ラブレターズ、年齢を重ねたからこそできるネタで“頂”を目指す「若い子たちにできない戦い方を」【キングオブコント直前⑥】

コント日本一を決める『キングオブコント2024』(TBS系)が、10月12日(土)に放送されます。厳しい予選を勝ち抜き、ファイナリストになったのは10組。今回は、2年連続5回目の出場となるラブレターズ(溜口佑太朗、塚本直毅)の決勝直前インタビューをお届けします。​​

出典: FANY マガジン
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今年、決勝に勝ち上がったのは、cacao、コットン​​、シティホテル3号室​​、ダンビラムーチョ​​、ニッポンの社長、ファイヤーサンダー、や団、ラブレターズ、隣人、ロングコートダディ(※50音順)の面々です。

果たして、最後に栄冠を勝ち取るのはいったい誰なのか――ファイナリストたちの熱い思いを連続インタビューでお届けします。

ジンクスのおかげで決勝に?

ーーファイナリストに選ばれた気持ちをお聞かせください。

塚本 今までずっと挑戦してきましたけど、2年連続で決勝に行くことがなかったんで、まず、売れて……行けて良かったなっていう。

溜口 売れて?

塚本 気持ちが先に出た。

ーー(笑)。

溜口 今回(決勝進出する)予兆があって。2016年に決勝に出させていただいたとき、塚本さんが大会直前に腰の骨を大怪我したんですよ。今回、2ヶ月前に塚本さんが足首を捻挫したので、今年決勝に行けたのも、全治1ヶ月の捻挫が大きいかもしれないですね。

塚本 「怪我の功名」って書いておいてください。

ーー(笑)。昨年の決勝からパワーアップしたところ、変化したところがあれば教えてください。

塚本 本当に子育てを頑張りました。

ーー(笑)。

塚本 子供に元気をもらって「いいネタ書くよ」なんて言いながら生活できたので、家族の支えはありますよね。

溜口 前回出た時は7年ぶりのご祝儀感もあったんですけど、それがなくなってのこの1年は、キングオブコント(以下、KOC)のおかげでお仕事もさせていただけました。仕事した分ちゃんと老けて、疲れが溜まって(笑)。その疲れてる顔とか老け顔がちょうどコントに“しゅんだ”というか。味がついて茶色になった感じがあるかもしれないですね。

出典: FANY マガジン
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ーー準決勝の手応えはいかがでしたか?

塚本 怖かったよね。

溜口 いや、正直「結構ヤバいかな」と思っていました。

塚本 みんなウケるんでね。

溜口 ウケているし、みんなと出ているライブがカブるんですよ。そこで「準決勝でやるんだろうな」というネタがバカスカウケていて、「ここに勝たなきゃいけないのか」と思いながら見ていました。

塚本 マジで行けてよかったです。

ーー決勝の他9組の顔ぶれを見ての印象はいかがですか?

溜口 「この人たちが優勝候補だろ」というメンバーがそろった感じですよね。戦う立場で言うと「早くこいつら抜けてくれよ」という人たちが集まっちゃったから、すごいイヤですね(笑)。

塚本 固いっすよね、メンバーが(笑)。

溜口 それが(優勝するのが)今回僕らになったらいいなと思います。シティホテル3号室さんとかcacaoとかは初めてだし、KOCは初登場組が強かったりもするんで。

塚本 そうだよね。怖いよ……。

シークレットシューズきっかけでイジられるように

ーーシークレットシューズを履いているお二人ですが、どんな変化がありますか?

塚本 履くだけで景色変わりますからね(笑)。胸を張れるよね。

溜口 身長が10〜15cmアップした状態でネタをやると、お客さんにも「あっ」と思ってもらえるというか。実際にお笑いライブを観に行ったとき、でかい芸人さんが出てくると、「テレビより大きい。オーラがある」と感じるらしくて、それが今までの僕らにはなかったんですよ。身長が+10cmあることによって、ネタをよく見てもらえるようになったとは思います。あと、シューズを履いたことで、よく芸人さんがイジってくれるようになりました。みんなとの距離が近づいたし、そこで僕らの人となりが分かってもらえた、というのも大きいかもしれないですね。

ーー2011年に初めてKOC決勝に進出したラブレターズさん。戦いを続けるなかで、環境の変化は感じていますか?

塚本 最初は我々も最若手ぐらいの感じで参加させてもらっていたのに、気づいたら「早く抜けてください」みたいな存在になってきちゃって。

溜口 僕らが2011年に決勝に出たときって歌ネタだったんですよ。今、歌ネタってメジャーになって、大会にもなっていますけど、「シンプル歌ネタで決勝にいけた時代だったんだ」と思うと、この13年で細分化されているからより勝ちづらくなったし、まっすぐやっても無理だし、それぞれのアイテムを乗っけないと勝ちきれないなと思います。

塚本 学生お笑いもあって、お笑い文化が根付いてきているじゃないですか。最初からみんなクオリティの高いものが出せるようになってきているんで、余計に狭き門になっている気がします。

出典: FANY マガジン
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ーーそうした出場者と戦うことが、自分たちのスタイルを見直す機会になっているんですね。

溜口 ここ2、3年、「若い子たちにできない戦い方をしなきゃな」というのはお互い喋っていて。年相応のおじさんがやれるコントだったら、もう一発ネタでぶん殴られるんじゃないかな、っていう感じはありますね。

ーーお二人はもうすぐ40歳ですもんね。

溜口 40でシークレットシューズを履いてデカく見せようとしていますから。

塚本 なんの説得力もないじゃん(笑)。