうことですね(笑)。おふたりは、こういう形で出店したのは初めてですか?
松田 初めてだね。というか、オレは食品衛生責任者とか、防火管理者の資格を持っているから、「ここでお店やって下さい」って言われたらすぐできるわけよ。それに、レシピも山ほど持っていて、いくらでも出せるからね。
――すごい! 松田さんがいれば、こういうイベントの可能性がどんどん広がるってことですね。
松田 そうなっちゃうね。
Q太郎 吉本のこういう動きには、ぜんぶ食い込んでいきたいなぁって思っています!
――目がマジですね(笑)。
Q太郎 沖縄でも北海道でもどこでも行くからね。
――ちょっとバカンスの下心も見える感じがしますが(笑)。お笑いステージもやられていたと思うのですが、いかがでしたか?
松田 初日にやってさ。出演者がくまだまさし、BKB(バイク川崎バイク)、もりやすバンバンビガロ、ハイキングウォーキングっていうお祭りメンバーで。野外でお客さんもお祭りテンションだから、盛り上げてくれて、みんな最高の舞台だったよ。
――大盛り上がりだったんですね。
松田 そうだね。でも、ひとつ問題があってさ。
――何ですか?
松田 くまだまさしが持ち時間10分のところを20分やったっていうね。
――えー! 気持ちよすぎたんですかね?
Q太郎 そうだね。(恒例の手作り)プレゼントもいつものステージの倍はあげていたし、聞いたところによると、ワークショップでも皆さんに自分が作ったオリジナルのノートをプレゼントしていたらしいよ。あと、この「夜市」の販売をくまださんとBKBが手伝ってくれたときも、オリジナル手拭いを配っていたからね。
――大盤振る舞いですね(笑)。
「寝てても考えちゃう」…いけや賢二は春巻きに恋してる!
続いては、いけや賢二さんに聞いてみました。
――今回はどうして春巻きをにしたんですか?
いけや 新たなビジネスになるなって思ってさ。
――新たなビジネスとは?
いけや 春巻きって豚肉とたけのことしいたけを味付けして巻いてってイメージあるけど、実はいろんな春巻きあるぞって思って。
――と言いますと?
いけや 前にね、うちの家で餃子をやっていて、餃子の餡が余ったから春巻きの皮で包んで揚げたら、めちゃくちゃ美味しくて。いまは本家の餃子より、餃子春巻きのほうをみんな食べるからね。だから、「これはいいなぁ!」と思って餃子春巻きを考えて。
でさ、よく考えたら居酒屋とかで明太チーズ春巻きとかもあるなぁって思って。じゃあ、今回はピザ春巻きを作ってみようと思って作ったら、意外とまわりからも評判で。
――確かに今回の春巻き、餃子春巻き、ピザ春巻きの3種類とも、ぜんぶ美味しそうですよね。
いけや でもさ、この3種類をやったらめっちゃ大変で……。
――そうなんですか?
いけや 本当にもうやりたくないね(笑)。人員がたくさんいたら、なんの問題もないけど。初日なんて、仕込みとかからオレ1人で全部やっているからね。キャベツもみじん切りにしてとか、500人分くらい春巻きを巻いてるよ。
――えー! 衝撃です!
いけや 最後のほうは巻くのをまわりの人が手伝ってくれたけどさ。仕込みは思っている以上に大変だった(笑)。売れ行きがいいからメンタル保たれているけど。
――さすがです。春巻きには未来ありそうですね。
いけや あるよ。でも、考えすぎてさ、寝ていてもずっと春巻きのこと考えちゃって。「なぜ、あそこで揚げているときに破裂したんだろう?」とかね。
――もう春巻きに恋している感じになっていますね!
いけや まぁね(笑)。せっかくだからさ、新メニューのお餅とあんこの春巻き食べてよ。
――(試食して)これは美味しい! デザートとして流行りそうですね!
いけや 作ってみて思ったけど、バター入れて、塩かけて食べたらもっとうまいなぁって思った。
――新ネタを(劇場で)叩いている感じですね(笑)。新作の構想もありますか?
いけや あるよ。チャーハン巻いてもいいなぁって思ったり、マシュマロとチョコレートを巻くとかさ。春巻きの可能性は無限だよ。
――大分をきっかけに広がって、全国展開ありそうですね。
いけや いっちゃうか、池ちゃん春巻き。
――なんだか「世界の山ちゃん」みたいですね(笑)。
いけや いや、「静岡の池ちゃん」かな。
――規模が小さくなっちゃいましたね(笑)。
ノンスタ・石田、伝えたいのは「会話を楽しむこと」
続いては漫才ワークショップです。漫才ワークショップでは、参加してくれた人たちがコンビになり、漫才を作って披露します。ただ、漫才を作るのは簡単ではないので、ボケの部分が穴埋めになっているテキストを使って、それぞれのネタを作ります。今回の漫才ワークショップでは、小学生から大人までの14人が参加しました。
この日は、僕たちてんぐのMCで、スペシャル講師としてNON STYL・石田さんが登場。そこで、まさかの涙する女の子の姿が! NON STYLEの大ファンということで、石田さんを目の前にしたら感動で涙したみたいです。
でも、のちのちわかったのですが、実はまさかの相方の井上(裕介)さん推しでした(笑)。
僕たちてんぐは、たびたびこの漫才ワークショップをさせていただいていますが、大分の方々にはびっくりしたことがありました。
それは、とにかく声が大きいこと。これは漫才をやるうえで、非常に重要なことです。意外とやってみると声が小さい方が多いのですが、全員が大きな声だったのでびっくりしました。
ワークショップの最後に石田さんが「来年の全国ツアーは大分でできるように頑張ります」とぶち上げると、お客さん一同、大盛り上がりでした!
ワークショップ終わりの楽屋で、石田さんに聞いてみました。
――漫才ワークショップを通して伝えたいことって何ですか?
石田 「会話を楽しむ」ってことやね。相手は親子であったり、友だちであったり、初対面の人でもそう。スマホを触ったり、ゲームをしているんじゃなくて、目の前の人と会話をすることで刺激になったり、勉強になったりすることがたくさんあるから。「会話を楽しむ」ってことを、いちばん伝えたいかな。
大分の別府では、刺激的で情熱的な4日間のお祭りが開催されました。