大御所から若手まで人気のよしもと芸人が大集合する『東京グランド花月』が、東京・IMM THEATERで9月17日（火）～23日（月・祝）まで開催されます。大阪のお笑いの殿堂「なんばグランド花月」で行われている看板寄席の東京版で、漫才・落語・コント・吉本新喜劇と吉本の笑いのすべてが詰まった7日間です。
今回は、出演者の中からシシガシラ（浜中英昌、脇田）と、紅しょうが（稲田美紀、熊元プロレス）に直撃インタビュー！ その魅力や見どころを思う存分、語ってもらいました。
最初から最後まで面白い公演
――シシガシラのおふたりは『東京グランド花月』に初出演となりますが、どんな心境ですか。
浜中 結成して1年目のときに（過去の東京グランド花月に）前説で行かせてもらったんですけど、そのときにすごくスベって……。
脇田 スベってないよ。なんでそんなマイナスから入るのよ～！
――（笑）
浜中 本番のステージも見学したんですけど、（舞台）袖から師匠が出ていくところを見て憧れていたので、今回、『東京グランド花月』に出られるのはすごく嬉しいですね。
脇田 結成1年目でM-1の準々決勝に行ったら、『東京グランド花月』の仕事が入ったんですよ。「こんなにすぐ大抜擢してくれるんだ！」と思ったら前説で（笑）。でも、前説はスベってなかったよ？ やめてよ～。
稲田＆熊元 アハハ！
脇田 そもそも僕らは大阪の師匠方とご一緒する機会がないので、同じイベントに出られるのは新鮮ですね。
――紅しょうがのおふたりは過去にも『東京グランド花月』に出演していますが、師匠と一緒のステージに立つのは気持ちが違いますか？
熊元 師匠方って、意外と（同じ舞台に立つ）若手のネタを見てくださったり、音で聞いてくださったりしているんですよ。舞台袖にいらっしゃらなくても「（モニターで）見られたり、聞かれたりしているかもしれない！」と思うと、いい緊張感がありますね。（2023年に活動拠点を大阪から東京に移したため）東京だと師匠やベテランの方にお会いする機会も少ないので、今回のような経験をさせていただいてありがたいなと思います。
稲田 別に見に来られるお客さんはなんとも思わないと思うんですけど、（自分たちが）かしこまる感じがあるので、（チラシやサイトに）「歴史を彩る」とか「看板寄席」とか書かないでいただけたらなと（笑）。でも、それくらいすごいライブに出させていただけるんだな、と思います。
――シシガシラと紅しょうがが所属している渋谷・ヨシモト∞ホールと、なんばグランド花月（NGK）の雰囲気はどう違いますか？
脇田 ∞ホールではまだ大丈夫なんですけど、（NGKの）寄席だとマジで僕らのことを知らない方がほとんどなんですよ。「僕らこういう人間で、敵じゃないですよ」（という自己紹介）から始めないといけないので、ギアを入れないといけない面白さはありますし、いかにふだんから温かい劇場でやらせてもらっているのか実感しますね。
浜中 ご家族連れもいますし、年齢の幅が広くなりますからね。そこでも、みなさんに笑っていただけるようなネタをやらないとな、と思っています。
稲田 たとえば、「まだちょっとウケたほうだぞ」というときも、新喜劇を見たら島田珠代姉さんが1人で爆笑をとっていて、「すごいな～。これが吉本やな～」と思うんですよ。そんな皆さんと一緒に出させてもらえるのは嬉しいですし、『東京グランド花月』も同じく、ネタもあって新喜劇もあるので、最後まで面白い公演だと思います。
熊元 ふだんの漫才では「女子～！」と女子にアドバイスをするツカミを入れているんですけど、NGKだと年齢層も幅広くて男性もいるので、最近はもう言わない方法をとっています（笑）。ツカミでスベったらよくないですからね！
稲田 そこはチャレンジしてほしいと思っているんですけどね。
熊元 『東京グランド花月』では挑戦しようかなとは思います。あと、師匠やベテランの方はネタ時間が10分か15分なんですけど、そこでアドリブをバンバン入れているのを見ると、「めっちゃカッコいいな」と思います。でも、安易にマネするのはよくないんですよ。憧れてマネしても噛むし、グチャグチャになるし、やらんほうがいいなって（笑）。
