決勝がテレビ初出演! 結成2年のヨネダ2000って誰? 【THE W決勝直前インタビュー】

“笑いの女王”を決める『女芸人No.1決定戦THE W 2021』の決勝が、12月13日（月）に日本テレビ系で放送されます。過去最多となる700組がエントリーしたなか、ファイナリストに残ったのは10組。今回は、結成からわずか2年弱でM-1グランプリの準決勝にも進出している話題のコンビ、ヨネダ2000の決勝直前インタビューをお届けします！

『THE W』も今年で5回目。プロ・アマ問わず、芸歴や芸風、人数など制限は一切なしに、純粋にネタの面白さだけで、女性芸人日本一の称号と優勝賞金1,000万円をかけて争う“異種格闘技戦”です。歴代王者がテレビで引っ張りだこになるなど年々存在感が高まっており、決勝は師走の風物詩のひとつになりました。

今回の『THE W』ファイナリストは、Aマッソ（村上、加納）、オダウエダ（小田結希、植田紫帆）、女ガールズ（あいかガールズ、なつきガールズ、まちこガールズ）、スパイク（松浦志穂、小川暖奈）、TEAM BANANA（藤本友美、山田愛実）、茶々、天才ピアニスト（竹内知咲、ますみ）、ヒコロヒー、紅しょうが（熊元プロレス、稲田美紀）、ヨネダ2000（清水亜真音、愛）の10組。決勝を控えた女芸人たちに、『THE W』にかける思いや今後の展望などを、連続インタビューで熱く語ってもらいます。

一度解散した再結成コンビ

――コンビ結成の経緯を教えてください。

愛　私たちは東京NSC（吉本総合芸能学院）23期生で、芸歴が今年4年目の同期なんですけど、NSCのときは別々のコンビを組んでいました。

清水　我々、じつはややこしくて。NSCの卒業ライブが終わった後に、この2人で「ギンヤンマ」というコンビを組みまして。１年間やっていたんです。

愛　それで、ちょうど1年目が終わるぐらいのとき、同期の男芸人を加えてトリオになりまして。でも、そのトリオは半年ぐらいで解散して、そこで一度、バラバラになりました。

清水　そこから半年ぐらいはお互いに別の相方を探してたんですが、結局、2020年4月、芸歴3年目の頭にこの2人で「ヨネダ2000」を結成しました。

愛　1回目の結成のとき、声をかけたのが私からだった。NSCのネタ見せの授業で、亜真音のネタを見るわけですけど、「考え方みたいなところが、ほかの人とは違うな」っていうのがあって。私にとってそれがすごく面白かった。それでコンビを組みたいと思って。

清水　夜に電話がかかってきて。「亜真音のネタが面白いと思うからコンビを組みたい」と言われたんです。面白いと言ってもらったのがうれしくて。

――再結成のときに2人の間で決めたルールはありますか？

愛　じつは、トリオになるっていうタイミングで、（もう1人を）入れるか入れないかで意見が分かれていたんですよね。相方は「このまま２人でいいんじゃないか」と言っていて、私は「もう1人、入れたほうがいい」という意見で。その時は、まだお互いにちょっと遠慮していた部分もあった。それが積み重なって、ギクシャクまではいかないけど、言い合えない感じでした。そんなことがあったので、ヨネダ2000になったときは「思ったことは言い合おう」と決めました。その都度、言っていかないと蓄積していっちゃうので。

清水　だから遠慮しない、気を遣わないっていう関係になりました。

「幼稚園児」と「保護者」の関係性

――愛さんから見て、清水さんはどんな人ですか？

愛　ええっと、“ネタが書ける幼稚園児”みたいな感じです（笑）。

清水　そこまで言わなくても……（苦笑）。

愛　ずっと楽屋のはじっこでふざけてるんですよ。楽屋でもわーって騒ぐタイプではない。1人でちっちゃい人形みたいなので、「シュプー」とか言いながら遊んでます。

清水　それヤバイって！　めっちゃ変な人じゃん！　2人でいたときに無言になっちゃったから、たまたまリュックに入ってた人形で変なことしたら愛さんが笑ってくれるんじゃないかと思って。私は一緒にいるなら一緒に楽しみたいタイプなんですけど、最終的に「もういいから」とちょっと怒られるという（笑）。

