同期として切磋琢磨しながら、そろって今年、芸歴30周年を迎えた野性爆弾(くっきー!、ロッシー)とシャンプーハット(恋さん、てつじ)。公私ともに“仲よし”な2組が、節目の年を祝って全国3カ所をめぐるツアーのファイナル『芸歴30周年記念 野性爆弾×シャンプーハットツアーIN大阪』が、12月13日(金)に大阪・なんばグランド花月で開催されました。超満員の客席は、ネタにトークに大盛り上がり! 終演直後の4人へのインタビューも含めて、その熱気をお届けします。
「みなさんも立派になられて」
開演前の会場に流れたのは、てつじや恋さんが熱唱する“ここでしか聴けない”楽曲の数々。開演5分前になると、前説のシャンプーハットが登場!? と思いきや、チャイルドプリンス(ラストオーダー織田、北山水泳)によるモノマネでした。
主役2組のネタは、それぞれ2本ずつ。1本目の冒頭で、てつじが「おかげさまで30周年を迎えることができました」と挨拶すると、恋さんが「みなさんも立派になられて」とファンも同じように年を重ねたことをイジって笑わせたシャンプーハット。
恋さんのギャグ「オーマイガットトゥギャザー」にまつわる思い出エピソードなども披露しながら、「カッコいい男」「豪快な男」をテーマに抱腹絶倒のやりとりを繰り広げました。
野性爆弾は、ちびっ子ファンからの声援に応えつつ、「さあ、海へ行こう」と言うロッシーがなかなか海に行けないコントで爆笑をさらいます。
2本目は、『シャンプーハットの漫才天国』(シャンプーハットが毎年、開催している単独ライブ。野性爆弾が必ずゲスト出演して同じネタをする)でおなじみのコント。これはシャンプーハットからのリクエストで、今回も『仮面ライダー』の歌から2人のいさかい、そしてロッシーがひとり残されるという不条理展開で沸かせ、最後は客席も巻き込んで一体感あふれる結末を迎えました。
シークレットゲストに超豪華VTRも
シークレットゲストとしてリットン調査団(藤原光博、水野透)、チュートリアル(徳井義実、福田充徳)も登場! スクリーンに名前が映し出されると、そのたびにどよめきと歓声が起こります。
リットン調査団は、とある集団の隊長と新入りのコント。下ネタ満載・らしさ全開のネタは“配信なし”だからこそのきわどさです。一方のチュートリアルは「父」そして「孫」を題材に、徳井がじわり狂気をのぞかせていく漫才で、会場を笑いの渦に巻き込みました。
ネタの合間に流れるVTRには、超豪華な面々からの祝辞が。東野幸治は『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(ABC)で恋さんが描いている風刺漫画にまさかのダメ出し! 同期のブラックマヨネーズは2組の第一印象を語ります。
「ビデオばっかりで、いっこも呼んでくれませんねえ」とクレームから始まったのはほんこん。2年先輩にあたる陣内智則は「同世代の戦友だと思っている」とメッセージを送ります。最近、「てつじ愛に目覚めた」と明かした今田耕司に続いては、笑福亭鶴瓶が「このメンバーでどういうことをするのか楽しみ。30年、よう頑張りましたね」とねぎらいました。
若い日の思い出エピソードは「言えることが何もない」
後半は、「30年を振り返ろうトーク」と題し、4人が年表を見ながら語り合うことに……。心斎橋筋2丁目劇場、baseよしもと、うめだ花月──懐かしい劇場名とともに、当時のウラ話が続々飛び出します。
残念ながら会場に来られなかった同期の次長課長(河本準一、井上聡)から届いたVTRでは、かつては活発でアグレッシブだったというロッシーの武勇伝や、恋さんが一人暮らししていた細長すぎる部屋など、爆笑エピソードがたっぷり。くっきー!は「グッとくるよな」と懐かしそうに耳を傾けていました。
さらにリットン調査団・藤原とチュートリアルの2人を呼び込んで、トークは延長戦へ。若き日のガチエピソードは「言えることが何にもない!」(徳井)というほどデンジャラス!? 気づけば暴露ネタ連発の大盛り上がりとなり、「30周年やねん! もうやめて!」とてつじがストップをかけていました。
くっきー!が描いた似顔絵がなぜか…!?
