ケンドーコバヤシと麒麟・川島明がMCを務める大型企画『会うもの全てを笑わせる!Everytime芸人』が、動画配信サービス「DMM TV」で配信中です。「芸人たるものいつ何時、どのような状況でも笑わせなくてはならない!!」というテーマのもと、24時間のなかで番組が仕込んだ8人の刺客全員を笑わせることができるか、という過酷なゲーム。成功した芸人たちには賞金1000万円が山分けされます。今回はこの過酷な企画の参加者の1人、とにかく明るい安村にインタビューしました。
「思った以上にキツかった」
今回、『Everytime芸人』に挑戦するのは、尾形貴弘(パンサー)、とにかく明るい安村、斎藤司(トレンディエンジェル)、アタック西本(ジェラードン)、稲田直樹(アインシュタイン)、ナダル(コロコロチキチキペッパーズ)、植田紫帆(オダウエダ)、国崎和也(ランジャタイ)の8人です。
カメラは芸人たちに24時間密着。この間、接触してきた人のなかに番組から送り込まれた刺客が8人いて、刺客を1人でも笑わせることができなかった場合、あるいは気づかずにスルーしてしまった場合は、その時点で即脱落となります。
笑わすまでに与えられた時間は「1分間」のみ。誰が刺客かわからないなか、唯一の“攻略法”は、24時間、とにかく接触した人全員を笑わせること――。ゲームに参加した直後の安村を直撃すると、興奮冷めやらぬ様子で心境を語ってくれました。
──先ほどロケが終了しました。1日中お笑いアンテナを張っていたわけですが、いかがでしたか?
朝の5時からスタートしたんで、やっぱり眠かったですね(笑)。しかも、カメラが回ってない間は、ほかの番組の収録をしていたんですよ。テレビ局を出て「終わった」と思ったら、(『Everytime芸人』の)カメラが待ち構えているし、タクシーに乗っても運転手さんがターゲット(刺客)の可能性があるし、本当に気が抜けなくて……。トイレの時間しか休めないから、個室に15分居座りましたもんね(笑)。本当に追い詰められました。
──オファーを受けたときと、いざやってみてのギャップは感じましたか?
ボケて人を笑わせるってシンプルで「やりたいな!」と思ったんですけど、思った以上にきつかったですね。やっぱり心が持たなくなります(笑)。相手が笑わなかったときに「この人がターゲット(刺客)だったらどうしよう」というプレッシャーとか、笑ってくれたけどターゲットじゃなかったときの落胆とか、体力が奪われますね。
必死のギャグもクイズと勘違いされ…!?
──小道具は用意していたんですか?
こんなに多くやるとは思っていなかったんで、2、3個持ってきたくらいで、そこまで用意していなかったんですよ。矢継ぎ早に人が来て、声をかけられたらとりあえずやって……みたいな感じだったんで、その場でなんとかした感じでした。そのぶん、楽しかったですけどね。
──シミュレーション通りにいくものなんですか?
いや、いかなかったっすね。ある人に、サイズの大きい輪ゴムで顔を縛って「昭和の俳優です」ってやったんですよ。僕としては全体の雰囲気で「昭和の俳優」を表現したかったんですけど、「えーっと……渥美清さん!」ってクイズみたいになっちゃって(笑)。「そういうことじゃないんだけどな」みたいな。焦っちゃいましたね。
──笑わせようとする相手もお笑い好きとは限らないので、ニュアンスがわからない人もいるでしょうし。
そうなんです。こっちは突然、やるじゃないですか。しかもそれが朝の5時半とかなんで、ワケがわからなかったですね(笑)。
──たとえば『有吉の壁』(日本テレビ系)だったら有吉弘行さんが「○×札」を出して切ってくれますが、今回は、ターゲットかどうかもわからない相手とひたすらマンツーマンですもんね。
確かに終わりがないですよね。終わりがないからグチャグチャになっちゃったけど、ターゲットじゃなくて生き延びた、みたいなことがありました。
──安村さんはこういう企画に強いイメージがありますが……。
好きは好きですけどね。ただ、テンパりすぎて「安心してください、はいてますよ」をやるのを忘れていました(笑)。
「ナダルは1人もクリアできないと思う」
──今回、さまざまなメンバーが出場しています。ライバル視している人はいますか?
