ココリコがいまYouTube開設するワケ 「コントをやるならコンビでやりたかった」

来年、結成30年を迎えるココリコ(遠藤章造、田中直樹)が、11月26日(金)からオリジナルコントを配信するYouTubeチャンネルをスタートします。なぜベテランコンビがいまこのタイミングでYouTubeを!? 久しぶりだというコント作りについて、まさに撮影真っ只中の2人に話を聞きました。

出典: FANY マガジン
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「じゃあ、コンビでなんかやろう」

——YouTubeを始めることになったきっかけを教えてください。

遠藤 これが、どちらからということではなくて。コンビでなかなか一緒にやることがなくなったなとはお互い常々思っていて、「じゃあ、なんかやろうか」がこのタイミングで、YouTubeでつくりものをやるというところに着地したんです。

田中 気づいたらコンビで仕事をする機会がずいぶん減っているな、コンビで何かやりたいな――と思ったときに、いろいろあるなかの1つとして、コンビでコントとか、つくりものとかをメインとした活動ができへんかなと。手始めに、YouTubeという場で自分たちのペースでどんどんコントやつくりものを上げていけたらいいなと。そこがスタートでした。

——“つくりもの”というのは、具体的にどのようなものですか?

遠藤 僕の解釈では、素の遠藤、素の田中ではなく、フィルターを通したものをお見せするということですかね。扮装していたり、別に扮装していなくてもなにかしら役をまとっていたりするもの。

出典: FANY マガジン
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田中 まさにそういうことですね。まだそれほど本数は撮っていませんけど、いまのところまったくもって素の2人というのは出てこないんです。“遠藤さん”として出る回であっても、どこか普段とは違っていたり、なにか1枚設定が乗っかっている。いまのところ、そういうルールでやっています。

——著名人のYouTubeチャンネルでは“素を見せる”ことをウリにしているものも多いと思いますが、おふたりが作り込んだものを発信しようとしているのは、ココリコといえばコント、つくりものという思いがあるからでしょうか?

遠藤 そうですね。僕個人のチャンネル(「ココリコ遠藤のヘンなカタチ」)では思いっきり素しか出していなくて、ときには家族まで出したりしているんです。でもコンビでやろうとしたときに、やっぱりまったく素ではないもののほうが僕らっぽいだろうという話になって。

田中 僕らってたぶん、ぜんぜん違うタイプだし、好きなものもぜんぜん違う2人なんですよ。自分たちを“円”にしたときに重なる部分がコントで、その重なっている部分がお互いの中でけっこう大きい。だから、お互いが楽しいと思えるコント、つくりものをやるのがいいなあと。……こんな話をしておきながら、急にガラリとチャンネルの方向が変わったらすみません。

出典: FANY マガジン
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遠藤 突然、“モーニングルーティン”やったりしてね。いまやる? っていう(笑)。もちろん、この先ずっと絶対に素を見せません、というほど気張っているわけでもないんですよ。いまやるにあたって、2人とも心地のいいスタイルがこれだというだけで。実は、個人のチャンネルでもコントみたいなことをしようかなと思ったときもあったんですよ。でもやるんだったら田中さんとやりたかったので、それはあえてやってこなかった。

田中 僕もコンビでのコントはこの先々もやっていきたいと思っていたので、それが実現したのがこのYouTubeですね。

「おっさん2人、こんなことやってんねんな」

——ネタづくりも久しぶりかと思いますが、感触はどうですか?

遠藤 基本、田中さんが作家さんと一緒にベースを作ってくれて、そこに自分がどう入っていけるかを考えるという、昔から変わらないスタイルで作っているんです。コントを作りながら、「これどう思う?」とか「ここでなんて言ったらいいかな?」とか話し合っているのは健康的というか、コンビとしていいあり方だなと思えてすごく楽しいですね。ネタづくりとか撮影とか、“ジム帰り”みたいな気持ちよさです。

出典: FANY マガジン
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田中 自分が本当にこれは面白いなと思えるものを提示しないと、遠藤さんにバレるんですよ(笑)。面白がってくれたら実際に演じるという流れですけど、「こんなん面白いと思ってんねんけど、どう展開していったらいいかわからんくて迷ってんねん」と伝えたら、遠藤さんがそこを膨らませてくれるんです。塗り絵でいうと僕が作った枠を遠藤さんが「そんな色使いするんや!」という色で塗ってくれる。そこが一緒に作っていて面白いなと今回、改めて思いました。

——改めてコンビでネタを作る面白さを実感しているんですね。

田中 ただ、発想のネタ元が自分の好きなものに偏りすぎているなと思いました(笑)。もう少しバランスよくシチュエーションを考えていかないとな、と。

遠藤 いや、それが面白いんですけどね。別に自分たちがやることやから、気を使うことない。それがYouTubeのいいとこやし。

——ココリコは来年で結成30周年。これまでを振り返ってみて、いまどのように感じていますか?

遠藤 この世界に入っていろんな人と出会って、影響を受けたり、そうじゃなかったり、その繰り返しで。29年の長きにわたりやってきていま思うのは、ベタですけど、こうやって活動できているのは当たり前じゃないんだなと。ありがたいなという感謝がまず来ますね。
それと、自分自身を振り返ってみると、やっぱりかわいがられてなんぼやなと思うんですよ。学生時代からそういうタイプで、50歳になってもそれは変わらないんですよ。だから、これまで通り先輩にはかわいがっていただいて、優秀な後輩たちにもイジってもらって、今後もやっていけたらなと思います。

出典: FANY マガジン
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田中 本当にこんなに長く続けられるとは思っていなかったので、ありがたいですよね。若手のころは自分たちのことしか考えられなかったんですが、歳を重ねて、みんなでものを作っていることに気づけたり、考え方はどんどん変わっていると思います。
50歳になって今後の生き方を考えたとき、「こんなことしたいな」という気持ちに対して、フットワーク軽く動いていけるよう、迷わず飛び込んでいけるようでありたいなと、いま改めて新鮮な気持ちになっています。実際、自分は演じることが好きだから、やりたいなというところからYouTubeでつくりものをやってみようということにつながっていますし。これからも50歳なりの動き方、飛び込み方をやっていこうと思います。

——最後に、読者にメッセージをお願いします。

遠藤 チャンネル登録よろしくお願いしま〜す(笑)。いまの10代、20代の方は、僕らがコントをやっていること自体知らないでしょうから、そういう方が観てくれたらありがたいですね。でも話題になってバズるようなものではないと思うので、ちょっと覗いてもらって、「おっさん2人、こんなことやってんねんな」と思ってもらえたら。自分たちが面白いと思うものを垂れ流しておきますから、誰かが観てくれたらうれしいです。

出典: FANY マガジン
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田中 どんな方が観てくださるかまだわかりませんけど、笑ってもらえるようなものを1つでもたくさん作っていきたいです。まずは自分たちが楽しいと思えることを提示していって、観てくれる人がより楽しめるように微調整もして、2人で楽しみながらやっていけたら。そしてみんながハッピーになれるような方向に進めたらと思います。


ココリコ公式チャンネルはこちらから(11月26日スタート)。