今月からコンビ名がカタカナに変わったことに伴い、こちらのコラムも『ガクテンソク奥田のGossip Times』となりました。今後ともよろしくお願いします。
今回は改名後初のコラムということで、せっかくなので名前にまつわるお話を、いくつかご紹介します。
ピカソの本名、実はめっちゃ長い!
これは、かなり有名な話だと思います。20世紀を代表する天才画家ピカソは、一般的には『パブロ・ピカソ』と呼ばれることが多いのですが、フルネームは、
『パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・ド・ラ・シプリアーノ・クリスピン・クリスピニアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ』
となります。えげつない長さですね。有名な落語『寿限無』のほうが、多少の法則性があるので覚えやすいくらいです。
この名前の長さには理由があって、まず、ピカソが生まれた地域では、
「名前はながければ長いほうが、幸福が宿る」
と考えられていました。なので『祖父・伯父・父・乳母』などの名前を盛り込みます。さらに、ピカソが生まれた当時、西ヨーロッパを中心に、
「複数の聖人の名前を洗礼名につけると、多くの神の加護が得られる」
とも考えられていました。
カトリック教徒だったピカソの両親が、地域の「長ければ長いほうがいい」という考えと、「聖人の名前をたくさんつけるといい」という考えを合わせた結果、めちゃくちゃ長い名前になったんです。それほど、我が子に幸せになってほしいという、親心のあらわれなのでしょう。
ただ、あまりに長いので、ピカソ自身は、フルネームは覚えていなかったそうです。親の心子知らずですね。
名字の読み方がオシャレ!
日本にはたくさんの『名字』があります。その中でも『数字一文字』の名字の読み方がオシャレなんです。その中でも、特に好きな名字を紹介します。
まず『一』です。「いち」、「はじめ」、「いちもんじ」などいろいろ読み方はあるのですが、『二の一つ前の数字』ということで「にのまえ」という読み方があります。オシャレですよね!
次に『二』なのですが、さっきの「にのまえ」があるので「いちのあと」とか言いたくなるんですが、上の線と下の線の長さが違うことから「したなが」となります。クイズとしても最高です。
少し飛ばして『九』です。これは「いちじく」と読みます。果物は『無花果』と書いて「いちじく」ですが、こちらは『一文字で九(く)』と書くので「いちじく(一字九)」というわけです。これはもうやりすぎです。答えがちょっとイラッとします。
最後に『十』です。これは、日本語での数字の数え方に由来します。
「一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つ、十」
もうわかりましたよね? 読み方は「つなし」となります。九のときイラッとしたけど、最後はスッと入ってくるんかい!って感じで好きです。
読み方一つでも、奥が深いですね。
法善寺横丁の看板の謎
大阪・ミナミの繁華街に位置している『法善寺横丁』。大阪が生んだ文豪・織田作之助の小説『夫婦善哉』に登場することでも有名な場所です。
ご存じない方は、ぜひ観光に行った際は覗いてみてください。石畳が映える路地に料亭や居酒屋、バーなどがひしめきあっていて、映えまくること間違いなしです。
この法善寺横丁には、東側と西側に、木造看板が掲げてあるのですが、その西側の看板の『善』の字に、横棒が一本足りないんです。
理由は諸説あるのですが、この看板の文字を書いたのが、大阪が誇る喜劇王・藤山寛美さんで、藤山寛美さんが筆をとったさいに「わしはそない善い人間やないさかいに」ということで字を1本抜いて「善」にしなかったという説や、法善寺は飲み屋街なので「(酒が)もう1本たらんで!」という意味を込めてやったという説があります。
どちらの説にしても、昭和の芸人さんが持っていた、人情味や、愛情や、可愛げが詰まっていて、素敵だなぁと思います。
というわけで今回は、名前にまつわるお話をお届けしました。んーまぁ、あまりゴシップ感はなかったですね(笑)。
こういった回も混ぜつつ、今後もやっていきますので、来月からのガクテンソク奥田Gossip Timesもよろしくお願い致します。