東京・ヨシモト∞ホールの看板芸人であるムゲンダイレギュラー入りをかけて、若手芸人たちが競う『レギュラー昇格ネタバトル「ムゲンダイユースカップ」決勝戦』が3月10日(日)に開催。これまで幾度となく決勝に勝ち上がっていたスクールゾーン(橋本稜、俵山峻)が、見事優勝を果たしました!
優勝ネタは当日完成した!?
今回、決勝に進出したのはスクールゾーンのほか、入間国際宣言(西田好孝、千葉ゴウ)、大谷健太、おしみんまる、スクラップス(ヨシオちゃん、安藤陸、サン北川)、とらふぐ(阿部直也、田畑勇一)、タニャロー(ハリキリちゃん、ウガジンポン)、バビロン(おーちゃん、ノリ、千葉ストロガノフ)、ぱろぱろ(大久保健、わだあきや)、ランパンプス(寺内ゆうき、小林良行)の面々。
審査員を務めたのは、劇場支配人や芸人審査員の田所仁(ライス)らで、来場者やオンライン視聴者も投票できる仕組みです。
まずはファーストステージで1位のスクールゾーン、2位のぱろぱろ、3位の大谷がファイナルバトルに進出。最終決戦で審査員と観客による投票の結果、スクールゾーンが優勝となりました。
これまで何度も決勝に上がっては、最後の一歩が届かなかったスクールゾーン。悲願の優勝が決まり、安堵の表情を浮かべます。また、ファイナルバトルで披露したネタは、当日完成したものだと明らかに。会場を驚かせました。
最後に田所が登場。今回のバトルについてコメントを求められると「ちょっと難しすぎるというか。最後の最後まで悩みまくって、点数も途中で見ながら変えていって」と審査員ならではの悩みを吐露。続けて「(9位の)おしみんまるが下の方だっていうのは分かっていたから……」と切り捨てると、おしみんまるは「なんでー?」と連呼して詰め寄ります。決勝での惜敗に「本当に俺、今日壊れそうだから!」と叫んで笑いを誘いました。
「実際にある人間の面白さ」をコントで描く
優勝したスクールゾーンの胸中はいかに? 激闘を終えたふたりに話を聞きました。
ーームゲンダイレギュラーメンバーに昇格しました。まずは、お気持ちを聞かせてください。
橋本 気づいたら(ユースカップ予選や決勝ライブで)約3年戦っていたんですけど、やっと上がれて良かったです。
俵山 こんな言い方あれですけど、大嫌いなライブだったんで、それをやらなくていいのかと思うと……。
橋本 ストレスがあるからね。
俵山 安堵に近くて、“解放された。良かった〜”みたいな感じですね。
ーーこれまで決勝に何度も上がっては、惜しいところで敗退。この期間は、どんなお気持ちで過ごしていたんですか?
橋本 本来(バトルライブには)出たくないんですけど、劇場に出てネタをやりたいので、そこで頑張らないと……って思っていました。
俵山 (ムゲンダイ)ユースにいるみんなのネタは当然面白いし、ある程度、型が確立されている中、「この芸歴になってもバトルをしなきゃいけないのか」というのが“すげえやだな”と思っていました。でも、やんなきゃいけないし、当日行ったら負けたくはないし……という感じでしたね。
ーー最後に披露したネタは当日完成したそうですね。
橋本 決勝でネタをやりすぎて、もうネタがなかったので、前のライブで試して持ってきた感じですね。
ーー優勝後、周囲の芸人仲間から声はかけられましたか?
俵山 川瀬名人(ゆにばーす)がLINEで「おめでとう。関西から来る芸人を一緒に滅ぼそうな」と言っていました。
ーー(笑)。おふたりの強み、セールスポイントを教えてください。
橋本 僕ら漫才もやらないですし、コントでも天使と悪魔みたいな設定(ファンタジー要素のあるネタ)はできなくて、実際にある人間の面白さしか表現できないんです。ただ、その中でしかコントが作れない分、(そのジャンルでは)だいぶ強くなっている気はします。そこのステータスだけをただひたすら伸ばしている……って感じですね。
ーー劇場のレギュラーメンバーになると、自分たちのやりたいライブや仕事の幅も広がると思います。劇場でやってみたいことは何かありますか?
俵山 川瀬は「大阪から来るヤツを滅ぼそう」と言っていましたけど、大阪からは同期のビスケットブラザーズとかも来ますし、僕らが大好きな芸人とツーマンとかやれたらいいなと思います。
ーー次なる目標を教えてください。
橋本 『キングオブコント』は優勝したいですね。
俵山 そういう意味では、この3年間、負け癖ではないですけど、3ヶ月に1回負けていて。あまり縁起のいいものではないんで、そこを脱せたのは良かったです。
ーーこれから劇場にいらっしゃる方にメッセージをお願いします。
俵山 僕らYouTubeもやっていて、そこで好きになってくださる方もたくさんいるんですけど、動画でやっているコントと劇場のコントはまったく別物ですし、生で見るネタの良さも感じてほしいので、ガンガン劇場に来てほしいです。
橋本 僕も同じ気持ちですね。劇場でぜひ生のお笑いライブを見てほしいです。
ーースクールゾーンさんはYouTubeでたくさんコント動画をアップされていますが、劇場で披露するネタとはひと味違うものなんですね。
橋本 そうですね。YouTubeは好きなようにやっているというか。時間の制約もないので、長回しすることも多いんですけど、劇場のコントは、それをギュッとして笑いやすくしたもので、どちらの良さもあると思っています。YouTubeが好きな方は劇場のコントを見てほしいですし、劇場のコントを見て“面白いな”と思ったらYouTubeの方も見てほしいですね。同じコントだとしても、印象が全然違うと思います。
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取材・文:浜瀬将樹