マンゲキvs神保町ネタバトルを制したのは結成4年目のコント師・シスター! 「キレイなデブと組みたかった」

大阪・よしもと漫才劇場(マンゲキ)と東京・神保町よしもと漫才劇場(神保町)に所属する若手芸人によるネタバトル『マンゲキ×神保町 東西グランプリ ~Under-10~』。11月11日(土)に神保町よしもと漫才劇場で開催されたバトルで1位に輝いたのは、マンゲキ所属の結成4年目のコント師・シスター(井坂ひ孫、週末)でした。ファニマガでは、ライブ終わりのシスターを直撃! 興奮冷めやらぬ彼らに、結成秘話や今後について話を聞きました。

出典: FANY マガジン
井坂ひ孫(左)と週末(右) 出典: FANY マガジン

上位をマンゲキが独占!

このネタバトルは、マンゲキの「Kakeru翔GP(かけるグランプリ)」と神保町の「Jimbochoグランプリ」というランキングシステムに参加する芸人から選抜された各3組ずつが、チームと個人で戦うイベント。来場者とリアルタイムで配信を見ている視聴者からの投票によって、勝利チームと個人ランキングが決定します。

今回は、大阪からシスターのほか、ぐろう(家村涼太、高松巧)、例えば炎(タキノ ルイ、田上)、神保町からはまんぷくユナイテッド(松下遼太郎、狩野大)、軟水(大河内聡、つるまる)、狛犬(坂口トラック、櫛野)が参戦しました。

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MCを素敵じゃないか(柏木成彦、吉野晋右)が務めるなか、それぞれが渾身のネタを披露した結果、1位から3位までマンゲキが独占! 悲しみに満ちた世界観と哀愁漂う“おかしみ”にあふれるコントを披露したシスターが1位を獲得しました。

井坂「自分のネタがいちばんおもろい」

――1位となったいまの率直な気持ちを聞かせてください。

井坂 僕は……これ口癖でもあるんですけど、“ぶちかませた”かなと。自信あるネタやったんで、納得の結果ですね。勝てると思ってました。

週末 勝つつもりで大阪から来ましたけど……うわぁ……嫌われるで? ひねくれすぎやって。彼、引くくらいのナルシシストで自己愛にあふれてる方なんです。

井坂 大阪でもこんな感じです。自分のネタが、いちばんオモロイと思ってます。マンゲキが3位まで独占してて、かつ1位やから余計に嬉しい。NSC(吉本総合芸能学院)大阪42期で同期のぐろうは、いろんな賞レースで結果出していて。この前の『Kakeru翔GP』は、ぐろうが1位で僕らは2位やったんで、ここで勝ててよかったです。

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週末 たしかにライバル視してるところはありますけど、「ぐろうが1位で僕らは2位やったんで」って……うわぁ、イヤやわ。もっとまろやかに言うてよ。

――(笑)。今回、披露したネタは物語性が強いコントだったので、対決ライブであのネタをやるのはチャレンジだったかなと思いますが。

井坂 そうですね。あのネタ、今年の『キングオブコント』2回戦でめっちゃウケたんですけど、落とされたんですよ。

週末 ……落とされた? 彼は好きなネタであるがゆえに、こういう言い方になりました。たしかに、あのときはめちゃくちゃ悔しかったですけど、今日やっていていいネタだなと改めて思いました。

井坂 そう、好きやけど負けたネタやったんで、自分らのなかでケチがついた感じがあって。だから勝ててよかったです。

初対面でネタ合わせもした

――現在、芸歴4年目ですが、コンビを組んだいきさつは?

井坂 前のコンビを解散したとき、次はキレイなデブと組みたいと思って探してたんです。同期も先輩、後輩にもいないなと思っていたなか、別のコンビを組んでたこいつを見つけて。すぐに引き抜きたいと思いながら、とりあえずこいつが組んでるコンビのネタを見たら、めちゃくちゃオモんなかった。こいつと面識はなかったんですけど、同期の友だち伝いにLINEのIDを入手して、「大阪城公園で待ってるから来てくれ」って送ったんです。

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週末 まったく絡みのない知らんヤツから呼びされて、しかも間違った待ち合わせ場所を教えられたんですよ。

井坂 「天満橋駅」って伝えなダメやったんですけど、「天満駅」って伝えてしまって。そこから大阪城公園に来させて、「いまのコンビ、無理やと思うねん。オレとやってくれへん?」って言ったら、こいつが二つ返事で「うん」って承諾したんです。

週末 解散しようと思ってたんでね(笑)。ただ、ひとつ言わせてください。こんなマイルドな言い方はされてない! 「もう、いまのコンビ、オモんないから解散してくれ! 売れるわけない! お前は理想のキレイなデブや。組んでくれ!」って言われました。

――初対面ですよね? 言い方とか気にならなかったんですか?

