子役、タカラジェンヌ、吉本新喜劇座員という異色の経歴を歩んできた仙堂花歩の芸能生活25周年を記念して、11月5日(日)に大阪・YES THEATERで公演『my Dream~大切な人たち~』が開催されました。ゲストには俳優の村井國夫、宝塚同期のはいだしょうこのほか、韓国の人気ボーイズグループ・5tionも。新喜劇の舞台もありながら、25年間の軌跡を凝縮したエンターテインメントを届けました。
宝塚同期のはいだしょうことデュエット
仙堂は、7年間在籍した宝塚歌劇団を2005年に退団し、同年、「よしもと新喜劇 金の卵オーディション」に合格。現在は、「堺少女歌劇団」のクリエイティブプロデューサーや池田市観光大使をつとめるなど多方面で活躍しています。
公演は仙堂によるアカペラ歌唱でスタート。その後、夫でギタリスト・音楽プロデューサーの中島岳が率いる演奏をバックに、圧巻の高音ロングトーンを響かせます。
「早かったような長かったような25年。今日は、わたしの大切な人たちをゲストにお招きします。最後まであたたかく見守っていただけたらうれしいです」
仙堂はこう挨拶すると、平原綾香の「おひさま~大切なあなたへ」をカバーして、公演冒頭から包み込むような美声で客席を魅了しました。
続いて、仙堂が「お姉ちゃんのような存在の同期生です」と呼び込んだのは、宝塚歌劇団時代の同期生でひとつ年上のはいだしょうこ。宝塚に入団する前から友だち同士だったという2人は、「しょうちゃん」「まいちゃん(仙堂の本名)」と呼び合い、レッスン生だった高校時代の思い出話に花を咲かせました。
双子のように同じ髪型にするなど当時から仲がよかった2人は、「こうやってまた一緒にステージに立ててうれしい」と喜びを噛みしめながら、ミュージカル『ジキルとハイド』のラブソング「その目に」などをデュエット。2人揃って“天然キャラ”ですが、ギャップのある力強いハーモニーで会場を包み込みました。
K-POPトップアイドルとダンスパフォーマンス
この日は、韓国のボーイズグループ、5tion(オーション)もお祝いにかけつけました。仙堂の25周年を記念した新曲「運命の扉」をメンバーのジュホとともにムードたっぷりに披露。メンバー全員によるダンスパフォーマンスでは、カラフルなペンライトが振られて声援が飛び交います。
また、ステッキを持った仙堂と5tion の5人が椅子を使ったアクロバティックなダンスをパフォーマンス。仙堂は「トップアイドルと一緒にステージに立ててうれしい!」と笑顔を見せました。
ゲストも吉本新喜劇でドタバタ
そして、ステージ上は一転して、うどん屋台を舞台にした新喜劇に。吉田裕、今別府直之、酒井藍に加え、吉田が思いを寄せる女性役としてはいだが出演し、うどん屋のアルバイト役の仙堂と息のあった演技を披露しました。仙堂と中島による夫婦漫才さながらのシーンもありつつ、ゲスト陣は“乳首ドリル”に挑戦。はいだのソフトタッチな棒さばきに吉田が「ヘンな気なるわー!」とツッコみ、爆笑をさらいました。
そこから、仙堂はドーリーな衣装を身にまとい、キュートに新曲を披露してコール&レスポンスにも挑戦。バックダンサーとして参加した「堺少女歌劇団」のあけゆとあやのも「かわいい振り付けで楽しかった」とステージを楽しみます。仙堂が「このキャラクターに力を入れていきたい」と語ると、吉田と中島は「振り幅がすごい!」と仰天しました。
親子のような関係の村井國夫と夢の共演
最後のゲストとして登場したのは、俳優の村井國夫。仙堂が子役時代にミュージカル『レ・ミゼラブル』で共演して以来、親子のような関係性を築いてきました。シックな黒のドレスとスーツを身にまとった仙堂と村井は、「エーデルワイス」「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」などのナンバーを歌い上げ、大人の色香を漂わせます。
トークタイムで仙堂は、宝塚最後の舞台や結婚式など、人生の節目で見守ってくれた村井に感謝の気持ちを伝えます。村井も「海外公演に行ったときは、実の娘よりたくさんお土産を買って帰ったこともあったな……」と懐かしそうに振り返りました。仙堂は村井との共演について「夢が叶いました!」と感慨深げです。
そして最後の衣装チェンジを終えた仙堂は、ファンや家族、共演者、スタッフへの感謝の気持ちを込めて、20周年でリリースしたアルバム『my life』の収録曲「素直なままで」を熱唱。グランドフィナーレではこの日の出演者を呼び込み、ひとりひとりへ感謝の言葉を伝えて、25年の集大成となるステージを締めくくりました。