吉本新喜劇の川畑泰史と、トークの達人・兵動大樹がタッグを組んで舞台・芝居の世界に挑戦する「この先10年プロジェクト」をスタートしました! 第1弾は、6月14日(金)~16日(日)に開催される舞台公演『なれない』(大阪・ABCホール)です。4月25日(木)には記者発表が行われ、NSC(吉本芸能総合学院)の同期でもある2人が出席。その場で芝居のタイトルやストーリーを初めて知るという演出もありつつ、プロジェクトが始まった経緯や今後の“野望”を語りました。
53歳から「もっと勉強したい」
昨年、新喜劇の座長を勇退した川畑と、漫才コンビの矢野・兵動だけでなくピンでも活躍してきた兵動は、ともにNSC大阪9期生。このプロジェクトは、そんな2人が芝居の世界に飛び込んで、年に1回、個性豊かな演出家や脚本家と一緒に舞台公演を作り上げていくものです。
川畑は、プロジェクトが始まった経緯をこう話します。
「僕らは(NSC大阪)9期生の同期。僕はずっと新喜劇でやってきて、兵ちゃん(兵動)は漫才とおしゃべり中心。いつか一緒になんかやりたいね、という話はずっとしていたんですが、去年、僕が座長を退いたタイミングでいよいよ『ちょっと時間できるんちゃうか、なんかやろうか』と。いつも社交辞令的に言っていたことが、ついに『やろうか』となりました」
川畑56歳、兵動53歳のいま、新たなことにチャレンジするモチベーションについて、川畑が続けます。
「われわれの諸先輩、新喜劇のベテランさんも、漫才のベテランさんもまだまだ第一線でやられていて、それに比べたらまだひよっこ。ここから10年、まだまだ成長するで、がんばるで、ということでお芝居の世界に足を踏み入れて舞台中心に2人でがんばっていきたいです」
同じ気持ちを持ったという兵動も、こう語りました。
「僕も漫才とか1人しゃべりをやってますし、YouTubeもやっているんですけど、53歳やから収まるのではなくて『もっと勉強したい』という気持ちがあります。これからは、お芝居でも笑いが取れるようになりたいというので、川畑くんに相談させていただきました」
脚本・演出は新進気鋭の現役大学生!
プロジェクト第1弾の公演『なれない』の脚本・演出を手掛けるのは、劇団「餓鬼の断食」を主宰する川村智基。『関西演劇祭2023』でベスト演出賞、『第8回 全国学生演劇祭』(2023年)で審査員優秀賞を受賞した、関西演劇界で注目を集めている若手です。
作品の舞台は家族経営の小さな養豚場――。兵動はその養豚場の経営者を演じます。ブランド豚の生産に力を入れているものの、人手が足りなくなり職業訓練生を受け入れることに。その訓練生の中にいた“子ども部屋おじさん”役が川畑です。
会見の途中から、脚本・演出の川村も参加し、鼎談が行われました。川村は、大阪芸術大学舞台芸術学科4回生の現役大学生。兵動は親子ほど年の離れた川村にについて、「われわれは、この方の手のひらの上で転がされるということになっておりますので楽しみです」と語り、記者陣を笑わせます。
川畑、兵動の2人は、まさにこの瞬間に芝居のタイトルとあらすじを知りました。川畑はさっそく、「『なれない』とは、なにかに『なれない』のか、どの『なれない』なのか?」と質問。これに川村は「強くなれなかったり、弱くなれなかったりという『なれない』だったり、環境に馴染むことができない『なれない』だったり……」と、さまざまな意味が織り込まれていると説明しました。
年の差が気になった様子の兵動は、川村に「ぶっちゃけて、川畑くんと僕の演出って言われたとき、心境はどうでしたか」と質問。川村は「怖くてしかたなかったですよ」と本音を漏らしながらこう答えました。
「そもそも僕は学生ですし、経験がない。それにプラスして、ずっとテレビで観てきたおふたりなので、お笑い芸人さんでこれまで活躍されていた方に対して、どうやっておもしろく味付けできるのか……と考えたとき、『捨て身で挑むしかない!』と思いました(笑)」
川畑「まだ誰かに怒られなあかん」
川村は自身の劇団でも、関西弁を生かした笑いを生み出す“ネオ吉本新喜劇”を創作してきました。ただし今回は、人間味を重視した芝居に仕上げたいと語ります。
「吉本新喜劇の様式を生かしたうえで、コメディに振り切らない。あえてギャグを削ぎ落として、おふたりの人間味をどこまで出していくかということにトライしていきたいと思います」
川畑と兵動の2人は、これまでにドラマやミュージカルなどに出演経験があります。今回のチャレンジについて、川畑はこんな思いを明かします。
「これまで自分が中心やった舞台が多かったので、あまり人に怒られることがなかったんです。ここらでやっぱり成長するには、誰かに怒られたりもせなあかん。そんな気持ちが大きいです。だから今回、こういうプロジェクトを通して新しい人と一緒に仕事をしながら、もっと吸収して成長できたら、という気持ちです」
一方の兵動もこんな思いを打ち明けました。
「10年という区切りで、こういうプロジェクトを通して、同期の川畑くんとどんなふうに成長していけるのかな、とワクワクしてます。そして、若い川村さんに僕らの知らないことも教えていただき、自分に厚みを出したい。漫才に、1人しゃべりに返ってくるような何かができたらいいなと思っているので、これはひとつの挑戦と捉えています。53歳、56歳で、まだワクワクできることってあるねんなっていう思いです」
そして、このプロジェクトが終わる10年後のイメージについて、2人はそれぞれ次のように語りました。
「連ドラにバンバン出てるような(笑)。連ドラに出ながらも新喜劇にもめっちゃ出てるやん、みたいなふうになっていたいですね」(川畑)
「朝ドラで、『新ふたりっ子』といえば俺らのこと、という感じになればいい(笑)。僕としても、お芝居でおもしろいと思われる人にもなりたいし、いろんなところで“おもしろい人”になれていたらいいかなと思います」(兵動)
公演概要
この先10年プロジェクト第1弾『なれない』
日時:6月14日(金)~6月16日(日)
6月14日(金)19:30開場/20:00開演
6月15日(土)11:30開場/12:00開演・16:30開場/17:00開演
6月16日(日) 11:30開場/12:00開演・16:30開場/17:00開演
会場:ABCホール(〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島1丁目1-30)
出演:川畑泰史、兵動大樹
永津真奈、小山栄華、田島晴香、風雅ひかる子、秋庭悠佑
脚本・演出:川村智基(餓鬼の断食)
チケット料金:前売6,800円 当日7,200円 特別応援シート10,000円(全席指定)
チケット販売:FANYチケット、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス、カンフェティ
FANYチケット1次先行:4月25日(木)20:00~5月2日(木)11:00
FANYチケット2次先行・チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス先行(抽選):5月3日(金)11:00~5月9日(木)11:00
一般発売:5月14日(火)10:00
※特別応援シートをご購入のお客様は終演後、川畑泰史、兵動大樹による特典会にご参加頂けます。
※特別応援シートは、FANYチケット1次先行のみ受付となります。