どうも! 芸人ライターのヘッドライト・町田星児です。
今年も年末恒例のネタ番組『オールザッツ漫才2024』が、12月29日(日)23時57分から30日(月)5時00分にかけてMBSで生放送されます。1990年から続く関西を代表する長寿番組で、僕も芸人になる前から毎年、楽しみにしていました。今年はどんな芸人がブレイクするのでしょうか!? このたび、夏の開催も含めて3回目のMCに決まった見取り図(盛山晋太郎、リリー)にインタビューをさせてもらいました。
過去のMCのデータを集めて研究していた!
──今年もオールザッツ漫才のMCですね。
リリー 光栄です!
盛山 よっしゃー! とめっちゃ思いました。嬉しかったです。やっぱり子どものころから見ていた年末の風物詩なので。
──2023年夏のオールザッツ(ゴールデンSP)、2023年末のオールザッツに続くMCですが、昨年のMCがよかったということだと思いますよ。
盛山 そうでありたいですね。僕、勝手に過去のMCについて調査してたんで。5年とか6年ぐらいの周期でMCが変わる歴史があるんで、今年MCじゃなかったら、去年、そうとう悪かったんだなと。
──昨年、初めてMCをさせてもらうことになったときは、どう感じました?
盛山 MCをさせてもらうかもしれない気配はしてたんです。そこから周期を調べましたね。周期によると、そろそろ(前任MCの)アキナ牛シュタイン(アキナ、和牛、アインシュタインの3組によるユニット)さんから世代交代のはずだから、と意識はしてました。でも、アキナ牛シュタインさんみたいに、これからは数組MCが当たり前になっていくのかなぁと思っていたら、まさかの1組MCだったので、喜びも倍増でした。
──プレッシャーを感じなかった?
盛山 めっちゃ感じました!
リリー 偉大な3組のあとなので。
盛山 陣内智則さんと若槻千夏さんのコンビのMCが自分の青春時代のオールザッツで、陣内さんのあの感じが僕にできるかなぁ、と。若手芸人が思いっきりボケて、ウケなかったらMCが助けないといけない。助けられなかったら若手にカゲで文句を言われますし(笑)。
リリー データを集めてたってことですね。
盛山 話聞いてた?
リリー 僕も、1組でMCと言われて緊張感とプレッシャーはありましたけど、嬉しかったです。
霜降り・せいやのように大爆発する若手の登場に期待!
──今年、どういうオールザッツにしたいですか?
盛山 オールザッツって、なだぎ武さんのディランとか、天津・木村卓寛さんのエロ詩吟とか、印象に残ってるネタが多いじゃないですか。
リリー ムーディ勝山さんとか。
盛山 そういう印象に残るオールザッツにしたいですね。ネタをする芸人さんもそうだと思います。霜降り明星・せいやのように大爆発する若手が現れたらすごいですね。
──ふだん、最近の若手と絡んだりは?
盛山 あまりないです。ちょっとマンゲキ(大阪・よしもと漫才劇場)にも行きづらいですね。知らない後輩がめっちゃいてるんで。
──見取り図がマンゲキに行きづらいと言ったら、もう誰が行きやすいねん! てなるねんけど。
リリー 本当にそうですよ。
盛山 もう町田さんなんかは、たぶん最悪ですよ。
リリー たしかに。若手は「上の人、来るなや!」て思ってるはず。
盛山 だからオールザッツが楽しみです。面識のない芸歴が離れた子らと会えるのが。そして、コーナーには先輩の方々がたくさん出られるので心強いです。
──いままでのオールザッツ漫才で印象に残っていることは?
リリー インパクトがあったのはストリークさん(2012年に解散)。すげぇ芸人が盛り上げるな、と。みんなでストリークさんを応援するのを見て、芸人ってすげぇな! て思いました。
盛山 大ひな壇からツッコミしたり、ヤジ飛ばしたりとか。
──大ひな壇? 大ひな壇って言うんや。
盛山 観覧席の後ろの席です!
──大ひな壇っていう言葉、俺、初めて聞いたんで。
盛山 じゃあ、芸人席で!
リリー 芸人席の盛り上げがすごくて、1個ボケるたびに盛り上がって、芸人のやさしさが見えましたね。
盛山 あの当時のあの空気、めっちゃいいですよね。舞台と芸人席が一体となってる。
リリー あれは感動します。
盛山 そんなオールザッツが好きでした。ディランとか、エロ詩吟とか、ケンコバ(ケンドーコバヤシ)さんとかがきわどい下ネタを放り込んだり……。僕らは若手のときに、芸人辞めてもいいぐらいスベりましたけど(笑)。
オールザッツ優勝ネタ「カスカップル」が芸人人生の節目に!
──でもその数年後、2018年のオールザッツで優勝をもぎとった「南大阪のカスカップル」ネタは、見取り図がもうひとハネするキッカケになったんじゃないですか?
盛山 そうですね。漫才以外で何か評価されるってのがなかったので、節目じゃないですけど、カスカップルでいろいろ変わりましたね。『千鳥のクセスゴ!』に出たり、アーバンリサーチのイメージキャラクターとか、宝くじのウェブCMもやらせてもらったりして……。オールザッツで優勝すると、こういうことがあるんでね。
リリー 東京の業界人や芸人もけっこう見てます。
盛山 業界の人もけっこう見てくださってるんで、若手のネタバトルとはいえ、僕らもジャッジされてる感じ。この大人数をどうすんねん、ていう。
──じゃあMCとしても、またもうひとハネできるチャンスかもしれないですね。東京の話になりましたが、東京のテレビと大阪のテレビの違いはありますか?
リリー 出演者が違いますね。こっち(大阪)は芸人しかいないじゃないですか。
盛山 大阪で会えるマックスの芸能人は誰やったっけ?
リリー 辛坊治郎さんです。
盛山 そんなことないやろ!
リリー 芸人だけやったら、変な空気でも楽しんでくれるとこあるじゃないですか。でも、たとえば僕らがMCで、ほかの出演者が女優さんとかアーティストさんとかだけやったら、ほんまに変な空気になったときに終わるんで。それ以上ないんで。なので、チューニングを変えていかないと。
──では最後に、これからの見取り図の目標や夢は?
リリー 僕は、正月休みが取れる芸人になりたい。正月にハワイ! いまは吉本の社員に言っても、「お前らが何言ってんねん」ってなるじゃないですか。それを言っても当たり前になれるランクにはいきたいですね。
盛山 僕は吉本内での序列を上げたい。上から数えたときに……いまは何百位ぐらいやろ。ベスト50に入りたいですね。吉本興業に必要とされるベスト50の所属タレントに!
「大ひな壇」や「チューニング」など、僕がふだん使わない言葉も飛び出すインタビューで、見取り図はテレビの世界で揉まれているんだなぁと思わされました(僕が仕事をしていないだけ?)。
そんな見取り図がMCのオールザッツ漫才2024。 盛り上がることは間違いないでしょう! 僕は“大ひな壇”から見守ります!