今年で芸歴40周年を迎えた吉田ヒロが10月24日(火)〜30日(月)の期間、大阪・なんばグランド花月(NGK)で記念公演を行っています。16年ぶりとなる座長公演でヒロは、内場勝則、辻本茂雄、石田靖に出演をオファーし“平成4座長”揃い踏みが実現! さらに未知やすえや山田花子、現座長の吉田裕ら豪華な顔ぶれが集結して、抱腹絶倒のステージで40周年を祝福しました。
おなじみの“アホボン”キャラでボケまくる!
ヒロは高校に通いながらNSC(吉本総合芸能学院)大阪2期生として学んだあと、漫才コンビ・ボブキャッツのツッコミとしてデビュー。その後、「新喜劇やめよッカナ?キャンペーン」(1989~90年に行われた新喜劇の再生プロジェクト)をきっかけに1989年に新喜劇入りし、「まゆげボーン!」をはじめとする数々のギャグで人気を博しました。1999年には内場、辻本、石田とともに座長に就任。2007年に座長を退任したあとも、新喜劇をパワフルに盛り上げてきたレジェンドです。
この日の新喜劇の舞台は、とある街の喫茶店。マスターの石田、その姉・やすえ、アルバイトの花子が切り盛りする店に、大企業の御曹司に扮するヒロが現れたところから物語が急展開します。
ヒロはおなじみの“アホボン”キャラで、登場するなりボケを連発! ギャグも大盤振る舞いで、ツッコミ役の吉田の隣でやりたい放題して、観客を喜ばせます。あまりの暴走ぶりに、辻本が思わず「お前は来るな!」「こいつしんどいぞ!」と絡みを嫌がるひと幕も……!?
石田は回し役として座員たちを引っ張り、辻本は悪徳開発業者に扮して平山昌雄、レイチェルを従えチームプレーで爆笑をさらいます。内場はやすえの元夫という役どころ。実生活でも妻であるやすえによる“暴露”が飛び出すなか、情けなくもやさしい男を演じました。
諸見里大介や佐藤太一郎、松浦真也、新名徹郎らがそれぞれの持ち味を発揮して見事なスパイス役となったほか、多和田上人、筒井亜由貴といった若手も躍動。それぞれが自分らしさをアピールしながらひとつの大きな笑いへと昇華させる、ヒロらしい新喜劇に観客は大満足でした。
辻本がもくろむ開発事業の顛末は? はたしてヒロの恋は実るのか……? 最後まで爆笑の連続となり、エンディングでは会場が拍手に包まれました。この舞台の模様は、『よしもと新喜劇』(MBS)で11月25日(土)に放送予定です!
ヒロのチャチャに内場「うるさいな!」
1回目の公演終了後、ヒロ、内場、辻本、石田の“平成4座長”が囲み会見を行いました。ヒロは「久しぶりに(座長を)やると、ほどよい緊張感と、自分の台本の物忘れがひどいなと思いました」と振り返ります。
内場は「この人(ヒロ)1人を、みんながお守りする感じで、ホンマに昔と変わらない」と懐かしそうに語ります。話を続けようとすると、ヒロがチャチャを入れ、すかさず内場が「うるさいな!」と返す……そんな息の合ったやりとりも見せました。
辻本は「ヒロさんらしい、楽しい新喜劇になった。自由にやってくれということなんで、ほんとに楽しくできたと思います」とコメント。石田は「40年前は僕も独身でしたが、いまは6人家族になって、たぶんヒロさんに対する当たりはだいぶやさしくなってると思う(笑)」と話し、「こういう機会を与えていただいて、ありがとうございます」と感謝しました。
60歳になっても「ギャグ100連発」!?
初回公演は45分の予定でしたが盛り上がりすぎて60分に。ヒロは「絶対に長くなると思ったから、今回の本は、実はものすごく短くしたんです。これやったら長くなっても45分ぐらいかと思ってたら、1時間やってましたね」と語ります。
一方、「ヒロのいちばんの魅力は?」という質問に内場は、「やっぱりギャグ。僕はもう、彼は天才やと思ってますからね」と答えると、「だからストーリーに絡まんといてほしいです。出てきてパッと何かやってパッとはけてほしい」と訴えて笑わせます。
「ハートの強さ」を挙げた辻本は、「どんな空気でもガンガン前へ進む。スベっても何発も重ねていって、それが最終的に笑いになる」と評しました。
石田はヒロの魅力を「唯一無二」と言い切ると、「むかし、ダウンタウンの松本(人志)さんが、ヒロさんの力が必要やと思って『ごっつええ感じ』に呼んだっていうのはやっぱりすごい」と話しました。
さらに、ヒロの代名詞とも言える「ギャグ100連発」について、石田が「60歳になってもやってもらいたい。これからも元気に、酒は飲みすぎずにがんばってください」とエールを送ると、ヒロは「がんばるぜ!」と元気いっぱいに応えました。