後輩の紅しょうが・稲田が説教！？
――今回の会場である「IMM THEATER」はどんな印象ですか？
浜中 今回、初めて出るんですけど、（吉本興業の芸人を対象にした）コンプライアンス研修では行ったことがあって（笑）、客席からだと広くて見やすい会場だなと思いました。
稲田 まわりにもいろいろ施設があって、楽しい街なんですよ。熊元さんは、合間に横の遊園地（東京ドームシティ アトラクションズ）でジェットコースターに乗りに行っていますし。
熊元 ライブ前後で1日遊べますからね。この間、別の週末公演で（マユリカの）阪本さんと（バッテリィズの）エースと3人でジェットコースターに乗って、そのあと“急流すべり”（ワンダードロップ）に行ったんですよ。エースが漫才衣装のズボンのまま来てもうてたから、ビチョビチョになっちゃって……。次の公演で、バッテリィズがトップバッターだったんですけど、ギリギリまでズボンを乾かして、なんとか出られたことがありました（笑）。
――芸歴ではシシガシラが先輩ですが、紅しょうがとは仲がいいんですか？
浜中 美紀ちゃんとはゴルフ仲間なんで。
脇田&熊元 美紀ちゃん！？
稲田 初めてのラウンドは浜ちゃんと行ったんで。
脇田&熊元 浜ちゃん！？
――（笑）
稲田 シシガシラさんは、大阪にいるときはお会いできなかったので「東京のお兄さん」って感じです。（上京して）「∞ホール」に入ったとき、ほんまはちょっと違うんですけど、「脇田さんと稲田の舞台衣装の色が似てる」と言われたことがあって……私すっごいヘコんじゃって。
脇田 こっちだよ！ 「本当にいい」と思って着ていたら、「色がかぶってヘコんでる」って言われて……オレの一張羅なんだけど！
一同 （笑）
脇田 あと、稲田さんは「兄さんおはようございます」と挨拶をしてくれるとき、いつも真顔に戻るのが早すぎるのよ。真顔が見えちゃってるから！ 怖いから！
稲田 （笑）。脇田さんとは、みんなでお花見に行きましたよね。
脇田 そこで彼女がいるのか聞かれて「いない」と答えたら、「しっかりしてください！」と怒られて……。どういうデートをしているか聞かれたので教えたんですけど、「本当にダサい。大人のデートちゃう」って言われました。
一同 （笑）
脇田 「デートの最後は暗いバーに連れて行ってください」と言われたけど、僕そんな場所知らないんですよ。その後、会員制のバーを紹介してくれるって言ったのに、一向に紹介してくれないし。
稲田 だって教えたら一生、その店に行きそうじゃないですか。私もそこしか知らないから（笑）。
浜中 僕は、熊プロとみんなで飲みに行ったことがあるんですけど、声が小さくて一文字も聞こえなかったです。
熊元 （笑）。プライベートでワーッと大きい声で話す人が苦手で、自分もどんどん声が小さくなっていって……。しかも、ずっと一緒にいる稲田さんが聞き取ってくれていたので、それで慣れてもうてたんです。最近、（天才ピアニストの）ますみちゃんとか、「オールナイトニッポン0(ZERO)」であのちゃんが、私のものまねをしてくれるんですけど、みんな声が小さいときのマネなんですよ（笑）。
ハゲのトップバッターとしてつなぐ！
――M-1グランプリでの活躍が期待されている2組ですが、今年はどんな年末を迎えたいですか？
脇田 （昨年は敗者復活で決勝に行って）2年連続決勝に行くと、イカつい“確変”に入る（仕事が急増する）らしいんですよ。今年頑張れば、去年よりももっといい年末が確定しているので頑張ろうと思っています。
浜中 もちろんM-1を目指していきます。『東京グランド花月』のようなライブに出ることで度胸がついて自信にもなるので、ひとつひとつのライブを大切にしていきたいです。
熊元 去年、THE Wで優勝させてもらったんですけど、M-1は準々決勝で敗退してしまったので頑張りたいです。ただ、Wって裏返したらMになりますので……そういうことです。
浜中 どういうこと？（笑）