愛　それでも私が笑うまで諦めずにずっとやってます。

――清水さんから見て愛さんは？

清水　愛さんはほんとに保護者って感じです。ただ優しいだけの人ではなく、ちゃんと叱るところは叱ってくれる。ちゃんとダメなところはダメと言ってくれるので、信頼しています。あと、意外とクール。あんまり人に興味がないというか。街歩いていて私が「いまの人こうだったね」と話しても「ん、知らない」と返される。

愛　確かに。相方は逆にすごい人を見るんですよ。街並みとか人とか、「あ、いまの人○○だった」とか「あの看板さ～」とか。

眉間のしわがネタの「バロメーター」

――ネタはどういう形で作り上げているんですか？

清水　私のほうが基本、作っています。こんなのいいんじゃないかと思ったネタをまず愛さんに口頭で説明して、愛さんが笑えばそのままそのネタを作る。愛さんの眉間にしわが寄ったら、その瞬間にそのネタはボツです。相方に面白いって思ってもらいたいというのが大前提であるので、相方が笑わないともうダメなんだと。

愛　でも、そんなに眉間にしわ寄らないよね？

清水　おおむね笑ってくれます。（でも）たまにある。

愛　理解に時間がかかるやつと、眉間にしわが寄ってしまうやつと、面白いやつがある。理解に時間がかかるのは深く聞いて行って、最終的に笑う。

――ヨネダ2000の魅力を自分たちではどう分析していますか？

清水　「何やっているかわからないけど、面白いよね」とよく言ってもらうんですけど。くだらないねと笑ってもらえるのはうれしい。自分たちも頭を使うお笑いは得意ではないと思うので。「何やってるかわからないけど、笑っちゃう、くだらないよね」っていうのが強みになっていければと思います。新しいなと思ってもらえるものを作りたいという気持ちも大きいんです。相方にもずっと「新しいことをしたい」と言ってて……。なんかカッコいいことを言ってすみません。

愛　なんで急に照れるの（笑）。

清水　私には、もとからあまりネタ作りの思考回路が備わっていなくて、作り方を分かっていなかったんです。再結成した時も、まだネタの作り方がわかりませんでした。作家さんにも毎回、「まとまりがない、軸がない」と言われた。

愛　でも、2人ともどこがどう「まとまりがなく、軸がない」のかが分からなくて……。

清水　先に愛さんが理解してくれたんです。でも、自分はその後も分かっていなくて。何度も愛さんに「あの話をもう1回してくれ」と頼んでました。

愛　そうそう。あのころは、会って次の日また会うと「家で考えたらもっと分からなくなった。もう1回あの話してくれ」と言われた。

清水　「それはどういうことなの？」って、ずっと聞いてました。愛さんが諦めずに説明してくれて、やっと理解できたのが2020年の夏ぐらい。4カ月くらいはわからなかったです（笑）。

『THE W』は“チャンス、そして希望”

――『THE W』にはどんなイメージを持っていますか？

愛　去年、準決勝まで行けたので、それより高いところには行きたいなと思っていました。『THE W』の1回目が始まったのが、私たちがNSCに通っていた時期だった。だから、ずっと「獲りたい目標」「優勝したい賞レース」という存在でした。この1年、『THE W』をかなり意識してきました。

清水　今年、ファイナリストになれたのは、すごくすごくうれしいんですけど、なにせテレビ初出演がTHE Wの決勝の舞台という感じなので……。

愛　収録とかもしたことがないのに、いきなりの生放送なんです（笑）。

清水　初めてすぎて、まったくイメージが沸かない。どういう道を通って、あそこに行けるのか。

愛　あの番組を放送している場所に、どんな道を通ってたどり着くのか、分からないよね。

清水　だから、リアリティがあまりないんです。

愛　とくに相方はめちゃくちゃ緊張するタイプ。いつも出番前は「ううう……」となってます。

清水　めちゃくちゃ緊張しちゃうんです……。体温もめちゃくちゃ下がってしまって検温で低すぎてエラーになったりします。ただ、相方がそこまで緊張するタイプではないうえに、あったかいんです。愛さんは準決勝のときも10月の終わりなのに、ずっと半袖で扇風機の前にいたんですよ（笑）。「いや、そんなにあちいか？」って衝撃でしたけど、そんな相方に温めてもらうと少しリラックスできる。