IT人材を育成する「未踏事業」イベントに田村淳、ピース又吉、マヂラブ野田が登場! イラスト表現の最新技術に「これほしい! VTuberになれるじゃん!」

突出したIT人材を発掘・育成することを目的としたプロジェクト「未踏事業」の魅力を伝えるイベント「未踏会議2025 MEET DAY」が、3月9日(日)に東京ミッドタウン・ホールで開催されました。当日は、3つのトークセッションが行われ、それぞれ田村淳、又吉直樹(ピース)、そして野田クリスタル(マヂカルラブリー)が登場。人工知能(AI)や量子コンピューターなど最新技術について熱いトークが繰り広げられました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

マヂラブ・野田「これ家にあります!」

未踏事業は、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が中心となって2000年にスタートしたもので、これまでに約2300人の修了生を輩出してきました。今回のイベントはIPAと一般社団法人「未踏」が主催し、経済産業省が共催として参加。 “MITOU WONDER”というテーマのもと、会場だけでなくライブ配信(ニコニコ生放送、YouTube Live)を併用したハイブリッド形式で開催しました。

最初のトークセッション「この人、未踏だったんだ!」には、ファシリテーターとしてマヂラブ・野田とアナウンサーの久代萌美が登場。パネリストは以下の4人です。

バイバイワールド株式会社 代表取締役/2009年度下期未踏ユース修了生 髙橋征資
ユカイ工学株式会社 代表/2008年度上期未踏本体修了生 青木俊介
株式会社Live2D 代表取締役社長/2006年度下期未踏本体修了生 中城哲也
アーティストユニット・うるまでるび うるま

ロボットと玩具の企画開発を行う企業「バイバイワールド」の髙橋氏は、歌える拍手ロボット「ビッグクラッピー」を紹介しました。実は、髙橋氏はNSC(吉本総合芸能学院)東京14期生で吉本興業所属。髙橋氏が「デジタルとお笑いを融合したいと思って作家コースに入った」と明かすと、マヂラブ・野田は「めっちゃ後輩じゃねーか!」とビックリです。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

ロボットの開発を手がける「ユカイ工学」の青木氏は、「BOCCO」「Qoobo」「甘噛みハムハム」といった“癒し系ロボット”を紹介します。すると野田が「これ僕、家にあります! 助かってます! めっちゃ癒されます」と嬉しそうに語る一幕も。

イラストを立体的に表現する独自技術を展開する「Live2D」の中城氏は、「『メメントモリ』や『桃太郎電鉄』(といったゲームや)、『にじさんじ』『ホロライブ』などにうちの技術を使っていただいている」と説明。VTuber用のデモ素材として野田のイラストが登場し、実際に動かしてみるデモンストレーションも行われました。その操作性や映像が気に入った野田は、「これほしい! VTuberになれるじゃん!」と興奮気味です。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

“レジェンド未踏生”うるまでるびのうるま氏は、子ども向け番組「ウゴウゴルーガ」(フジテレビ系)やNHKのみんなの歌で大人気となった「おしりかじり虫」の作者としておなじみの人物。かつて「先進的なアニメーションソフトウェアの開発」で未踏に採択されたうるま氏は、きっかけについて「アニメを作るのはめんどくさいから、絵を描くだけでそれが動いたらいいなという思いからだった」と振り返ります。

その後は4人で未踏の魅力についてクロストークを展開。「指導者の先生がついてくれる。毎月1対1でアドバイスをくれて、非常に勉強になった。未踏がなかったら、いまの仕事はできていなかったと思う」(青木)、「『国が認めた天才』と胸を張って言える」(髙橋)、「この業界、あまり資格がないので、未踏修了生はどこの会社に行っても就職できるというウワサがあった」(うるま)、「若いときに変なものを作ろうとしても、けっこうおカネを出してくれる」(中城)などと語り合いました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

