浪曲初の人間国宝・京山幸枝若の記念公演は豪華ゲストの漫才、新喜劇も! 「だんだん浪曲が盛り上がってきたなぁと実感」

浪曲師として初めて重要無形文化財、いわゆる人間国宝に認定された京山幸枝若が、2月28日(金)に大阪・なんばグランド花月で『浪曲師 京山幸枝若「人間国宝認定」記念公演』を開催します。浪曲はもちろん、多彩なゲストによる漫才、さらに新喜劇も上演されるという盛りだくさんの内容となるこの公演。2月10日(月)に開かれた概要発表会見では、京山幸枝若と吉田裕座長ら吉本新喜劇メンバー、さらに月亭八方も登壇して記念公演に向けた意気込みを語りました。

出典: FANY マガジン
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お店のグレードも変わらず」

まずは司会役の月亭八光から、人間国宝認定から約2カ月たった心境を聞かれた幸枝若が、こう答えます。

「だんだん浪曲が盛り上がってきたなぁと実感してきました。時代の流れで落語ブーム、漫才ブームと来て、浪曲をやめようかなと思った時期もあったんやけども、やっててよかったなぁと思っています」

一緒に登壇した弟子の幸太、幸乃の2人も、人間国宝に認定されて以降の幸枝若や浪曲界の変化について、「浪曲界は狂喜乱舞しております。私も日々、涙を流して喜んでおります」(幸太)、「師匠は普段と変わりない。私たちを連れて行ってくださるお店のグレードも上がるわけでもなく、いつもどおりです」(幸乃)と笑顔で語りました。

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豪華ゲストが続々登場!

今回の記念公演は、豪華ゲストがお祝いにかけつけ、見どころ満載! 口上に幸枝若はもちろん、西川きよし、月亭八方、桂小文枝、ぼんちおさむ、里見まさとが登壇。京都祇園の廣島屋による祝舞や、オール阪神・巨人の漫才、そして吉田裕座長が中心となって、幸枝若の半生を描いた吉本新喜劇も上演します。

すると、ここで月亭八方が舞台に登場。八方は幸枝若の浪曲教室の生徒で、浪曲を学び始めてかれこれ6年とのこと。そして、こう熱弁をふるいました。

出典: FANY マガジン
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「私が高校生のころは、浪曲とか落語は年を取ってから聞くもの、楽しむものと聞いていましたが、年齢を重ねたいま、私のまわりの同世代に浪曲を聞く? と尋ねても『聞かない』と。いまどきの年寄りは、浪曲は聞きません。年寄りが聞いていたのは、いまから2世代くらい前で、いまでは浪曲会も知る人ぞ知る催しです。でも、イエスかノーかと迫られる時代に、浪曲の義理と人情はよろしいなぁ……。浪曲は三味線との息と呼吸ですから、そこも楽しんでほしいと思います」

弟子が暴露した「幸枝若の派手なパンツ」

続いて座長の吉田をはじめ、池乃めだか、島田一の介、末成映薫、浅香あき恵という吉本新喜劇のメンバーたちが登場!

「稽古はこれからですが、(吉本新喜劇で)最年長のやなぎ浩二さんの出演は決まっています!」と笑顔で報告する吉田は、若かりしころの幸枝若の役を演じることになっていて、「僕で大丈夫なのかなと……」と幸枝若を前に恐縮気味でした。

出典: FANY マガジン
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そんな吉田へのアドバイスとして、弟子の幸太が「うちの師匠はめちゃくちゃ派手なパンツしかはきません。今日の師匠は青白く光り輝くクジャクのパンツです」と暴露すると、幸乃も「師匠は会話の間に隙あらばダジャレを入れてきますので、そのあたりを意識していただければ」と具体的なヒントを出します。

実は、2004年に二代目幸枝若を襲名した際も披露公演で吉本新喜劇が上演され、池乃、島田、末成、浅香が出演しました。20年前の公演では、18時開演にもかかわらず、終演を迎えたのは23時と5時間に及んだとのことで、幸枝若は今回も「新喜劇にも浪曲のことを入れていただいて、アピールしていきたい」と意欲を見せました。

出典: FANY マガジン
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「浪曲の面白さや楽しさを伝えたい」

メインの浪曲は、幸枝若が「左甚五郎 掛川の宿」を、幸太が“超”新作浪曲「ギャルサー!」を披露します。「左甚五郎 掛川の宿」を選んだ理由について、幸枝若はこう話します。

「20年前の襲名披露のときは『会津の小鉄(加茂の河原)』というものすごく長いネタでしたが、そのときは浪曲ファンの方が多かったこともあり、幸枝、二代目幸枝若と続く我々のお家芸の十八番をやりました。あれから20年が経って、浪曲を初めて聞く方も多いのではないかと思うので、今回はなるべくわかりやすく、面白いほうがええんとちゃうかなということで、「左甚五郎 掛川の宿」をやらせていただきます」

出典: FANY マガジン
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そして、幸太も意気込みをこう語りました。

「“超”新作浪曲という、いろいろな演出を入れた浪曲に取り組んでいるのですが、今回は平成のギャルのサークルをモチーフにした『ギャルサー!』というパラパラ入り浪曲をやりたいと思います。まさかNGK(なんばグランド花月)で浪曲をするなんて思ってもいませんでしたし、パラパラを踊ることになるとも思っていませでした。いまはすごく楽しみですし、浪曲ファンの方にも、初めてご覧になる方にもアピールできるよう、全力で頑張ろうと思っております」

最後に幸枝若は「吉本新喜劇や漫才が好きなお客さんに、浪曲の面白さや楽しさを伝えたいと思います!」と、穏やかな笑みを浮かべながら内なる闘志を燃やしていました。

公演概要

『浪曲師 京山幸枝若「人間国宝認定」記念公演』
日程:2月28日(金) 開場17:15 開演18:00
場所:なんばグランド花月
チケット:前売5000円

FANYチケットはこちらから。