ロバート・秋山竜次がさまざまなクリエイターに扮する企画「クリエイターズ・ファイル」が、10周年でYouTube登録者数100万人達成、かつ生み出したクリエイターが100人超えを達成! これを記念した「ロバート 秋山竜次 presents 10周年 クリエイターズ・ファイル 胸やけ大博覧会 in 池袋」が、8月8日(金)~9月1日(月)まで池袋PARCO 本館7階 PARCO FACTORYで開催されます。今回、秋山自身に、このイベントへの思いや10年の道のりについて話を聞きました。

今回のイベントは、2017年~2018年にかけて全国10都市で開催し、累計25万人を動員した展覧会「ロバート 秋山竜次プレゼンツ クリエイターズ ・ファイル祭」の強力パワーアップ版。体感型エンターテインメント展覧会として、会場でしか見ることのできない展示物や撮り下ろしの映像、これまでに登場した100人を超える全クリエイターが勢ぞろいする狂気の部屋、その他、“胸やけ”必至の濃厚でクリエイティブな数々の展示が目白押しです。
期間中は、人気クリエイターが続々登場する“恒例イベント”も開催予定のほか、人気アートディレクター・吉良進太郎氏による展覧会キービジュアルがあしらわれた記念グッズや、アパレル・雑貨・出版物などのクリエイターズ・ファイル公式グッズも販売されます。
「マジでしつこい!」となるくらいのイベント
――「胸やけ大博覧会」は、どんなイベントですか?
2017年にパルコさんとやらせていただいたイベントから、さらにパワーアップしています。前回だけでもすごかったのに、今回はさらにすごいので、もう胸やけするんじゃないかということで、このタイトルをつけさせていただきました。
今回は、ただ見るだけじゃなくて体感型となっていて、遠近法でしか仕事を受けない「児童劇団えんきんほう」の上杉みちくんと一緒にお芝居ができたり、トータル・ファッション・アドバイザーのYOKO FUCHIGAMI先生の専属モデルになれるランウェイを作ってみたり、とにかくいろんなことを考えています。


前回はクリエイターたちと触れ合う機会がありましたけど、今回も、もしかしたら誰か来るかもしれません。ただ、1回しかやってないクリエイターもたくさんいるんで、正直、動画を確認しないと喋り方がわからないクリエイターもいます(笑)。
――前回よりも、かなり盛りだくさんになっていますね。
覚悟して来ていただかないと「マジでもうしつこいんだけど!」ってなるような気もします。事前に胃薬を飲んでおいたほうがいいんじゃないかな、と思うくらいです。「クリエイターズ・ファイル」を見ていただいた方への感謝と、10年分の思いが詰まったイベントですので、ぜひこの夏休みに来ていただきたいですね。
半端ではないスタッフの連携プレー
――この10年を振り返っていかがですか?
準備とか、「どうやって形にするんだ?」とか、(まわりのスタッフは)大変だと思いますよ。僕が「これをやりたい」と言ったら、スタイリストさんやメイクさんが、いちばん頭を抱えますからね。たとえば「犬になりたい」って言ったら、「え……? 犬とか言い出してるんだけど」みたいな(笑)。

特殊メイクのチームではないので、ホームセンターにあるものや、いろいろなものを組み合わせて完成させるのはすごいし、僕もなんとか犬に見えるように演じるので、その連携プレーは半端じゃないですね。10年もやっていくうちに、汲み取っていただける速度も上がって、僕がやりたいことを言ったら、「なるほど。じゃあ、あれだな」と用意してくれるようになりました。
――まさに精鋭が集まっていると。
先日はミイラになったんですよ。もちろん、このままだとミイラに見えないから「史上もっとも肥えたミイラ」ということにして。メイクさんもカサカサ感を出すために顔にティッシュみたいなものを貼り付けて……と、文化祭のようにみんなで作り上げています。
以前、透明すぎて目視できない17歳の清純派女優・藤原采をやったんですけど、どう考えても僕はオッサンなんで、透明感ある17歳に見えるわけがないんですよ。でも、カメラ、衣装、メイク、いろんな技術を組み合わせてやっていると、100枚に1枚、奇跡的に17歳の透明感ある女優に見える写真が撮れるんです。
1枚でもサムネイルになりそうなやつが撮れたら、こっちのもんです。数秒間に1回、それを動画に出しておけば、自然とそう見えてきますからね。大変ではありますけど、みんな楽しんでやってくれますし、趣味に近い部分もあります。

