三遊間「僕らにとって“定期考査”」、やました「賞レースよりも生々しいバトル」…マンゲキ「Kakeru翔グランプリWEST」で闘うメンバーの本音に大接近!

大阪・よしもと漫才劇場(マンゲキ)に所属する芸歴7年目以下の芸人たちによる頂上決戦『Kakeru翔グランプリWEST』が、6月7日(土)に開催されました。第一部と第二部に分かれて総勢44組の芸人たちが全力でネタバトルを展開。頂点を目指して全力を尽くした芸人たちの“生の声”をお届けします!

出典: FANY マガジン
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グランプリならではの緊張感

芸歴7年目以下でマンゲキに所属する「翔メンバー」が2カ月に1回、激突するネタバトル「Kakeru翔グランプリWEST」。上位メンバーはそのままマンゲキで活動できますが、下位は“入れ替え戦”である「Kakeru翔チャレンジバトルWEST」に出場しなくてはなりません。今年度最初の4月のチャンピオンには、三遊間(稲継諒、さくらい)が輝きました。

この日は、第一部、第二部それぞれA・B・Cの3つブロックに分かれ、各組4分のネタを披露。順位は観客と審査員の投票で決まります。MCは、ネイビーズアフロ(みながわ、はじり)が務めました。

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今回は、「Kakeru翔グランプリWEST」初出場を含む12組の芸人たちにインタビュー。さまざまな思いを抱いてバトルに挑む芸人たちの興奮や喜び、そして勝つ難しさや苦悩など、出番直後のリアルな声を聞きました!

バリアシオン「当たって砕けろで…」

バリアシオン(飛田翼、大津尚斗)
第一部のトップバッターを飾ったバリアシオンは、今回が「Kakeru翔グランプリWEST」初出場。初めてとは思えない堂々たる漫才で会場を盛り上げました。

大津 ネイビーズ(アフロ)さんのMCがすごすぎました。おかげさまで、(トップバッターだったが)お客さん、会場全体がめっちゃ温かかったです。

飛田 「当たって砕けろ」で、ホンマに砕けられたんでよかったです!

大津 砕けたらあかんやん(笑)。

飛田 出演するのが初めてやったんで、「お客さん、迎え入れてくれるんかな?」って心配してたんですけど、ふだん出演している「MEKKEMON」(※若手のネタライブ)と比べてお客さんの反応がめっちゃよくて、笑い声の大きさにちょっとびっくりしました。

大津 ほんまにめっちゃ笑ってくれたんで、「お笑い、始めてよかったな」って改めて思えました。

飛田 あとは……残ってくれ~!!

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マーティー(真平、ホソ)
第一部Aブロックの後半に登場したマーティー。新人賞レースでも頭角を現している実力派コンビです。この日は真平の“クセモノぶり”がにじみ出る漫才を披露しました。

真平 いつもどおりにできました。でも、おそらく上位は獲れないんじゃないかなぁ、と……。

ホソ 僕の中では「Kakeru翔グランプリ」が、いちばんムズいです。

真平 毎回、ちょっと空気が違うんで、「前はこんな感じやったから、こんなふうにやったらウケるのかな」と思ったら、そういうことでもないときも多いです。なので、対策を練りにくいのはありますね。

ホソ それに、漫才とコント、どちらもあるんでそこもやっぱりムズいです。客票(観客の投票)もあるんで、なかなか……。

真平 上位を獲りたいし、狙ってはいるんですけどね。

ホソ でもここからです。

真平 まだ第一部のAブロック。ここから常連組が出てくるんで、ライバルだらけです。

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電気ジュース「足、震えました!」

電気ジュース(福沢葉、藤本もふ)
第一部Bブロックのトップバッターとなった電気ジュース。藤本もふはピンとして翔メンバーの経験はありますが、今回はコンビを組んで初めての「Kakeru翔グランプリWEST」。お互いの持ち味がよくわかる交換日記のネタで会場を沸かせました。

藤本 足、震えました! ピンでは経験があるんですけど、コンビで出るときのほうが断然緊張しましたね。震えすぎて止まるくらい全身がバタバタッとなりました。でも、なんとかミスらずいけました。

福沢 もう、何も覚えてないです。途中で(ネタ時間を示す)タイマーが目に入ったときから、ほんまに何も覚えてなくて。「あ、付いた」と思った瞬間からです。お客さんの笑い声も聞こえないくらいで……。

藤本 でも、やり切った感じはあります!

