シリアス演技で島田珠代の“女優魂”が爆発!? 朝ドラ「おむすび」にインスパイアされた『舞台小説 ついてる!』公演スタート!

NHKの連続テレビ小説をモチーフにしたステージ『舞台小説 ついてる!〜めぐりめぐる、おむすび〜』が2月12日(水)〜16日(日)の5日間、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA SSホールで公演されています。この作品は、「関西の演劇界を元気にしたい!」という思いから生まれたプロジェクトの記念すべき第1弾。吉本新喜劇の島田珠代がギャグを封印して熱演を見せた、初日プレビュー公演の模様をレポートします。

出典: FANY マガジン
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平成から令和へ…1人の女性の成長記

この作品は、現在放送中のNHK連続テレビ小説『おむすび』にインスパイアされたオリジナル演劇。オーディションを勝ち抜いた木下桜、数々の舞台で活躍する山﨑千惠子のほか、水田詩織(NMB48)、島田珠代(吉本新喜劇)、舞台やドラマなどで活躍中の多和田任益(梅棒)ら個性派キャストが顔をそろえました。

ドラマ同様、平成から令和へと続く時代を縦軸に、発生から30年を迎えた阪神・淡路大震災や記憶に新しい新型コロナ禍など、さまざまな出来事に翻弄されながら生きてきた女性の物語です。大阪市南部にある食堂を舞台に、1999年から2025年の四半世紀にわたる主人公の日常を、鮮やかに描き出します。

客席が暗くなると、食堂の主人である道子(山﨑)が登場。店内を懐かしげに眺め、奥にしまってある日記を取り出すと、感慨深い表情になります。やがて「今日は私たちにとって区切りの日」「いろいろ思い返してみよかいなと思う」と、36歳になる孫娘・花純(木下)との日々を語り始めました。

出典: FANY マガジン
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1999年、2005年、2013年、2021年、2024年──花純にとって節目となる出来事が、時代を追ってクローズアップされていきます。“ノストラダムスの大予言”や“ビリーズブートキャンプ”、“ふなっしー”など、その年に大流行したトピックやワードが散りばめられ、個人商店の不振やタワーマンション建設、地域再開発といった社会の流れも食堂とそこに集まる人々に大きな影響を与えることに……。

木下は、活発な小学生から恋に恋する高校生、そして大人の女性になるまでをイキイキと熱演。両親を震災で亡くした悲しみをうちに秘め、何度も孤独を味わいながらも、周囲の人々に見守られ懸命に生きていく花純の姿が、さわやかな感動を呼びます。

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そんな木下を包み込むようなあたたかさで受け止める山﨑は、舞台の“語り部”として大きな存在感を見せました。中盤、そんな祖母と孫娘が対峙するシーンは圧巻! 素直になれない花純と、それでも無償の愛を贈る道子のやりとりが観客の涙を誘いました。

NMB48・水田の“ゴリラのモノマネ”も必見!?

珠代は花純の叔母で道子の次女・恵役で登場。失恋しては実家に駆け込み、泣いてわめいて大騒ぎする“困ったちゃん”キャラで、ギャグは封印しつつも新喜劇で鍛えた笑いのセンスをいかんなく発揮します。亡き姉へのコンプレックスや実家への思いを口にする場面では、情感のこもった演技も披露し、女優としての幅の広さを見せました。

花純の幼なじみ・すずを演じたのは水田です。ゴリラのモノマネを交えるなど笑いどころをしっかり作りながら、終盤では大人の女性の心情を繊細に演じるシーンも演じ切りました。

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ほかにも、向かいの八百屋の主人・大輔(木内義一)や、大輔の息子・翔太(南川泰規)、多和田が演じるノリの軽いイケメンの先輩・工藤らが、花純の人生に大きくかかわっていきます。

小さいころから「私はついてない」と言う花純を、「ついてる」「ついでるで!」と鼓舞し続けた道子。波乱万丈なその半生がどこに行き着くのか──。

カーテンコールで木下は、無事にプレビュー公演を終えられたことに感謝し、「千秋楽までこのメンバーで駆け抜けたい」と意気込みます。そして「お腹が空いたなと思ったら、大切な人とあったかいごはんをゆっくり食べて」とメッセージを送ると、共演者から「おむすびじゃないんや」とツッコミが入り、全員の笑顔が弾けるエンディングになりました。

出典: FANY マガジン
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公演概要

「舞台小説 ついてる!〜めぐりめぐる、おむすび〜」
日程:2月12日(水)~2月16日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA SSホール
出演:木下桜、山﨑千惠子、水田詩織(NMB48)、南川泰規、東千紗都(匿名劇壇)、永津真奈、木内義一、多和田任益(梅棒)、島田珠代
作:タカイアキフミ(TAAC)
演出:福谷圭祐(匿名劇壇)
チケット(全席指定/税込):前売 5,800円/当日6,000円

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