オリンピックのちょっとイイ話。『学天即奥田のGossip Times』vol.10

ガクテンソク奥田のGossip Times

国内外で噂されている、ニュース、芸能、オカルトなど、ウソかホントかわからない様々なゴシップを紹介。このコラムで是非『ゴシップ通』になってください。

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僕がこれを書いている今は、連日オリンピックで盛り上がっています。

出典: FANY マガジン

大会中、様々な感動を呼んでくれる『オリンピック』ですが、実は、アフターストーリーにも感動があったりします。

現在、マラソンの世界記録は、男子が2時間1分39秒、女子が2時間14分4秒です。
では、マラソンの世界一遅い記録というのをご存知でしょうか?
ちなみにどれくらいだと思います?

5時間? 6時間? 7時間?

皆様の、うっとうしそうな顔が浮かんだので、すぐ答え言いますね。

答えは、

54年8ヶ月6日5時間32分20秒3

です。

「はぁ!?」

と思われましたよね。実は、ここに感動があるんです。

この記録を出したのは、日本人の『金栗四三(かなくりしそう)』という方です。

この方、日本が初めて参加した、1912年(明治45年)第5回大会『ストックホルムオリンピック』に、日本人として初めて出場したマラソンの選手なんです。

「マラソンランナーが一番遅い記録を作ったん!? どういうこと!?」

出典: FANY マガジン

はい、では説明します。

このストックホルム大会のマラソンは、まさに地獄でした。
40℃を超える真夏日に行われ、選手のほぼ半数の33名が途中棄権し、実際に、1名の方がお亡くなりになりました。

金栗選手も、やはり日射病になってしまい、27キロ地点で倒れ、近くの農家さんに救助されます。
目が覚めたときは、すでに競技の翌日になっていたので、『棄権扱い』となります。

その後、3度のオリンピックを経験した金栗さんは、日本のスポーツ、特にマラソンの普及に尽力されました。
競技人口の増加や、選手のレベル向上を目指して、様々な活動を行い、様々な大会を開きました。
その中には、箱根駅伝や、福岡国際マラソンの元になった大会もあります。

日本スポーツの発展に人生を捧げた金栗さんなんですが、74歳のときにある招待状が届きます。
それは、スウェーデンのオリンピック委員会から、ストックホルムオリンピック開催55周年を記念する式典への招待状でした。

初めてのオリンピックから55年ぶりにストックホルムに降り立った金栗さん。

まず、お世話になった農家さんに挨拶にいきました。
そして、オリンピック委員会の方から、ある提案を受けます。

オリンピック委員会 「ここがリタイアした場所ですし、せっかくなので、ここからスタジアムまで行きませんか?」
金栗さん 「え! ええの? 行きたい!」

金栗さんはこれを快諾し、スタジアムに向かいました。

スタジアム近くまで移動してきたら、またオリンピック委員会の方が提案します。

オリンピック委員会 「せっかくですし、車ではなく、ご自分の足でスタジアムに入りませんか?」
金栗さん 「そんなことまでさせてくれるん!? ありがとう!」

もちろん、金栗さんは快諾し、74歳とは思えない軽い足取りで、スタジアムに向かいました。

金栗さんがスタジアムに入ると、夜中のはずなのに、スタジアムに明かりがつきます。
そして、観客席にはお客さん、トラックの先にはゴールテープ、そして、場内にアナウンスが響き渡ります。

「日本の金栗が、半世紀の時を超えて、今、スタジアムに帰ってきました!」

実は金栗さん、見つかったのが、競技の翌日だったので、正式な『棄権』の手続きをしていませんでした。
『行方不明』という扱いだったので、まだレースは終わってなかったんです。
その事実に気づいたスウェーデンのオリンピック委員会が、

「55周年の記念式典で、ゴールしてもらおう!」

という、サプライズを計画したのです。

そして、金栗さんがゴールテープを切ると、

「日本の金栗、ただいまゴールイン。タイム、54年と8ヶ月6日5時間32分20秒3、これをもって第5回ストックホルムオリンピック大会の全日程を終了します!」

と、アナウンスされました。なんとも粋な話ですよね。

ちなみに、ゴール後のスピーチで、金栗さんは、

「長い道のりでした。この間に孫が5人できました。」

と、これまた粋なコメントを残されています。

出典: FANY マガジン

とまぁ、みなさまご存知の『金栗四三さん』の、粋な物語を書かせていただきました。

え?

金栗四三なんて初めて知った?

またまたご冗談を。みなさん知ってるじゃないですか。

ほら、グリコのマークの方じゃないですか。

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