今年の『ハイスクールマンザイ』は芸大志望の2人が優勝! 将来は「アートも漫才も両方やりたい」

高校生漫才師No.1を決める『ハイスクールマンザイ2024〜H-1甲子園〜』決勝大会が、9月1日(日)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで開催され、中部・北陸・甲信越エリア代表の「19秒芝生舐め」(渡邉楽さん/高3、高橋洸さん/高3)が優勝しました。審査員長のオール巨人が「新しい形の漫才かもしれない」と絶賛した、その実力とは!?

出典: FANY マガジン
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今年で22回目を迎えたこの大会は、これまで総エントリー数1万1924組、2万4224人もの高校生が出場。プロへの登竜門として、青春の1ページとして、漫才でのガチンコ勝負を繰り広げてきました。そして今年は、849組1716人がエントリー。厳しい予選を勝ち抜いた8組が決勝の舞台で激突しました。

プロのアドバイスに“目からウロコ”!

MCを担当するのはタカアンドトシ。審査員には、おなじみのオール阪神・巨人、板尾創路、笑い飯(西田幸治、哲夫)に加え、7年ぶりにNON STYLE(石田明、井上裕介)が名を連ねます。

巨人は「オリンピックでも若年層ががんばっていた。今回もそういう人が出てきてくれたら」と激励。昨年、チャンピオンとなった「偽ビートルズ」が再びファイナリストとして参戦していることにも触れ、「この1年間、また漫才と向き合ってくれてたのがうれしい」と喜びました。

出典: FANY マガジン
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現場レポートは、応援アンバサダーとしてポスターにも登場したマユリカ(阪本、中谷)、さや香(新山、石井)が担当。全国各地からTTホールに駆けつけた、出場者の家族や友人たちからの熱いメッセージを伝えます。

プロの芸人が事前にファイナリスト全組のネタを見て個別にアドバイスするシステムも継続。今年はレ・ヴァン(宮本勇気、九条ジョー)によるオンラインでの指導が行われ、プロからの言葉に、ファイナリストたちが“目からウロコ”の表情で聞き入る姿がスクリーンに映し出されました。

高校生とは思えない技巧派ぶり

ファイナリストは以下の8組。

19秒芝生舐め(中部・北陸・甲信越エリア代表)
波乱万丈(中国・四国エリア代表)
七福神(近畿エリア代表)
三角定規(九州・沖縄エリア代表)
恋のマウンテン(関東エリア代表)
秘密兵器(近畿エリア代表)
偽ビートルズ(北海道・東北エリア代表)
低学歴ブラザーズ(関東エリア代表)

出典: FANY マガジン
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くじ引きで出順を決定したあと、この日のために磨き上げたネタを披露しました。審査結果を待つ間は、はるかぜに告ぐ(とんず、一色といろ)、マユリカ、さや香が漫才を披露しました。

そして結果発表で巨人から名前が呼ばれたのは――19秒芝生舐め! 2人は思わず雄叫び! 高橋さんは「混乱してます」とつぶやき、信じられないといった表情。渡邉さんも涙ながらに「最高です! ありがとうございました!」と喜びを爆発させます。

彼らのネタは、アンパンマンをかたどった“アンパンマンパン”を出発点に、無限に広がる言葉遊びで笑いを巻き起こしていくもの。後半には前半のワードをしっかり回収するなど、高校生とは思えない技巧派ぶりを見せつけ、巨人は「新しい形の漫才かもしれない」と感心しきり。石田は「ツッコミが少しでもミスれば台無しになるのを、トップ出番で見事にやった」と、その舞台度胸を絶賛しました。

出典: FANY マガジン
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また巨人からは「噛まないし、長いセリフをなめらかにしゃべれていた」との講評が。2人には、お笑い奨学金50万円とNSC特待生(年間授業料免除)の優勝者特典が贈られました。

「1位じゃないかと思っていた」!?

終了後の囲み会見で心境をきかれ、「まさか優勝できるなんて思ってなくて」と笑顔を見せた渡邉さん。

「今回のハイスクールマンザイは、本当に誰が優勝するかわかんないねっていうのを、楽屋の仲間たちとも言ってて。本当にどこが行ったかわからないっていう状態だったんで、ドラムロールが鳴ったあと、うわーって頭の中がぐちゃぐちゃになって泣いてしまった」

高橋さんも「いまもちょっとドキドキふわふわっていう感じ」と夢見心地の表情。ネタ順抽選でトップバッターを引き当てたときは、嘆き節だった2人ですが、「2022年はトップバッターが3位、2023年は2位だったんで、1位じゃないかって思っていた」(渡邉さん)と冷静な分析もしていたそうです。

謎が謎を呼ぶコンビ名の意味は…

富山県立高岡工芸高校のデザイン・絵画科に学び、いずれも芸大・美大志望。優勝を成し遂げたこのあとは、ひとまず受験勉強に専念しますが、「漫才も自分のひとつの武器になればいい。アートも漫才も、ドーンと自分を出すもの。次は受験で絵を描くんで、そのときに自信を持ってできる気がします」と高橋さん。

東京藝術大学先端芸術表現科を目指している渡邉さんは、受験のためのポートフォリオで、漫才を使った会話のようなパフォーマンス作品を考えているとか。将来は「アートも漫才も同じぐらい好きなんで、どっちも続けていきたい」と意気込みました。

昨年5月に『M-1グランプリ』にエントリーするためコンビを結成。今回、披露した漫才の前身だというネタで、1回戦を突破しました。ネタ作りは、渡邉さんが軸となる部分を作り、そこに2人で肉付けしていくことが多いとか。

出典: FANY マガジン
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審査員も興味津々だったコンビ名については、「実際に芝生を舐めたことがあるのか?」「19秒はどこからきたのか?」など質問が集中。しかし、「コンビ名はいろんな人に考察していただいて、『実はこうらしいよ』っていうウワサがいっぱいできたほうがおもしろい」という理由で、すべて「アートです!」とケムに巻いて笑わせました。

堂々とした受け答えに巨人も脱帽!

NSCの特待生として学べる特典は、いつか使いたいと考えている様子。

「(大学を)卒業したら、どっかのタイミングでは絶対に入りたい。今日、楽屋とか芸人っぽいことをいろいろしてみて、本当に楽しかった。そんなに甘くないとは思うんですけど、入ってプロを目指すことも考えたい」

こう渡邉さんが言うと、高橋さんも「いまは美術の道に進みますが、その後の自分がどう判断するのか。(特待生の)権利があるのは楽しみ」と答えていました。

志望大学が東京と京都で離れているため、今後のコンビ活動は難しくなりますが、解散するわけではなく、「ほかのコンビを主軸にしたとしても、19秒芝生舐めで『M-1』に出たり。そういうのも考えたいなと思ってます」(渡邉さん)とのこと。2人でアートのグループ展を開催することがあれば、「ユニット名を19秒芝生舐めにしたい」など、引き続きさまざまな活動をともにしていきたいと語りました。

巨人によると、審査会議は19秒芝生舐めと準優勝の三角定規が同票となる混戦でしたが、その後、全員の意見を取り入れたうえで「やっぱり彼らかなと思いました」。囲み会見では、しっかりと受け答えする2人を見て、「やっぱり頭よくないとあかんねん。ずっと聞いてて『俺ら、あかんな』と思った。勉強になるわ」と笑いを交えて称賛。進路についても、「両方ともやったらええねん!」と力強いエールを送っていました。

なお、この日の模様はBSよしもとで10月6日(日)18:00から放送されます。

出典: FANY マガジン
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