みんな強いし、タイプが分かれますよね。植田とか国崎くんは道具を持ってくるイメージですし、尾形とかナダルは用意しようがない(笑)。
その場のノリでポンポン軽いヤツをやっていく斎藤さんとは、ちょっとタイプが似ているかもしれない。なので、斎藤さんがライバルかもしれないです。
──クリアしそうな芸人さんを予想してみてください。
稲ちゃん(稲田)は相当強いでしょうね。トークも面白いし、ワードも強いし、「顔捨てたろかな」の自虐も稲ちゃんが言うから面白いじゃないですか。万能だから8人達成しそうな気はします。逆にナダルは1人もクリアできないと思います。
──(笑)
ナダルは誰かといるとめちゃくちゃ面白いですけど、1人で何かをやるタイプじゃないですよね。1人で「やっべーぞ!」とか言ってもしょうがないじゃないですか(笑)。逆に尾形はパワーがあるんで、やっていいのかわからないけど街路樹に突っ込んだり、水に落ちたり、想像できますよね。
──そうした戦いをスタジオで見守るのがMCのケンコバさんと川島さんです。
その情報を途中から聞いたんですよ。おふたりが見ていると思ったら怖くなっちゃって、ちょっと意識するようになりました。「こいつ、つまんねえな」と思われたらイヤだなって。
──大好きな先輩だからこそですね。
面白さで勝負している人たちですからね。いま(ここまでのロケを)思い出すと「大丈夫かな? 笑ってくださるのかな?」という感じですけど(笑)。
──番組のテーマは「芸人たるものいつ何時、どのような状況でも笑わせなくてはならない!!」ですが、人を笑わせるために必要なことって何だと思いますか?
しつこさじゃないですかね。最初に笑わなくても、同じことをずっと言っていたら、もうしょうがないから笑うじゃないですか(笑)。今回も「こいつ笑わないと帰んないぞ」って苦笑いされることも多々あったんで、「意外としつこさって大事だな」と思いましたね。
──安村さんもしつこさで勝負するタイプなんですか?
僕は同じことをずっとやっちゃうんで、本当にしつこいんですよ。今回もそれが功を奏したときがありました。
──今回のメンバーもしつこい人がいっぱいいますよね。
国崎くんもしつこいですよね。しつこすぎて、ふつうの会話をしたことないですもん。国崎くんも面白いと思います。
あと、小道具を使って「やります!」と構えるよりも、その場の自然な流れでやったほうがいいときがあるんですよ。相手も油断しているんで、しょうもないことでも笑ってくれるというか。
結局、ターゲットではなかったんですけど、タクシーの運転手さんに住所を言うとき、「何丁目、何番、何号、80000」とかボケると、意外と「ははは。ちょっと(カーナビで)押す場所ないっすね」と笑ってくれるみたいな。しょうもないことが意外といい場合もあるんだな、と思いました。
「必死さ」を見てほしい
──そんなご自身が得意とするお笑いのパターンは?
大声を出すのが好きですね。最近は尾形と番組でケンカをしたり、BSよしもとの『営業-1グランプリ』で、♡さゆり(かつみ♡さゆり)さんに「お前、いい加減にしろ!」と怒ったり、『ラヴィット!』(TBS系)に行ってもアナウンサーさんにキレたり、そういうのがすごく楽しいですね。
──安村さんが芸人活動を続けるなかで大切にしているものは?
センスを見せつけるよりも、崩したくなっちゃいますね。大喜利をやるときも、あまり得意じゃないから別のことをやりたくなっちゃう。大喜利なのに前に出たり、相手チームがいると絡みに行ったり、みんなでグチャグチャやりたいですね。
──現在のお笑いを取り巻く状況は、コンプライアンスも厳しくなって以前よりも自由に表現する場がなくなってきたと言われます。安村さんは裸になることも多いですが、この現状をどう感じていますか?
完全に従っていますね。抗うことなく言われた通りやりますし、「しょうがないですよね」みたいな顔をしてやっています。
──アメリカやイギリスのオーディション番組で大爆笑を巻き起こすなど海外でも活躍していますが、海外ではその辺りはどうなんですか?
海外も厳しいですけどね。ジョージアという国で、ガウンを着て外ロケをしていたら、知らない人からジョージア語でブチギレられました(笑)。
──この番組を楽しみにしている人たちに、安村さんゾーンの注目ポイントを教えてください。
注目ポイントは「必死さ」です。奇跡を起こすシーンや焦るシーンなど、いろんな僕が出ていると思いますので、そこを見てほしいですね。
写真・文:浜瀬将樹
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