ライブの最後は、『シャンプーハットの漫才祭り』でおなじみの似顔絵プレゼントと「ロッシーゲーム」です。くっきー!、恋さん、福田は似顔絵チーム、藤原、徳井、てつじがロッシーチームに。まずは客席から似顔絵モデルの希望者をつのり、選ばれた人が舞台に上がって似顔絵を描いてもらいます。
出来上がりを待つ間のお楽しみが、ロッシー考案のオリジナルゲーム。「誰かここに注目してんの?」と徳井は不安そうですが、「このなかから好きな小道具をひとつ取って」と言われて、藤原はシャンパングラス、徳井は野球のグローブ、てつじはお箸をピックアップします。
ここで明かされたゲームタイトルは「キャッチ・ザ・アース」! 地球儀柄のビーチボールを、たった1回のチャンスでうまくキャッチし、地球を助けなければいけません。
ロッシーが蹴り上げた地球を受け止めるべく、全力でのぞむ3人でしたが、さすがに難易度が高かった様子。期待値が高かったグローブ(徳井)でも失敗に終わり、悲しいことに地球は救えませんでした……。
そうこうしているうちに、似顔絵が完成。福田のモデルとなったかわいい双子ちゃんに一同、目を細めつつ、それぞれの完成作を発表していきます。くっきー!が描いた女性の似顔絵が、なぜか吉本新喜劇・やなぎ浩二に似ているなど、味のある作品に観客は大爆笑! さらに記念撮影タイムも設けられ、ライブはにぎやかに幕を閉じました。
恋さん「30年はまだ夢の途中」
ライブを終えたばかりの4人を楽屋で直撃しました!
──3公演を終えた感想を聞かせてください。
てつじ 節目のイベントになりました。
くっきー! こうやって友だちが30年もずっと残って、同じ夢をまだ追い続けるって素敵やん? と思いました。
恋さん 30年はまだ夢の途中。まだまだ醒めないなって感じですね。
ロッシー みんな、めっちゃええこと言う……単純に楽しかったです!
てつじ 感慨深かったよな。
くっきー! うん。ゴールの見えないレールを走るっていうのはおもろいもんだね。
てつじ なんかこう、振り返るとかじゃないしな。
くっきー! 振り返るには早すぎます。まだ前しか見てないです。そういう俺たち、素敵やん?
恋さん 始まったばかりやん?
くっきー! そうやん?
てつじ だからお互い変わってないっていうのを確認し合ったみたいな感じ。
恋さん 今回はね、くー(くっきー!)が発起人ですけど、次は誰が言い出すか。
てつじ 結局、誰が言っても、全力でみんなでやるみたいな。
恋さん そうやん?
くっきー! 結局、サポートやん? 一人ひとりを支え合ってるよ。
恋さん 全員で同時に言うかもしれんやん?
くっきー! そうやん? シンクロニシティやん?
(そばで聞いていたチュートリアル・福田が思わず「ちゃんとやれや!」とひと言)
くっきー! もうツッコミのクセ出てるやん?
一同 (笑)
「なんかいいね、サザンオールスターズみたいで」
──次の節目でやりたいことは何かありますか?
てつじ 逆にそれをやるために、また頑張れるなっていうのは思います。
恋さん イベント中にヒントが出てて。野爆のネタで「サーティワン」っていう言葉が出てたから、来年でもええやんって思いました。周年とか関係なく、誰かがどっかでやりたいって言ったらやるんじゃないですか。
くっきー! そもそもシャンプーが毎年、漫才のイベントやってて、そこによせてもろうてるんで。毎年毎年、楽しいのはやってますね。
──では、来年はまた『シャンプーハットの漫才祭り』で……。
恋さん とりあえず、また一緒に。
てつじ で、また同じネタしてもらいます。
くっきー! シャンプーが言うんやったら、もうしゃあないんですわ。
恋さん ウケるしなあ。
ロッシー 許してくれてはるねん!(笑)
くっきー! あれだけしつこくやってたら、もうマヒしてはんねやろ(笑)。
てつじ まあ、今日は半分ぐらい新規のお客さんやったし。
くっきー! あったかいお客さんやから。
ロッシー 毎年(トリのネタが)一緒やから、「今年は行かんでもええわ」ってなってるんちゃうの(笑)。
──お客さんも一緒に年を重ねている感じが素敵でした。
ロッシー お子さんを連れてきたりされてるってことは、そういうことなんでしょうね。
くっきー! なんかいいですね、サザンオールスターズみたいで。
恋さん 確かに。
くっきー! 同じ世代のファンもいりゃ、その世代が産んだ子どもたちの新たな世代もファンとして加わってというね。
恋さん 轍みたいな感じやな。『希望の轍』です。
くっきー! 次に周年やるときは、タイトル『轍』にしようか。
恋さん そうしよう。『轍』にします。
ロッシー 覚えててくださいね、忘れるから。
くっきー! 連絡ください。そろそろ『轍』じゃないですか? って。