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ロマンス道場(夏日実、沖谷えんぴつ、カンカン)
「Kakeru翔グランプリWEST」初出場。夏目の女装のかわいらしさが光り、そしてカンカンの味わい深さが際立つコントで大きな笑いを生み出していました。

沖谷 最初、カンカンの声の出し方がいつもと違って「危ないんじゃないか……!?」とちょっとヒヤッとしたんですけど、でもだんだんいつも通りのパフォーマンスになって、反応も悪くなかったんじゃないかなと思います。マジで初めて過ぎるんで……基準はわからないんですけど「ウケたな」とは思っています。

夏目 今日は(女装が)とてもかわいく仕上がったので、めっちゃ気に入ってます。服も今日、初お披露目のやつで、とにかくかわいいんで「かわいい自分を見てもらおう!」と思ってあまり緊張はしなかったです。ウケたからよかったのかな? まずまずです。

カンカン これまでずっと3分ネタでやってきたんですが、4月から4分ネタになっちゃって……なんか怒ってます! でもこれも成長のきっかけです。これからも成長していきます。応援してください!

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マーメイド「夢見心地の気分で舞台に」

マーメイド(田村境祐、テクニック。)
2021年5月に翔メンバーに昇格し、新人賞レースでも着実に結果を残すマーメイド。この日は第一部Bブロック中盤で登場し、パワースポットの話を入口に、テクニック。のキャラが光る漫才で笑いをさらいました。

テクニック。 今日も特別に、すばらしいお客さまが集まってくださったようで、夢見心地の気分で舞台に立たせていただきました。だけど、結果によっちゃあ、まったく逆のことを言うかもしれません。でもいまの感想としては、そう思っています。

田村 僕らはまだグランプリで上位に名前を呼ばれたことがないんです。だから、「今日こそ呼ばれたい」と思いながら毎回やってます。今日はすごく温かかったですし、いい結果を待ちたいですね。

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アマルフィん(こうし、うえむら、はすき)
まだNSC在学生だった2024年3月に翔メンバーに昇格して話題になったトリオ。この日は占いの館を舞台にしたコントで、途中からのまさかの展開にお客さんも大笑いでした。

こうし 「Kakeru翔グランプリ」は、ふだんとは違う、異様な空気が流れてて、いつもならウケてるネタでもウケ量が減ると聞くので、本当に難しいです。グランプリならではの戦いというか、今日もそういう空気なのがわかったから難しかったですね。なんか、「ここがウケるかな?」と思っていたところとは違うところがウケたり……というのもありました。

うえむら グランプリは2カ月に一度ということで、僕らの場合は2カ月間で2、3個くらいネタを作って、グランプリ当日に「じゃあどのネタをする?」っていうのを選ぶ作業も重要かなと思ってます。やっぱりどのネタを持っていくかで変わってくるし、けっこう早い段階で決めておかないと仕上げが間に合わなかったりもします。実は今日やったネタも、昨日まで4分半あったんです。それを、「どこを削るか」「ここはいらんかったんちゃうか」とめちゃくちゃ削りました。でもそのおかげで今日は途中でタイムアップにならなくてよかったです。

はすき グランプリはいつもめちゃくちゃ緊張するんです。先輩と戦わなあかんし順位もしっかりと出るので、そこを意識しながらやってます。いつか上位に食い込みたいなと思ってるんですけど、直近で言うと、僕らとは1期しか違わんのに(NSC大阪45期の)生姜猫さんが今年2月に4位に入って、先輩方と渡り合ってるのがすごくかっこよかった。僕らもいつか先輩らに意思表明というか、「僕らもこれだけできるんだぞ」というのを証明していきたいです。

