浦島太郎のカメはオスかメスか? ココリコ・田中が出前授業「海の落語プロジェクト」で海洋クイズ

落語家が全国の小中学校に出向いて環境破壊が進む海の現状をわかりやすく、面白く伝える『海の落語プロジェクト』。東京・足立区立千寿本町小学校で12月7日(火)に開かれた三遊亭朝橘の出前授業に、海の生き物に詳しいゲストとして、ココリコ・田中直樹が出演しました。子どもたちは、新作落語を聞いたり、田中の出題する海の生き物クイズに答えたりしながら、海の現状について楽しく学びました。

出典: FANY マガジン
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『海の落語プロジェクト』は、海洋の環境悪化を自分ごとと捉え、きれいな海を次世代へ引き継ぐためのアクションの輪を広げようという日本財団「海と日本プロジェクト」の一環。落語家が“海落語”を通じて、子どもたちに海の大切さを伝えています。

未来の海は「臭い」!?

環境専門家の井手迫義和氏と気象予報士の駒形陽子氏の司会で、まずは三遊亭朝橘による海落語からスタート。演じるのは「未来の水族館」と題された新作です。

とあるカップルが完全予約制の「未来の水族館」にデートに行くと、そこには2050年の海が再現されていて……というところから始まる噺。このままだと、2050年には「海が臭い」「北極の氷が溶けてなくなっている」「日本の一部が沈んでしまったため、日本地図も変わっている」といった未来を知った子どもたちは、落語自体は楽しみながらも「え〜っ!?」と驚きの声を上げていました。

出典: FANY マガジン
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落語が終わると、2050年の海がこのようなことになってしまうかもしれない原因が「温室効果ガスによる地球温暖化」や「プラスチックごみによる環境悪化」にあることなどを、スライドを交えて井手迫氏が説明します。映像のなかには、今年の夏に撮影された江ノ島のものもあり、子どもたちは身近な海がすでにゴミだらけになっている様子にショックを受けたようでした。

ジンベエザメの赤ちゃんは何匹?

続いて、ゲストのココリコ・田中直樹が登場し、クイズを出題します。

「浦島太郎に出てくるカメは、オスでしょうか? メスでしょうか?」

正解はメスですが、田中の「なぜだかわかる人いますか?」との問いに、ハイ! と勢いよく手を挙げた男の子が「メスは卵を産むために砂浜に上がってくるから」。田中は「そのとおりです!」と感心しきりです。

出典: FANY マガジン
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ウミガメのオスは浜に上がってくることはないことや、カメの種類によって産卵の場所が大まかに決まっていることなど、カメにまつわる面白い話をたっぷり聞いたあとは、田中の大好きなサメにまつわるクイズです。

「ジンベエザメは何匹くらいの赤ちゃんを産むと考えられているでしょうか?」

数匹から何千匹まで、子どもたちの回答はさまざまですが、正解は「約300匹」。田中の「でも、実はこれまで誰も、ジンベエザメが赤ちゃんを産んでいるところを見たことがないんです」という言葉に、ではなぜ300匹とわかったんだろうという驚きの声が上がっていました。

出典: FANY マガジン
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「未来の海を守るためにできること」

そして今度は、井手迫氏から海のゴミにまつわるクイズが出され、海のゴミが増えている理由を学ぶ子どもたち。井手迫氏が「海ゴミの約8割は海に捨てられたゴミではなく、街のゴミ」であることを説明したあと、「ポイ捨てしたことある人〜?」と聞くと、ひとりの男の子が「は〜い!」と元気よく挙手。その悪気のなさに、思わず会場から笑いが起きていました。

また、ゴミだらけの河口の写真を見て、どこの国か当てるクイズでは、正解が日本だと聞いて、思わず「うわっ!」と驚きの声を上げる子どももいました。

このまま環境の悪化が進んでいくと、2050年には魚よりプラごみのほうが多くなってしまい、魚は乱獲や温暖化などでどんどん減り、いまは普通に食べているお寿司でも、食べられなくなる魚が出てくることなどを説明する井手迫氏。

出典: FANY マガジン
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そうならないために、いまからできることとして「レジ袋をもらわない」「ペットボトルを買わないで、水筒を持ち歩く」「近所を掃除する」などの行動を紹介し、「そういうところから始めてみてくださいね」と呼びかけます。

落語やクイズを通じて、海の環境が悪化し続けている現状を楽しく学んだ子どもたち。海の生き物や自分たちのために行動を起こすきっかけになる、有意義な出前授業となりました。