「大型犬」のときはロケで本物の犬に吠え倒された
――どんなキャラクターが人気なのでしょう?
やっぱり女性キャラクターが強いですかね。再生数の上位にいるのは、ウエディングプランナーとかYOKO FUCHIGAMI先生とか寮母さんとか、なんなら熟女系が強いです。僕も熟女好きなので、熟女系に扮装したときに、リアルな感じが出るんですかね。
――113のクリエイターをやってきたなかで、印象に残っているのは?
何人かいますけど、世界一クリエイティブな大型犬・ロルフくんだと思います。(モップのような毛でおおわれているため)暑いですし、正直、正解も見えていないんですよ(笑)。リハーサルもなくて、当日扮装して、鏡の前で「あ、これが完成系なんだ」と理解する感じ。おしゃれな犬のイメージと、大型犬の「ハッハッハッ……」という息遣いがやりたい、というのを軸にしているので、何が正解かわからないなかでも、一生懸命やりました。
撮影中、本物の犬も来たんですけど、犬からしたら一発で偽物だとわかるから、すげえ吠え倒されました(笑)。それでも僕は犬でいくし、犬に犬と思われたいんで、折れずに犬として振る舞っていましたね。

あとは二度寝のプリンセス、スヌーズ姫ですね。ディズニープリンセスみたいなことをしたくて、架空のテーマパーク「KOSHIN-ETSUファニーワールド」をつくりました。この男(秋山)が「プリンセスをやりたい」というわけですよ。(スタッフは)「プリンセス!?」ってなりますよね(笑)。
早急にいろいろと集めたんですけど、現場でドレスが入らないことが判明して。1着しかないし、どうするのかと思ったら、スタイリストさんが緊急オペみたいにドレスの後ろをハサミでバッサリ切って、端と端を紐でつないでくれて、背中丸出しの状態でやりました(笑)。そんなハプニングもしょっちゅうですけど、ゲラゲラ笑いながら、やっていくのが楽しいですね。
TORIMAKIサービス・白木善次郎もそうです。もともと、自分の中で思ってたことなんですけど、ミュージシャンの方や歌姫にたくさんの取り巻きがいるのを見て、なにかネタにできないかなと思っていました。

そこで「じゃあ、プロの取り巻きがいる」ってことにすればいいんだと。白木は、日本初のプロの取り巻きで、若手を育成するために取り巻きの養成所を作ってる。白木の会社にある巨大モニターには、歌姫のいる場所が表示されていて、そこに何人取り巻きがついてるか全部データで確認できる。だから「この歌姫の取り巻きが少ない」とわかったら、すぐ派遣する……みたいなことを考えて動画にしています。そうやって、入り口は、細かい自分のネタから入ることもありますね。
再生回数はあまり意識していない
――10周年を迎えた「クリエイターズ・ファイル」ですが、今後について教えてください。
ある程度の職業はやっちゃってるんですよね……。一応、初期はサウンドクリエイターとかCGクリエイターとか、クリエイター縛りでやってたんですけど、もうとっくの昔に崩れました。
――(笑)
いまは、何億円も騙している詐欺師とかやっていますけど、そんな人はクリエイターじゃないし、ただ自分が扮装したいだけですからね。


2024年に大河ドラマ「光る君へ」に出させていただきましたけど、そのときから幅姫というキャラクターを考えていて、ずっとやれねえかな? と思っていました。ただ、放送中にやって本編に迷惑がかかると申し訳ないから、スタッフの皆さんに「近々やるんで」というのは言い続けていて。終わって半年後、やっと出せました。もう迷惑かかんねえだろと(笑)。
幅姫みたいなことだと、まだいくらでもありますからね。今度は深海魚とかもやりたいし(笑)。このほかにも、携帯にメモしているやつとか、思いつきでやるとか、寝かせているやつもあるし。ずっとそのスタンスなんで、たぶん、それは今後も続くと思います。なかには「再生されないだろうけど、やりたいから出そう」というのもあるんですよ。
もちろん、再生回数も大事ですけど、正直、そこはあまり意識していないですかね。チャンネル登録も、週に1回とかやればもっと増えたかもしれないけど、マイペースで、面白さ優先でやってきたのはありますね。
文・写真=浜瀬将樹

「クリエイターズ・ファイル」公式サイトはこちらから。
YouTubeチャンネルはこちらから。
展覧会概要
ロバート 秋山竜次 presents 10周年 クリエイターズ・ファイル 胸やけ大博覧会 in 池袋
日程:8月8日(金)~9月1日(月)
会場:池袋PARCO 本館7階 PARCO FACTORY
入場料:一般 1,200円/中高生 1,000円/小学生 700円/未就学児 無料
※入場特典付き(詳細は後日発表)
主催:PARCO