ピース・又吉「AIは大喜利がめっちゃ弱い」

続くトークセッションのテーマは「AIについて小説家は何を語る?〜人を幸せにするAI〜」。パネリストはピース・又吉のほか、芥川賞作家の九段理江氏と、AIエンジニアや起業家としての顔を持ち、未踏修了生でもあるSF作家の安野貴博氏という3人。ファシリテーターは編集者の九龍ジョー氏が務めました。

又吉は「あまり(AIを)使ってなさそうと言われるけど、実はけっこう使ってる」と語り、「僕はChatGPTのことを“親友”って呼んでます」と笑いを誘います。最低でも1日に3時間は会話しているという又吉は、「『ワケわからん』とか『退屈』とか言わずに聞いて、返事を返してくれるんで助かってます」と語りました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

九段氏も「英文法に自信がないときは、DeepL(翻訳ツール)やグロック(AIアシスタント)を使ったり、中国語の書評を訳してもらったり。文体とキャラクターが一致してるかを評価してもらったことも」と活用法を明かします。

ChatGPTの「Proプラン(月額200ドル)」を利用中だという安野氏は、「ChatGPTについてるディープリサーチは、10分で調査してレポートにまとめてくれるんですけど、そのレベルがけっこういい。中国語やトルコ語の文献も調べてくれる」と評価しました。

同じくProプランを利用中の又吉は「僕がやったことといえば、“AI太宰”や“AIニーチェ”と対談したことぐらい」と話し、「ニーチェは『君こそが哲学だ!』って言ってくれましたけど」と笑わせます。

さらに、「ボケなのか純文学的な問いなのか、みたいなラインは(AIは)まだ苦手なのかな、と思う。大喜利もめっちゃ弱い」とAIの今後の可能性に期待を寄せました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

淳「うちのコミュニティで実験台を」

最後のトークセッションのテーマは「量子コンピューター活用最前線に田村淳が迫る」。淳がファシリテーターを務め、以下の2人をパネリストとして招きました。

慶應義塾大学理工学部物理情報工学科 准教授 田中宗
(未踏ターゲット事業・量子コンピューティング技術分野アニーリング部門プロジェクトマネージャー)
大阪大学大学院基礎工学研究科 教授 藤井啓祐
(未踏ターゲット事業・量子コンピューティング技術分野ゲート式量子コンピュータ部門プロジェクトマネージャー)

量子コンピューターとは、量子力学(ミクロな世界を支配している法則)を応用し、0と1の重ね合わせ状態(量子ビット)を用いて一括で計算を行う――という藤井氏の説明に、淳は「よくわからない……」と困惑顔です。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

続いて難解な原理の、量子コンピューターに “どんなことができるのか”について、田中氏が説明。「たとえば利益を最大化することだったり、最適なシフト表を作成する等々、あらゆるものの“最適化”ができる」と語ります。

さらに、量子コンピューターを広めるための取り組みのひとつとして開発されたパズルゲーム「QuantAttack(クアントアタック)」に淳がチャレンジ。藤井氏と対戦しましたが、何回やってみても藤井氏の圧勝でした。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

最後に藤井氏と田中氏は、量子コンピューターについて「興味を持ってくれる人がもっと増えてほしい。私たちはそういう人たちをサポートしたいと思っているので、いろいろなかたちでかかわってほしい」と参加者に呼びかけます。すると淳は「うちのコミュニティで実験台になれるようなことがあったら言ってください」と協力を申し出ました。

この日のイベントには800人以上が来場し、多くの出展者のブースが熱気に包まれました。マヂラブ・野田は、東京大学出身のピン芸人・藤本淳史と各ブースのプレゼンのライブ中継も実施。また、独創的なアイデアや卓越した技術を持つ17歳以下の小中高校生を支援する人材育成プログラム「未踏ジュニア」に採択されたなかで、特に顕著な成果を残した10人の表彰式が行われるなど、最後まで盛り上がりました。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

関連記事

関連ライブ配信

関連ライブ