多くの著名な漫画家を輩出した伝説のアパート「トキワ荘」をモチーフに、そこに住む若者たちを描いた現代コメディ劇「トキワ荘のアオハル」が11月3日(水・祝)、4日(木)の2日間にわたって、東京・西池袋の東京芸術劇場(プレイハウス)で、絶賛上演中です! よしもと芸人ら豪華メンバーが集結し、何が起こるかわからないハプニング満載の舞台を“好演”しています。
豊島区は11月1日(月)から7日(日)まで、文化によるまちづくりを次の世代へ継承・発信する「としま文化推進期間」と定めています。今年のテーマは「文化×SDGs」。吉本興行ホールディングスはSDGs(持続可能な開発目標)の共通理念のもと、この期間中に豊島区内で、笑いや音楽だけでなくSDGsを学ぶワークショップなどさまざまなイベントを開催しています。
今回の舞台はその一環として公演されているもので、豊島区南長崎3丁目に実在し、手塚治虫や藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫など伝説の漫画家が住んでいた木造2階建てのアパート「トキワ荘」をモチーフとしたコメディ作品。
久馬歩と寺本覚が脚本・演出を手掛け、俳優の植田圭輔のほか、NON STYLE・石田明、バッファロー吾郎・竹若元博、次長課長・河本準一、カラテカ・矢部太郎、南海キャンディーズ・しずちゃん、福田転球ら豪華キャストが集結しています。
FANYマガジンでは、その初日公演の様子をレポートします! (なお、この先、ネタバレがありますのでご注意ください)
舞台『火花』のコンビが熱演
物語の舞台となるのは、豊島芸術大学の学生寮。豊島区に実在した「トキワ荘」のように、夢を持った若者たちが才能をぶつけ合う場になってほしいという思いで命名された「トキワ寮」にいるのは、ペンネーム“アオヅカハルオ”で活動し、将来を期待される漫画家志望の2人、青塚(石田)と春塚(植田)。
現役大学生漫画家として注目を浴び、デビューを目前に控えるなど順風満帆に見える2人でしたが、青塚の「1年間、お互い好きなことをやろう」という提案から一転、解散危機に。2人の住んでいる部屋にも仕切りができるなか、「トキワ寮」が閉鎖するという話が浮かび上がって……。
2018年に上演された又吉直樹原作の舞台『火花-Ghost of the Novelist-』でお笑いコンビを演じた石田と植田は今回、“アオヅカハルオ”というペンネームで活躍する若き漫画家を熱演。漫画に懸ける熱い思い、学生らしいノリとボケなど息ぴったりな芝居を見せます。
2人を取り巻く登場人物たちのコミカルさや優しさも心地よく、河本演じる留学生・リンさんが物語の途中で見せる“自前のカツラによるある仕掛け”も注目。西村竜哉の切なくも透き通った歌声と弾き語り、作中に出てくる矢部太郎が描いたイラスト、マユリカ・中谷が手掛けた漫画コンテなど、隅々までおたのしみポイントが盛りだくさんの作品となっています。
また、ゲストを迎えた「イラスト大喜利」も見どころのひとつ。竹若、矢部、しずちゃんのほか、ゲストの天竺鼠・川原克己といった絵がうまい芸人、そして大喜利に強いスパイク・小川暖奈を交えて、観客からは何度も大きな笑い声と拍手が起こりました。
「ハプニングもあったんですけど…」
公演後、石田、植田、河本、しずちゃん、久馬が囲み取材に応じました。
満員の観客を前に、初日を終えたことについて石田は「嬉しいもんですね」としみじみ。
「ハプニングもあったんですけど、生の舞台はいいなと思いました。歴史あるトキワ荘を舞台に、笑いとお芝居を交えて表現できるなんて、このコロナ禍で幸せなことやと思いました」
芸人だらけのなかで芝居した植田も、「お客さんにとっても、われわれにとっても、何が起こるかわからないという意味で、宝箱のような時間でした」と、ハプニング満載の舞台を楽しんだ様子です。
しずちゃんが「バタバタしたところもあったけど、みんな、すごかった。プロやなと思いました」と共演者の対応力に感心すると、久馬も「バタバタしてたとは思えないくらいの見事な演技やった」と絶賛します。
“自前のカツラによるある仕掛け”をしくじった河本は、「楽しかったんですけど……すみません。明日、成功できるようにがんばります」とリベンジを誓っていました。
「野爆さん、呼んだらダメ」
2日目のゲストは、野性爆弾(くっきー!・ロッシー)。初日のゲスト・天竺鼠は、瀬下豊が「ピンチはチャンス」と自ら顔中に洗濯バサミをつけて引っ張ったり、しどろもどろに話す川原にしずちゃんが「ちゃんとセリフ覚えて!」とツッコんだりと、とにかくやりたい放題。
そんな川原が「僕ら呼んだらあかん。しかも野爆さん、呼んだらダメ」と指摘すると、石田は「瀬下はまだしゃべれるからいい。ロッシーはしゃべられへん」と早くも戦々恐々の様子。
久馬も「ロッシーに稽古場へ来てもらったんですけど、とんでもないことになった」とぽつり。それを聞いた河本は「恐ろしい~! しかも、もう1人いるんですよ、モンスター(くっきー!)が」と眉をひそめます。
そんな一同の不安を引き取って、植田が「何が起こるかわからない状況を、お客さんと一緒に楽しめたらと思います」と笑顔で語りました。
4日(木)は、14:00からと18:00からの2回公演。“最凶”ゲスト登場で、果たして無事に終えることができるのか――。
公演概要
『トキワ荘のアオハル』
日時:11月4日(木)開場13:30 開演14:00/開場17:30 開演18:00
会場:東京芸術劇場 プレイハウス
脚本・演出:久馬歩/寺本覚
出演:植田圭輔、石田明(NON STYLE)、松島勇之介、竹若元博(バッファロー吾郎)、河本準一(次長課長)、矢部太郎(カラテカ)、しずちゃん(南海キャンディーズ)、坂本純一(GAG)、福井俊太郎(GAG)、宮戸洋行(GAG)、松浦志穂(スパイク)、小川暖奈(スパイク)、太田夢莉、西村竜哉、福田転球
ゲスト出演:野性爆弾
チケット:
大人5,000円(税込・全席指定席)
障害者割引4,000円(税込・全席指定席 ※ご入場の際障害者手帳をご提示いただきます)
子ども料金2,500円(保護者同伴の小学生以下対象・未就学児童は保護者の膝上観劇の場合無料)
公式サイトはこちらから。