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ライムギ「トリというのが重圧に…」

ライムギ(なつみ、れんぺい)
第一部のトリを飾ったのは、前回(4月)の「Kakeru翔グランプリWEST」で総合2位のライムギ。誰もが知る『ハリー・ポッター』を題材にして独自の世界を描き、笑いを生み出していました。

れんぺい グランプリはね、いつもいちばん緊張しますわ。

なつみ ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……。

れんぺい 毎回そうです。前回は第二部で1位、総合2位でしたけど、それと比べると……今日はね、あんまりです。前回みたいにいけたらいいなと思いましたけど、一筋縄ではいかない。

なつみ 緊張しすぎて、4分ネタやったはずが、1分くらい巻いてしまいまして……。NSC生みたいなミスをしてしまいました。

れんぺい 6年目なんですけど、緊張からネタが早くなってしまいました。

なつみ トリというのもだいぶ重圧でしたねえ……。

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彼岸花(田中雄大、坂本拓馬)
第二部のトップバッターを飾った彼岸花は、「Kakeru翔グランプリWEST」初出場。ひどい物忘れをきっかけに広がりを見せる漫才で、独特の世界を構築して存在感を見せました。

坂本 緊張のあまりのどがカラカラになって、よだれというよだれが絡まり合い、非常に臭い状態です。途中、2分を過ぎたあたりから「こんなにも自分の口臭が臭いんだな」ってびっくりしました。

田中 なぜだか僕らが第二部のトップバッターになってしまい、そこから地獄の始まりというか……これが、今後のバトルにどういう影響を与えるのか確かめたいと思います。

坂本 そうですね。僕らがトップバッターっていうのは、ライブ自体を壊しかねない、という重荷を背負いながら……。

田中 僕らをトップバッターに選んだ方を後悔させようという気持ちで挑みました(笑)。

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やました「ちょっとずつ焦ってきている」

やました
2024年4月に翔メンバー入りしてからというもの、賞レースでも頭角を現している女性ピン芸人。今回は美容室を題材に、真骨頂である滑らかなしゃべりで観客を“やましたワールド”にいざないました。

やました 今回、まだ結果がわからないタイミングなんでアレなんですけど、ここ何回も上位入賞ができたことがなくて。ルールが変わったりもしましたし、自分の芸歴だけがちょっとずつ上に上がってきてて、ちょっとずつ焦ってはきていますね。

どうしても、あまりよくない結果を取り続けていることも、なんか自分の自信もだんだんなくなってきて。だから、「Kakeru翔グランプリWEST」は出るのがいちばん怖い舞台です。ふだんの寄席とかより、出る側も緊張しますし、お客さんも重い気がして、みんなで緊張している舞台です。

賞レースよりも生々しいバトルなんかな? と感じてます。だから今日はなるべく考えないようにして、「なるようになる」と思いながら出た感じです。

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空前メテオ(大門正尚、茶屋)
2022年5月に翔メンバー入り。2024年の「第13回ytv新人漫才賞決定戦」で大会史上最短の芸歴4年目にして優勝した注目株です。前回のバトルでは総合10位にランクイン。この日は「ドーナツ」をテーマに、茶屋の唯一無二の世界観が光る漫才で観客を引きつけました。

大門 グランプリは本当に難しいです。毎回本気でバットを振って、空振りをするという。みんながこの日のバトルに向けて仕上げてきてるから、みんながおもろいことをする中で、ぐっと流れを持っていける力がある奴が強い。僕ら、バトルではあんまりウケなくて。

茶屋 そのなかでもウケたほうです。基本的には「Kakeru翔グランプリ」はウケなくて、そこに難しさを感じています。僕ら的にはいちばんウケへんライブ。僕ら、もう3年くらい劇場には所属できてて、2回だけ10位になったことがあるんですけど、それ以上には入ったことがないんです。

