全国的に実施されている新型コロナウイルスのワクチンの職域接種が6月28日(月)、吉本興業でも始まりました。東京本部(東京都新宿区)の会場では、サバンナ・高橋茂雄、ペナルティ・ヒデ、おばたのお兄さんら芸人や同社社員が接種するなか、ワクチン接種の調整を担当する河野太郎行政改革相も現場を訪れ、その様子を視察しました。
「リアクション薄くて、すみません」
ワクチン接種の対象は、所属タレント、従業員とそれぞれの家族で、東京本部で計1,500人、大阪本部で計1,000人を予定しています。期間は1回目の接種が7月2日(金)まで、2回目が26日(月)から30日(金)までの計画で、初日の接種者は東京本部が430人、大阪本部が280人でした。
接種は、感染対策を徹底したうえで実施されました。
接種を受ける芸人や社員は、問診票を書いたのち、接種会場へ移動。ソーシャルディスタンスを保ちながら、順番を待ちます。問診を受けて接種した後は、医療従事者から当日の過ごし方などのアドバイスを受け、待機室で15分ほど待機して終了となります。
ペナルティ・ヒデが接種を受ける際には、河野大臣が視察。注射を受けたヒデは、「すみません。リアクション薄くて」と和ませつつ、あっさりと終わった接種に「ぜんぜん平気」と驚いていました。
打ちたくないという気持ちなかった
公務として企業の職域接種の初視察となった河野大臣は、こう語りました。
「ワクチン接種には『ワクチンの確保』『打ち手の確保』『若い世代にワクチンを打っていただく』という3つの山があって、いま3つ目の山に登ろうとしているところです。若い方にメッセージを届けられる吉本のみなさんの力を、ぜひお借りしたいと思って今日、来ました。みなさんにぜひ、発信をお願いしたいと思います」
ヒデは、ワクチン接種を受けた心情をこう語ります。
「お話をいただいたときには、すぐに『打つ』と連絡をさせていただきました。私も家族がいますし、子どもがいて、年老いた両親もいる。両親に早く会いたい、孫の顔を見せたいという思いがあります」
そして、舞台に立つ身として「お客さまありきの商売。観に来てくださるお客さまに、“安心・安全を提供できたら”と思って、打たせてもらいました」と振り返りました。
「会社で打たせていただけると聞いたとき、“打ちたくない”という気持ちはなかった」と語ったのはサバンナ・高橋。「誰かに感染させたら嫌やし、自分が感染させるのも嫌なので、一刻も早くワクチン接種を受けたい気持ちでした」と言う高橋は、「関係している会社の人、芸人、みんなの安心に近づけたらいいなという気持ちです」と話しました。
一方、おばたは、接種しておかないと今後、“受けられない仕事”があるのでは、と考えたのも理由のひとつだと言います。「僕らを使っていただく側の安全対策だと思います」としながら、自分自身も自分とまわりの人たちへの安全確保が念頭にあったと語りました。
ワクチン接種について「ぜひ、デマに惑わされずに打っていただきたいと思います」と語る河野大臣は、改めてこう訴えました。
「『若いからコロナに感染しても軽症ですむ』とか、『めんどくさいから』という理由で、打たない方もいらっしゃるようですが、コロナ自体が軽症であっても、後遺症が出る人もいます。家族や仲間を守るという視点から考えても、ワクチン接種が大事なことであると浸透させていきたいと思います」