聴覚障がいがある人も目で見て楽しめるイベント「文字と笑いのコラボレーション!新感覚お笑いライブ 視聴覚室」が、3月30日(日)に大阪・難波のYES THEATERで開催されました。このライブでは、最新技術を使ってステージ上のスクリーンにネタの字幕を映し出し、さらに手話の“同時通訳”も入ります。この新しい試みに詰めかけた観客は、ふだんの劇場同様に大いに笑い、盛り上がりました。

笑いの量を表す絵文字に挑戦すると…
今回のイベントに登場するのは、ネイビーズアフロ(みながわ、はじり)、もも(まもる。、せめる。)、タイムキーパー(まついあきら、ひでき)、もりやすバンバンビガロという4組。大道芸を得意とするもりやすは、ふだんからインバウントの訪日客に人気の、言葉を使わないノンバーバル公演に登場しています。
MCを務めるのは、令和喜多みな実の河野良祐。まずは今回のイベントが、新感覚ライブであることを観客に理解してもらうために、実際に1人で漫才のかけあいを実演してみて、スクリーンに文字が映し出される様子を見せます。
特徴的なのは、字幕の文字の大きさや色が変わったり、さらに“笑いの絵文字”が、会場の笑いの量を測って表示されたり、まるで「耳できいているかのようにデザインされた特別な字幕」になっていること。そこで、さっそく河野が即興ギャグを見せるものの……しっかりとスベって会場を笑わせました。

長台詞にもしっかり文字はシンクロ!
ネタ披露の1組目はタイムキーパー。お寿司をめぐるしゃべくり漫才で盛り上げます。スクリーンの文字は、色が変わったり、大きな声のときにはサイズが大きくなったり……文字と笑いがシンクロするように、しっかりと工夫が凝らされていました。

続くももは、ネタを始めたものの、機材トラブルでスクリーンにうまく文字が映りません。しかし、このハプニングで会場は逆に大盛り上がり!
仕切り直して、もう1回始めから映画をテーマにした漫才を。こちらもスクリーンに映る文字などにひと工夫しながら、写真もうまく使って得意のネタをたたみ掛けると、会場から何度も拍手が起きていました。

漫才のラストは、ネイビーズアフロです。みながわの“名言”からスタートするネタは、早口で長台詞を詰め込む場面でスクリーンにずらずらと文字が並んでいき、そこに、はじりのツッコミの文字がのっかります。文字の位置や出てくるスピードも、2人のしゃべりとほどよくシンクロしていました。

ネタが終わってステージに戻った3組の漫才コンビは、それぞれ仕掛けがうまくいって満足そう。写真を使ったもものネタは、「ふだんの5倍ウケていた」とツッコミが入ります。
ネイビーズアフロの2人は同じネタを以前、手話つきでやったところ、スピードがまったく合わなかったそうで、「リベンジだった」と明かします。さらに、みながわは自己紹介の手話を覚えてきたと言いつつ、しっかりとした手話でまったくのウソを伝え、笑わせました。

ネタステージの最後は、“ノンバーバル芸”のもりやすの出番です。まずは首でフラフープを回しながらバナナをひと口。そしてボールとティッシュを使ったおなじみの芸から、次々と技を繰り出していきます。
さらにヘディングと会場の拍手を合わせるネタで盛り上げると、ジャグリングしながらのルービックキューブでも拍手を浴びていました。

新発想! 絵で見せる大喜利にチャレンジ
ネタのあとのコーナーは、イラストでお題に答える“絵で見せる大喜利”です。
「こんなドラえもん見たくない、何があった?」というお題にメンバーは、「メガネを外したのび太くんの目が漢字の参」「雨の日にサビる」「足が長すぎるドラえもん」「毛玉を吐く」などの答えを、わかりやすいイラストで回答。


意外にうまい絵や、がっつりスベる絵などもありつつ、メンバーたちはボケ合戦に突入! 答えが発表されるたびに、会場から笑いが起こります。最後は河野の独断で、まもる。が優勝して「新感覚ライブ」は盛況のまま幕を閉じました。