NSC(吉本総合芸能学院)東京の卒業イベント『NSC大ライブTOKYO2024』の決勝戦が、2月27日(火)に東京・浅草公会堂で開催されました。NSC東京29期生ら総勢335組の頂点に立ったのは、ド天国(てんと、河村勇一郎、ゴトウタイガ)の3人。在学中に『キングオブコント』の準々決勝へ進んだ実力を見せつけ、大いに会場を湧かせました。
怪盗と刑事のコント
大会の予選には、今春の卒業を控えるNSC東京29期生のほか、各地のエリア校の生徒を加えた計335組が参加。2日間にわたって行われた予選の結果、奥の富士川、海月の骨、キャマンダー、マシン語感、アミダライン、ロッテンマイヤーさん、太田満塁ホームラン、なでなでボーイ、ローマんな、サギブタ、もぐら大戦争、ド天国という12組が勝ち残り、決勝で渾身のネタを披露しました。
決勝戦ではMCをマヂカルラブリー(野田クリスタル、村上)が務め、NSC講師のパンクブーブー・佐藤哲夫とNON STYLE・石田明が見届け人として登場。審査員はバッファロー吾郎・竹若元博、佐久間一行、銀シャリ・鰻和弘と作家の遠藤敬、松本真一、野々村友紀子、藤田曜が担当します。
そして厳正なる審査の結果、3位は帰国子女のアトランティス郷が英語でネタをやりきった「マシン語感」、2位は躍動的なハゲネタを見せた「なでなでボーイ」、そして1位の輝いたのは……美術館で巻き起こる怪盗と刑事のやりとりを描いたコントで大きな笑いを起こした「ド天国」でした!
上位3組は僅差の勝負に
名前を呼ばれた瞬間、大きくガッツポーズして天を仰いだド天国の3人。MCのマヂカルラブリー・村上によると「上位3組は3ポイント差くらいの僅差だった」そうで、3組はハイタッチしたり、抱き合ったりしながらお互いの健闘を称えました。
優勝のド天国について、NON STYLE・石田は「昨年のキングオブコントも在学中に準々決勝まで行っているエリートで、音がなくても笑かせるトリオなので期待してます」とコメント。パンクブーブー・佐藤は「僕の授業は1回だけだね? そのときは声がちっちゃかったのに堂々と優勝して。これはちょっとうるっと来ますね」と著しい成長に目を細めました。
会場の3階席には、決勝へ進めなかった多くのNSC29期生の姿。マヂカルラブリー・野田が3階席に向かって「頑張れよー! 這い上がれよー!」と大声でエールを送ると、「おぉーー!」という地鳴りのようなレスポンスが返ってきました。
「卒業後は漫才も頑張っていきたい」
ライブ後に優勝の感想を聞かれたド天国・ゴトウは、「まだ正直、飲み込めていないです」。河村も、予選のほうがウケた感覚があったようで、「体感としては、マジで6位くらい」と語りました。
そんなド天国について、石田は「仕上がってたし、この子らは上に行くやろうなと思っていました。コントの作り方も面白いですし、表現力も高かったので」と太鼓判。佐藤も「トリオとしての形というか、自分たちの笑いの取り方がしっかりしてる」と評価します。
ド天国・ゴトウによると、NSCには「本当はM-1とかに出たくて3人で入った」とか。しかし、「1回、(授業で)佐藤さんに漫才を見せてコテンパンに言われまして……そこからコントしかやってない」とのことで、「卒業したら漫才も頑張っていきたいなと思います」と意欲を見せました。
優勝特典は吉本の各常設劇場への出演のほか、『よしもとお笑い祭り』への出演、BSよしもとでの冠特番など多数。ド天国・河村は「ルミネ(the よしもと)に出るのが楽しみ」と意気込みます。
野田は自身のホームでもある大宮ラクーン劇場について、「気をつけろ。大宮ラクーンは、ここから下は見えないからしゃがんだらおしまい」と腰から下を指して、ネタをする際の注意点をレクチャー。一方の村上は「大宮は何やってもいいから。せっかくならむちゃくちゃやってほしいね」とエールを送りました。