週末 最初はほんまにこいつ、どついたろかなと思うくらい、印象が最悪で。ただ、かわいいのが「オレは、こんなネタとかこんなネタとか書いてる」ってネタ帳を見せてきたんです。

井坂 ひぃ~!(笑) ネタしか自信がなかったんですよ。

週末 まず面識がないし、なにを考えてるヤツなのかもわからないまま、とりあえずネタの話をして。僕、ネタを1年間考えて2本しか書けてなくて、短期間でこれだけのネタを書いてくれるなら、と思ってコンビを組みました。

井坂 二つ返事で「うん」やったんで、初対面でネタ合わせもして。

週末 そこから、ずっとコントをやっています。

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コントで劇場を引っ張っていきたい

――いまの「翔KAKERU」メンバーとしての活動についても詳しく教えてください。

井坂 「Kakeru翔GP」では上位に入れるようになってきたんですけど。

週末 少しずつね?

井坂 ただ、賞レースが……。特に『キングオブコント』に関しては、前のコンビ時代を含めて4年連続でAブロックのトップバッターを引いたりして、運がないんですよね。ネタはそこそこウケるようになってきましたけど、平場はまだまだなので、そこもがんばらないといけないです。12月にマンゲキで初めて単独もやるので、満席にできればいいですね。

週末 初めてやからな? いまくらいから取り掛かっていて。

井坂 先輩たちからはだいぶ早いと思うんですけど、2人でこもってネタをつくっています。コント単独を予定していて、今後もコント単独しかやらないかもしれないです。組んだ当初、こいつが『M-1』出たいって言うので漫才を2本だけつくったんですけど、やっぱりコントをつくってるほうが楽しくて。

週末 僕もNSCに入ったときは漫才をやりたかったんですけど、いまはお互いのびのびとできるコントのほうがいいなと思いますね。

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井坂 僕らが所属しているマンゲキは“漫才”とついている劇場ですけど、面白いコント師も増えてきてます。僕らとしては大阪でコントを盛り上げていきたいので、漫才師はもちろん、コントをする若手にも注目してもらえたら嬉しいですね。

週末 で、ゆくゆくはコントで劇場を引っ張っていけるようになりたいです。

いちばん好きなお笑いは“哀”

――コントの魅力はどんなところにありますか?

井坂 個人的な意見として、コントはウケる以外のことを優先してできるところがいいというか。たとえば、怖いオチとかもできたりするじゃないですか。そんな感じで、つくりたい世界観を優先できるところが楽しいですね。

週末 僕はなり切れるよう、自分のなかに役を落とし込む作業が楽しいです。入り込めない役があると、洗面所の鏡の前で(自分を見ながら)ネタの練習をするんです。何度もやってるとおかしくなりそうにもなるんですけど、それも含めて楽しんでますね。

井坂 僕ら、どこか悲しいとか、グロいとか、そんなネタばっかりやっているんですけど、いちばん好きなお笑いが“哀”なんです。やから銃を使ったり、悲しみを扱ったりするネタが多いんですけど、単独ではいろんなコントをやりたいな、と。ただ、めっちゃこいつがアホで、ふつうに1時間で終わる作業に2日かけたりするんです。

週末 僕がコントの小道具をつくってまして、変なこだわりが出ちゃうんですよね。しかも僕、記憶力がだいぶ悪いんで。

井坂 ネタ6本、長尺コントもやりたいなと思ってるんですけど……大丈夫かな。

週末 いや、そっちこそ頼むで? がんばろな!

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出典: FANY マガジン

――今後の展望は?

井坂 そもそもこいつと組んだのは、タレントになってくれそうやなと思ったからなんです。やから、こいつにはシスターの広報としてテレビの人気者になってもらって、僕はウラでせこせことネタをつくっていって、単独でメシを食っていくのがいちばんの理想です。

週末 僕は“生きてるぞ!”っていう実感がほしいので、チャレンジ企画をやれたら。

井坂 こいつはちょこちょこですけど、テレビの仕事が入っていて。

週末 バスケットボールで3時間ヘディングするとか大食い系のお仕事をいただいてますね。演じることも好きなので、映画やドラマにも出てみたいですし、集団コントもやってみたいし、ゆくゆくはコント番組もやりたいですね。

井坂 そのためにも賞レースをがんばらんと。面識はないんですけど、今年、『キングオブコント』のファイナリストになったゼンモンキーは同期で。

週末 やから、ネタを観るときにちょっと力入っちゃいましたね。

井坂 追いつきたいですね。売れるきっかけは賞レースしかないので、『キングオブコント』。あと、直近で『ABC新人お笑いグランプリ』とか獲れるようにがんばっていきたいですね。

公演概要

シスター初単独ライブ「樂樂磊磊」

日時:12月23日(土) 開場17:45 開演18:00
場所:よしもと漫才劇場
チケット:前売1,200円(税込) 当日1,500円(税込) 配信1,200円(税込)

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