稲田 今年、初めての全国ツアーをやって、10月には私の地元（大阪府和泉市）で凱旋ライブもするので、いいツアーになればなと思うし、そこでできたネタでM-1に行けたらなと思います。
――最後に『東京グランド花月』への意気込みをお願いします。
熊元 私たちが出演する日（9月20日）は、オール阪神・巨人さんも出られるんですけど、先日、大阪で巨人師匠のイベント「オール巨人の『君たち、そろそろパンパンやな』」（8月28日開催）に出させていただいたんですよ。そのとき「M-1頑張ります」という話をさせてもらったので、ここでいいところを見せたいなと思います。
稲田 われわれが芸歴的にトップバッターの可能性があるので、トリの阪神・巨人師匠にまでつないでいけるよう盛り上げていけたらなと思います。
浜中 僕らの出る日（9月21日）は、フットボールアワーさん、とろサーモンさん、トレンディエンジェルさん、ヘンダーソンさん、陣内智則さん（2、3回目公演のみ出演）なんですけど、ちょっと薄毛の方が多いので、いちばんウケる薄毛ネタをやれたらなと思います。
稲田 こんなことある？（笑） これ（意図的にメンバー編成）やってますよね。
脇田 仕組まれているかもしれない……ハゲの取り合いだ。僕らもおそらくトップバッターだと思うんですよ。ここでウケなかったら、ほかのハゲの方に迷惑がかかるので、「つないでいかないとな」と思っています（笑）。
取材・文・写真：浜瀬将樹
公演概要
『東京グランド花月』
開催日程：2024年9月17日（火）～23日（月・祝）
会場：IMM THEATER
＜公演スケジュール＞
【9月17日（火）】
①14:30開場／15:00開演／17:00終演
②18:30開場／19:00開演／21:00終演
中田カウス 漫才のDENDO、パンクブーブー、サルゴリラ、メンバー、インディアンス（②のみ）、霜降り明星、令和ロマン（①のみ） ほか
【9月18日（水）】
①14:30開場／15:00開演／17:00終演
②18:30開場／19:00開演／21:00終演
中田カウス 漫才のDENDO、銀シャリ、アインシュタイン、見取り図、ビスケットブラザーズ、ヨネダ2000 ほか
【9月19日（木）】
①14:30開場／15:00開演／17:00終演
②18:30開場／19:00開演／21:00終演
博多華丸・大吉、ザ・パンチ（②のみ）、ジャルジャル、マヂカルラブリー（①のみ）、すゑひろがりず、マユリカ、ミキ ほか
【9月20日（金）】
①14:30開場／15:00開演／17:00終演
②18:30開場／19:00開演／21:00終演
オール阪神・巨人、2丁拳銃、NON STYLE（①のみ）、兼光タカシ、アキナ、EXIT、紅しょうが ほか
【9月21日（土）】
①09:30開場／10:00開演／12:00終演
②12:30開場／13:00開演／15:30終演
③16:30開場／17:00開演／19:00終演
フットボールアワー、陣内智則（②③のみ）、とろサーモン、トレンディエンジェル、ヘンダーソン、シシガシラ ほか
【9月22日（日）】
①09:30開場／10:00開演／12:00終演
②12:30開場／13:00開演／15:00終演
③16:30開場／17:00開演／19:00終演
月亭八方、タカアンドトシ（①②のみ）、チュートリアル（③のみ）、パンクブーブー、あべこうじ、ガクテンソク、コットン、令和ロマン（①③のみ） ほか
【9月23日（月・祝）】
①09:30開場／10:00開演／12:00終演
②14:00開場／14:30開演／16:30終演
桂文枝、レイザーラモン、ギャロップ、アインシュタイン、ニッポンの社長、ゆにばーす、空気階段
【吉本新喜劇】※全公演共通
座長：アキ 末成映薫、島田珠代、高井俊彦、千葉公平、五十嵐サキ、吉岡友見 ほか
＜チケット情報＞
チケット料金：前売5,500円 当日6,000円
プレイガイド：FANYチケット、IMM THEATERファンクラブ（先行のみ）、ローソンチケット、チケットぴあ
