これまで世界31ヵ国109都市で英語落語を披露してきた落語家の桂かい枝が、8月2日(土)に大阪・フェニーチェ堺で「鳳凰亭落語シリーズ」の特別編として英語落語会を初めて開催します。7月4日(金)に開かれた取材会では、かい枝が今回の寄席の見どころをアピールし、英語落語への思いを語りました(写真は芸人カメラマンの番長・長居蒼季が担当しました!)。

英語で小噺10連発とネタ2本を口演
1998年に海外公演を始めたかい枝は、これまでにNHKの英語講座に出演したほか、英語の教科書にも取り上げられています。
フェニーチェ堺の「鳳凰亭落語シリーズ」は、2019年のこけら落としから続いているもので、人気落語家による寄席企画を5年間で32回、開催してきました。これまでに4回出演したかい枝は、こう語ります。
「フェニーチェ堺は本当に落語がやりやすく、劇場の大きさも落語に適していると思います。クラシックをお聞きになる方が多いのか、文化レベルが高そうなお客さまが多いので、いつも気合を入れてやらせていただいています」

かい枝自身が「いつか英語落語会をやりたい」と思っていたところ、ファンから同様のリクエストがあったことから、「大阪・関西万博で盛り上がるいまこそ英語落語を!」と開催が実現しました。今回の寄席の見どころを、かい枝がこう語ります。
「『鳳凰亭シリーズ』は日本のお客さまを中心にやらせていただいている会なので、“今回はちょっと趣向の違う英語で笑ってみませんか?”という感じのアプローチでやろうと思っています。初めて落語を聞くお客さまはもちろん、お子さまにも楽しんでいただけるよう、『アンダー25チケット』も設定していただきました。夏休みなので、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、お子さんが一緒に来て、お子さんにはちょっと背伸びをしながら英語落語で笑ってもらって、“英語落語は面白いね”、“落語は面白いね”と思ってもらえたら」

プログラムは、かい枝による落語の解説、小噺10連発、そして2本のネタ「動物園」「いらち俥(ぐるま)」を英語で口演します。ゲストの2人について、かい枝はこう紹介しました。
「東京から三遊亭好楽師匠のお弟子さんであるスウェーデン人落語家の三遊亭好青年さんに出ていただいて、『寿限無』と『時そば』を英語で披露していただきます。また、ラッキー舞さんの太神楽もあります。彼女も英語で解説しながら大神楽をされていて、海外公演もよくご一緒しています」
海外公演で“進化”してきた英語落語
かい枝は、2008年に1年かけて全米ツアーを敢行。2014年には世界最大の芸術祭「エジンバラ・フェスティバル・フリンジ」で1カ月のロングラン公演を行い、最高評価の五つ星を獲得するなど、30年近くにわたって実績を積んできました。
“引き”や“間”を重視する日本文化と、主張が強い押しのアメリカ文化の違いに翻弄されることもあったと振り返ります。
「アメリカ人が喜ぶやり方と、日本人が喜ぶやり方は全然違うんですよね。それをようやく使い分けられるようになりました。『落語』と『RAKUGO』の違いは絶対的にありますが、今回はその中間あたりで口演できたらと思います」

披露する噺のひとつ「いらち俥」も英語落語ではオチを変えているとか。海外公演では、観客からアドバイスを受けることも多かったと語ります。
「“こんなギャグを入れたらどうや”とか教えてくれるんですよね。現地のお客さんやスタッフにアドバイスもらいながら、英語落語も変化してきました」。
最後に今回の落語会について、こうアピールしました。
「英語が好きな人も楽しめますし、落語が好きな人も英語で落語をやったらどうなるんだろう? という楽しみ方もあると思います。もちろん外国人の方にも十分楽しんでいただけますし、お子さんも楽しんでもらえる。欲張って、みんな楽しんでくださいねという、そんな会です」

公演概要
「桂かい枝 英語落語会」
日時:8月2日(土) 14:30開場/15:00開演
会場:フェニーチェ堺(大阪府堺市堺区翁橋町2-1-1)
料金:一般 3,000円/U-25 2,000円(全席指定税込み)
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