吉本新喜劇のすっちー扮する須知山田刑事と千葉公平扮する千葉刑事の“迷コンビ”が登場する舞台『吉本新喜劇殺人事件〜千日前バカポリス大運動会〜』が、11月26日(日)に大阪・YES THEATER(吉本新喜劇セカンドシアター)で開催されました。新喜劇の舞台上で起こった事件のナゾを追うミステリー風コメディで、清水けんじ、島田一の介、松浦真也、小寺真理ら新喜劇メンバーが本人役で出演するほか、舞台終盤には事件解決のカギを握る“シークレットゲスト”も乱入! 会場を埋めたファンを大いに沸かせました。
事件の推理そっちのけで大喜利大会!?
幕が開くと、カップル役の松浦真也と咲方響が清水の営むうどん屋台を訪れるという、おなじみのスタート。ところが、いつもの流れで咲方にカバンで一撃された松浦が、本気のうめき声とともに流血!? 混乱のうちに舞台が暗転し、「以上を持ちまして、本日の公演は終了いたしました」とアナウンスが流れると、予想外のオープニングに客席がざわつきます。
明転すると、事件現場となった舞台では警察による捜査が始まっています。続いて、客席後方のドアからすっちーと千葉が登場! 観客の大歓声に迎えられた2人は、通路を右へ左へ駆け回る大サービスで、文字通り「千日前バカポリス大運動会」状態です。
舞台に上がってからもボケ倒し、清水は思わず「こんな感じで、ずっと思いつきでしゃべっていくんですか!?」とツッコミを入れていました。
事件の凶器は、小道具のカバンに仕込まれた鉄板。2人はさっそく推理を展開しますが、いつのまにか大喜利大会の様相に……。さらに若手へのムチャブリも連発し、咲方にパンティーテックスをやらせたり、刑事役の新名徹郎に「ヒロシに似ているから」とモノマネを強要して盛り上げました。
捜査そっちのけで笑いを取ろうとするすっちー&千葉を横目に、舞台では松浦の穴をどう埋めるか、座員の打ち合わせが始まります。一の介、小寺、おやどまり、けんたくん、松元政唯が登場すると、ここでもまた須知山田刑事の“座員イジり”が発動。
事件前夜に女性の悲鳴を聞いたという劇場掃除係役・吉岡友見や、その時間、楽屋に居合わせた谷川友梨、岡田直子、曽麻綾にも事情聴取という形で言いたい放題。果てはパーカーの紐の太さまでネタにする貪欲さで爆笑を巻き起こしました。
“ハゲバトル”に加えて“口臭バトル”まで勃発!
後半は、重要参考人として浮上した小寺、清水、一の介の取り調べシーン。すっちーとがっぷり四つに組んだ演技合戦……と思いきや、実は裏ネタ暴露連発の“追い込み”で笑わせます。小寺が舞台袖で踊るという謎のダンスや、タワマン住まいの清水の家賃や過去の恋愛話、一の介のヘアスタイリング秘話まで次々と白日の下に。思わぬ質問に不意をつかれた3人の素の反応も大ウケでした!
クライマックスは、再び事件現場=舞台に戻って推理シーン。証拠から一の介が犯人であることが発覚しますが、やさしい一の介のエピソードが明かされ、「そんなことをするはずがない」と否定される流れに……。しかし次の瞬間、客席後方から「ちょっと待った!」の叫び声が――そこには“シークレットゲスト”のもりすけが仁王立ちになっていました。
舞台に乱入したもりすけは、一の介の悪行を次々に暴露します。事件の背後にあったのは新喜劇の熾烈なハゲキャラ争い。一の介、松浦、もりすけの“ハゲバトル”は圧巻で、一の介を陰で操るサイコパスが実は……という衝撃の結末まで、ノンストップで笑わせました。
カーテンコールですっちーは「全員、緊張してましたね。ふだんと違うことやりましたから」と振り返り、千葉は「チャレンジすることが大事ですよね」と座員たちの奮闘をたたえます。また、すっちーが「一の介が頭部にヘアオイルを塗り、わざとテカらせていた」という新事実を暴露して“一の介ビジネスハゲ疑惑”も急浮上しました。
もりすけは、新喜劇に籍を置きながら“愛媛県住みます芸人”として活動中です。久々の新喜劇出演で緊張しているせいか「口臭がひどい」と周囲から指摘されるひと幕も。そこからもりすけと松浦の“口臭対決”が勃発するなど、笑いの絶えないエンディングに――。
最後にすっちーが「このシリーズ、やっていきます?」と聞くと、ひときわ大きな拍手が広がり、本公演とはひと味違う新喜劇ワールドに観客もすっかりハマった様子でした。