お笑いコンビ「女と男」の市川義一が自身の資格取得体験を1冊にまとめた『「地味な資格」だけで人生は豊かになる』(Gakken)を出版、その発売を記念したトーク&サイン会が9月14日(土)に大阪・イノゲート大阪内BOOKSTOREで開催されました。見晴らしのいい窓辺の一角に設けられたイベントスペースは、事前に書籍を購入したファンで満席状態。相方のワダちゃんが冒頭から登場し、著者の市川を持ち上げたりこき下ろしたり。一喜一憂する市川の様子に会場も笑いに包まれました。
「先生って呼んで。僕、先生やから」
定刻を迎えた会場。“主役”の市川を差し置いて、笑顔で登場したのはワダちゃんでした。思わず会場から「可愛い~」歓声が上がります。
「(市川は)まだ呼ばなくていいかな?」ワダちゃんが尋ねると、会場は「いいよ~!」と即答。「私、1人でしゃべるの、不慣れやねんけど……」と言いながら、会場との即席トークを楽しむワダちゃん。
しばらくたって「そろそろ呼ぼか、あの人」「せ~の!」という掛け声で、「もっと早よ呼んで!」と言いながら市川が登場です! 5分以上待たされて焦れた様子でしたが、ワダちゃんや会場が「先生」「先生」と呼ぶと、「そう、先生って呼んで。僕、先生やからね」と笑顔を振りまきました。
資格は勉強すればちゃんと結果が出る
市川が、資格を取り始めたのは17年前。きっかけは、当時から多忙だったワダちゃんに対して、自分はお笑いの仕事も少なく、時間があったこと、ラジオで知ったファイナンシャルプランナー(FP)の資格に興味を持ったこと、だったそうです。
「努力してもなかなか芽が出ないお笑いに対して、僕が取得できた資格は、勉強したらちゃんと結果が出るもの。それが面白くて、ハマった」という市川は、こう続けます。
「吉本の芸人で47個も資格持ってるの、僕だけと思う。『芸は身を助ける』と言いますが、僕の場合は資格。資格が会話の口火になったり、資格を生かして芸人仲間に助言して感謝されたり。コミュニケーションが取りやすくなって、人脈も広がり、仕事も増えた。出版もそのひとつ」
その出版のきっかけは、所属芸人らを対象におこなった吉本の出版オーディション。約200人の応募者から30人に絞られ、さらに3カ月間の出版セミナーを受講して、最終的に出版社が集まる前でプレゼンを行い、今回の出版に至ったと説明します。
改めて「本を出すのって、めちゃくちゃ大変でした」と語る市川。「僕が書いた文章なんて跡形もなく編集されてますし。タイトルにも僕のアイデア、まったく入ってへん」と思わず嘆く一幕もありました。
「確定申告の時期になるとスマホがめちゃくちゃ鳴る」
そんな市川をまじまじと見つめながら、「以前は感謝することなんてほとんどなかったけど、市川くんがFPの資格を取って、おカネのアドバイスをしてくれるようになって、めちゃくちゃ助かってる」とワダちゃん。「おカネや税金の相談をしたくて、市川くんとこに芸人たちが集まるようになった。市川くんは、みんなの……みんなの……ゆうちょ?」とたとえて、会場を大笑いさせます。
市川自身も「確定申告の時期になったら、僕のスマホがめっちゃ鳴る」と苦笑い。
「資格を持ったことで、いままで知り得なかったことを知ることができるようになった。関西芸人のギャラもだいたい知ってるし、情報交換をきっかけに『今後、ゴハン行こか』となり、(西川)きよし師匠の電話番号も知ることができました!」
市川とワダちゃんが座る背後に設置されたスクリーンには、市川が取得した47個の資格名がズラリ。「ほめ達!検定」「ランニングアドバイザー」「声優能力検定」「e-おむつ検定」「駆け落ち検定」「だしソムリエ」などユニークな資格も並ぶなか、ワダちゃんが思わず「いったい、いつ仕事してるん?」とツッコみます。
「漫才もしてたし、ネタ合わせもしてたやろ。隙間時間を資格の勉強に充ててた。朝活とかして。僕、趣味もなくて、仕事が楽しい。お笑い芸人でいたい。おもろい人らのそばにいたいから、芸人さんに必要としてもらえるのが楽しくてモチベーションになった」
そのうえで、市川は「いくつになってからでもチャレンジできるのも資格のいいところ」「遅くないですよ!」と会場に向けてエールを送ります。
「大人になると、なかなか人から褒めてもらえませんよね? 資格を取ると、やったね、すごいねって褒められるから、承認欲求も満たされます」と話す市川に、「私が褒めないから、市川くんはこんなにいっぱい資格取れたんやね」とドヤ顔のワダちゃん。微笑ましい2人の関係性も、今回のトーク&サイン会の隠し味となりました!
書籍概要
『「地味な資格」だけで人生は豊かになる』
出版社:Gakken
発売日:2024年8月29日
単行本:208ページ
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