これはアドリブ…!? 川畑泰史×兵動大樹が “本気の舞台”で見せた新境地【新プロジェクト第1弾開幕】

吉本新喜劇・川畑泰史と矢野・兵動の兵動大樹がタッグを組んで本気の芝居に挑戦する「この先10年プロジェクト」の第1弾となる舞台『なれない』が、大阪・ABCホールで6月14日(金)〜16日(日)の3日間にわたって上演されています。笑いの世界でやってきた川畑と兵動が、演劇界で注目される若手脚本家と一緒に作り上げた話題のステージ。公演直前に行われたゲネプロの様子をレポートします!

出典: FANY マガジン
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ベテラン芸人と新進気鋭の脚本家が作る舞台

NSC(吉本総合芸能学院)大阪の同期(9期)である2人は、それぞれ新喜劇と漫才・しゃべくりという笑いのフィールドで活躍してきました。昨年、川畑が新喜劇座長を勇退したタイミングで「なんかやろうか」と、動き出したのがこのプロジェクト。これからの10年も、まだまだ挑戦者として──そんな思いから一念発起して芝居の世界へ飛び込み、年に1回、個性豊かな演出家や脚本家と舞台を作り上げていきます。

記念すべき第1回作品『なれない』の脚本・演出を担当するのは、劇団「餓鬼の断食」を主宰する川村智基。『関西演劇祭2023』でベスト演出賞、『第8回 全国学生演劇祭』(2023年)で審査員優秀賞を受賞した注目の若手で、なんと現役大学生(大阪芸術大学舞台芸術学科4回生)です。笑いの世界で芸を磨いてきた2人が、フレッシュな才能とぶつかり合い、どんな化学反応を見せるのか……? 

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川畑は“子ども部屋おじさん”役?

物語の舞台は、家族経営の小さな養豚場。ブランド豚の生産に力を入れるなか、人手不足を解消するため、職業訓練生を受け入れるところから物語が展開していきます。

川畑が演じる米田浩二(ヨネダコウジ)は、20年におよぶ引きこもり生活を経て、ようやく外に出ることができた、いわば“子ども部屋おじさん”。農業学校から、訓練生のひとりとして養豚場にやって来ます。

川畑は、挙動不審な動きを繰り返す冒頭から、バンドをやっていた過去を明かし、仕事やコミュニケーションを通じて徐々に変わっていく姿を自然体で好演。時折、垣間見せる新喜劇仕込みのボケやツッコミで、しっかりと笑いも効かせていきます。

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一方の兵動は、養豚場の2代目経営者・鈴木賢(スズキサトシ)役。大きなプレッシャーを背負いながら、何かと言葉が足りず、1人娘や後妻との関係もうまくいかない……そんな“中年の危機”真っただ中の男を演じます。

「おしゃべり大好き」な兵動本人とはかけ離れたキャラクターにも見えますが、不器用さと哀愁を抱えたたずまいは実にリアルです。やがて、川畑と兵動が同じバンドでデビューを目指していたことが明かされますが、2人の間には何やら深い溝がありそうで……。

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しゃべくり合戦でも本領発揮!

脇を固める面々は、とにかく個性豊か。兵動を支える後妻・璃子(リコ)役の永津真奈は、明るさの裏に切ない想いを秘める大人の女を熱演。1人娘・莉亜(マリア)に扮した風雅ひかる子は、父や璃子に対する複雑な心情を繊細に表現します。

小山栄華と田島晴香は川畑の同僚訓練生役で、川畑とトリオ漫才のようなやりとりも披露。養豚場の清掃員役をアクロバティックかつコミカルに演じた秋庭悠佑とともに、物語をさわやかに彩りました。

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思わぬ事件が起こったあと、終盤に繰り広げられる川畑と兵動の2人芝居は圧巻。川畑が、それまで言えなかった胸の内を必死でぶつけるうちに、気づけば兵動との丁々発止のやりとりへ。これはアドリブ……? そんなふうにも思えるしゃべくり合戦で芸人の本領を発揮し、熱のこもった名場面を誕生させていました。

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素直に「なれない」、大人に「なれない」──いろんな「なれない」を抱えた男たちの“第2の成長譚”は、いったいどんな結末を迎えるのか!? 川畑と兵動が見せる新たな一面も相まって、最後の最後まで見応え満点の舞台です。

公演概要

この先10年プロジェクト第1弾『なれない』

日時:6月14日(金)~6月16日(日)
6月14日(金)19:30開場/20:00開演
6月15日(土)11:30開場/12:00開演・16:30開場/17:00開演
6月16日(日) 11:30開場/12:00開演・16:30開場/17:00開演
会場:ABCホール(〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島1丁目1-30)
出演:川畑泰史、兵動大樹
永津真奈、小山栄華、田島晴香、風雅ひかる子、秋庭悠佑
脚本・演出:川村智基(餓鬼の断食)
チケット料金:前売6,800円 当日7,200円
チケット販売:FANYチケット、チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス、カンフェティ

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