「ママ1年生」横澤夏子とパパ芸人タケトが「子どもに読み継ぎたい」絵本と育児を語る

子どもに読み継ぎたい良質な絵本を選ぶ『第1回TSUTAYAえほん大賞』の受賞作品発表と授賞式が、10月29日(木)に東京・代官山の蔦屋書店で開かれました。

MCは、今年1月に保育士の資格試験に一発合格し、パパ芸人としても活躍するタケトが務め、ゲストには、今年2月に女の子を出産したばかりの“ママ1年生”のお笑い芸人・横澤夏子が登場。2人とも育児中だけに、リアリティあるコメントが冴えつつも、絵本のほっこりとした世界観さながらの和やかな授賞式となりました。

出典: FANY マガジン

横澤イチオシの“めちゃくちゃ泣ける”絵本は?

『TSUTAYAえほん大賞』は、全国のTSUTAYA・蔦屋書店の児童書にかかわるスタッフが、自分の子どもに読み継ぎたい・語り継いでいきたい作品を、この1年以内に出版された絵本のなかから選び、10位までを決めるというもの。受賞した作品は、店頭で大きくコーナーが設けられるなど、全国のTSUTAYAで大きく展開されます。50年後も読み継がれていく先々のロングセラーへと育てていこうという願いが込められている賞なのです。

登場したゲストの横澤は、MCタケトから絵本について聞かれると、ママ的な視線を交えてこうコメント。

「絵本は子どもが生まれる前から好きだったんですけど、子どもが生まれるとまた選ぶ本が変わってきますね。いまは『ごぶごぶごぼごぼ』(福音館書店)とかが、うちの子のお気に入りです」

出典: FANY マガジン

これに対してタケトは、「ということは、『じゃあじゃあびりびり』(偕成社)とかも好きなんじゃないですか?」と、こちらもまた育児をしてきたからこその絶妙のチョイスで返し、さすが保育士の資格も持つ芸人だけあると唸らされます。

その後、今回の賞を企画した蔦屋書店の児童書担当者も登壇し、「絵本は親子の時間を育むコミュニケーションツールとして注目を集めています。ママやパパの膝に乗せて読んであげると安心感につながるんですよ」と絵本の魅力について力説。それを聞いた横澤が「子どもに1日3冊は読むと決めているんですが、忙しい日は読み聞かせがめちゃくちゃ早口になっちゃって(笑)」と話すと、会場から笑いが起きていました。

出典: FANY マガジン

そんな横澤イチオシの絵本が『ちいさなあなたへ』(主婦の友社)。「めちゃくちゃ泣けます。子どもに読んであげると言いつつ、自分に対して読んでいるところもある。いつも泣いてしまうので、ある意味、読み聞かせには向いていないかもしれない」とのことでした。

「ねえねえあのね、パパくさい」

続いて、受賞作品の発表です。まずは、2位~10位までの作品と、新人賞受賞作が発表されました(受賞作品一覧は記事末尾を参照)。

横澤は「今回、ぜんぶ読ませてもらいましたけど、ぜんぶ最高! なかでも印象に残っているのが『ねえねえ あのね』(講談社)。ウチの月齢(8カ月)の子にもよさそうだなと思いました。いつかうちの子も、ねえねえあのねが言えるようになったらいいなぁ」とコメント。

タケトは「ウチの子も読んで、『絵がカワイイ』と言ってたんですけど、何度か読んでたら昨日、『ねえねえあのね、ママ大好き』と話してて。大切な言葉を伝えなきゃなって思ってくれたみたいで。『パパにも言って』と言ったら『ねえねえあのね、パパくさい』と言われて、『なんでだよ!』と思いました(笑)」と思わぬエピソードを語り、会場の笑いを誘います。