大門 いや~、それがおもしろいところでもあるんですけど……ね。

茶屋 パッと(1位を)獲ってしまう人もいれば、カベポスターさんみたいにおもしろいのに何年かかっても獲れない、ということもあったり。それを僕らは実際に見たり聞いたりしてるから、結果が出なくても「あんなにおもしろい人たちでも……!」と思って、なんとか耐えられているかもしれません。

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生姜猫「非常に気持を高ぶらせて劇場に来た」

生姜猫(川﨑、ケージュ、カンサイ)
2025年2月の「Kakeru翔GP」(「Kakeru翔グランプリWEST」の前身ライブ)では総合4位に食い込み、実力は折り紙付き。この日はゲームに没頭する男子学生とオカンのやりとりの行く先をコントで描き、まさかのオチで観客を大いに沸かせました。

川﨑 2カ月に一度のグランプリ、非常に気持を高ぶらせて劇場に来ましたが、手応えがあって最高です。みなさん全員がライバルと思って日々精進していきたいです。

ケージュ (川﨑は)強気でしたが、たしかに手応えはありました。ここという場面でウケてたんで、よかったです。コントの中で僕が死ぬ場面もあったんですが、いい意味でうまく死ねました。

カンサイ 僕は、ライブに出るときに心がけているのは、僕らがウケたらいいとかじゃなくて、ひとつのライブとして全体が盛り上がったかどうかっていう。

ケージュ ええねん、そんなん……。どうしても載りたいんか?

カンサイ そういう意味では、盛り上がりのポイントとして、活躍できたんじゃないかと思っています。

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三遊間(稲継諒、さくらい)
この日の大トリを務めたのは、今年4月に行われた前回のバトルで総合1位に輝いた三遊間。さくらいのパーソナルに迫る漫才で笑いを巻き起こしました。

さくらい 今日の出来栄えは“下の中”、といったところです。前回は総合1位でしたけど、なかなかいいことって続かない。

稲継 うーん……。そうっすね、確かにちょっと掴めてない感じはありました。

さくらい 精彩を欠いたというかね。僕らにとって、「Kakeru翔グランプリ」って“定期考査”みたいなところがあります。2カ月ごとにどれくらい勉強したのか、切磋琢磨できたのかが試される舞台ですね。

稲継 僕にとっては「Kakeru翔グランプリ」って常に近い目標で、総合1位を獲れたとしてもまだまだ追いかけていくものです。常に高い順位を獲っていくということにこだわっていきたいですね。

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7時間に及ぶバトルの総合1位は例えば炎!

第一部、第二部合わせておよそ7時間に及ぶバトルの結果、総合10位までは以下の通りになりました。

1位:例えば炎(タキノルイ、田上)
2位:電気ジュース(福沢葉、藤本もふ)
3位:オニイチャン(府上ふが、こんちゃん)
4位:cacao(高橋、浦田スターク、たっぺい)
5位:シカノシンプ(北川、ゆのき)
6位:ジョックロック(福本ユウショウ、ゆうじろー)
7位:釈迦虎(岡本峻、久保バトル泰志)
8位:あんよの日(やまち、朱海)
9位:シスター(井坂ひ孫、週末)
10位:タイムキーパー(ひでき、まついあきら)

目まぐるしく変わる順位、キラ星の如く現れるニューフェイスに出会えるのがこのバトルの醍醐味です。2カ月に1回行われる「Kakeru翔グランプリWEST」をこれからもお見逃しなく!

出典: FANY マガジン
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『Kakeru翔グランプリWEST』は6月14日(土)23:59までオンラインで見逃し視聴ができます(チケット販売は同日正午まで)。その期間の好きなタイミングでFANYIDメンバーは24時間/プレミアムメンバーは72時間、見逃し視聴をお楽しみいただけます。

FANYオンラインチケット(配信)はこちらから。

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