それを聞いた横澤が「正直に育ってるじゃないですか~」とツッコむと、タケトは「ちょっと! 俺がほんとにくさいみたいじゃん」と嘆いていました。

1位は可愛すぎる『パンどろぼう』

そして、満を持して1位の発表です。見事に大賞に輝いたのは、『パンどろぼう』(KADOKAWAです。作者である柴田ケイコ氏も登壇し、横澤が盾を授与しました。

出典: FANY マガジン

柴田氏は、本ができた経緯とともに受賞の喜びをこう語りました。

「このお話は3年前、私の名刺に描いてあった、白熊くんが頭にパンをかぶっているイラストを見て、出版社の方からご提案いただいて書き上げました。どろぼうなんだけど、嫌われないキャラがいいなと強く思っていたので、それをうまく表現できてよかった。パンと言えばパンどろぼうだねと、みなさんの心にこれからも残ってくれる本になったらいいなと思います」

横澤も、「このパンどろぼう、みんな大好きになっちゃいますよね。どろぼうにしては可愛すぎる! また本の見開きいっぱいにパンがたくさん載っていたりして、そういう部分も良かった。また、最後にまさかの展開というのも奥が深かったです!」と、熱の入った感想を披露していました。

出典: FANY マガジン

50年後のタケトと横澤の「夢」は…?

続いて行われた囲み取材では、「50年後も語り継ぎたい絵本ということですが、おふたりは50年後、どんな生活をしていると思いますか?」という質問が飛びます。

50年後、横澤は80歳、タケトに至っては95歳。タケトは「僕は娘がお母さんになる姿を見たいんですけど、95歳ならもしかしたらひ孫まで見られているかもしれない」と人生100年時代にふさわしいコメント。横澤は「いまはただただお風呂に入れるのも大変なので、50年後、私の背中を流してほしいなと思う」と、乳児の育児真っ最中ならではの大変さが伝わってくる一言で場を沸かせます。

さらに、1位になった『パンどろぼう』を読み聞かせしてみてというオーダーに答えた横澤。絶妙に声色を変えつつ、思わず引き込まれてしまう抑揚のつけかたで絵本の一節を読むと、聞いていた保育士の資格を持つタケトは「すごい上手! さすがベビーシッターの資格を持っているだけある!」とベタ褒め。

出典: FANY マガジン

 横澤の家族はまるでマトリョーシカ!?

また、現在8カ月になったという愛娘はどちらに似てきたかという質問に対して、「ウチは旦那も私もそっくり。つまり3人そろって同じ顔で生きています」と答えると、タケトが「家族でまさにマトリョーシカみたいな感じなんだね(笑)」と絶妙のたとえで返し、息の合ったやりとりを見せていました。

最後に「結婚したてのナインティナイン・岡村隆史さんへ、結婚生活の先輩として一言」という質問から転じて、「奥さんがこんなになっていたら要注意」という話に展開。タケトが「育児が大変だったとき、うちの奥さんが夜中に真っ暗な台所で、アボカドをまるごと食べてて。ストレス溜まっているんだなとそこから配慮するようになりました」と振り返ると、横澤も、「確かに。私も桃をまるごと食べてたら、夫に『人を食べてるのかと思った』と怖がられたことあります」と話し、「奥さんが何かを丸ごと食べてたら、ストレスが溜まっているので要注意」という謎のアドバイスで締めくくりました。

なお、横澤によると「1位になった『パンどろぼう』を実写化するならぜひ岡村さんにやってほしい! イメージがぴったり」とのこと。岡村とパンどろぼうにどんな共通点があるのかは、ぜひ書店で確かめてみてください!

第1回TSUTAYAえほん大賞 受賞作品一覧

出典: FANY マガジン

1位『パンどろぼう』(柴田ケイコ/KADOKAWA)

2位『ねぐせのしくみ』(ヨシタケシンスケ/ブロンズ新社)

3位『ふーってして』(松田奈那子/KADOKAWA)

4位『ねえねえ あのね』(しもかわらゆみ/講談社)

5位『巨大空港』(鎌田歩/福音館書店)

6位『ふみきりくん』(文:えのもと えつこ 絵:鎌田 歩/福音館書店)

7位『やねうらべやのおばけ』(しおたにまみこ/偕成社)

8位『ふゆのはなさいた』(著:安東みきえ 絵:吉田尚令/アリス館)

9位『おおにしせんせい』(長谷川義史/講談社)

10位『どこからきたの?おべんとう』(鈴木まもる/金の星社)

新人賞『そらいろのてがみ』(ながしまひろみ/岩崎書店)