公益財団法人大阪産業局イベントで世界を目指す若者たちに田村淳がエール! 「自分も芸能の仕事だけだと成長がないと思っている」

日本から世界を目指す若者に向けて最先端テクノロジーや人材育成を語り合うイベント『KIDOU Global Conference』が、7月21日(月・祝)にグランフロント大阪 ナレッジシアターとBlooming Camp さくらインターネットで開催されました。公益財団法人大阪産業局が主催するこのイベントは、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の『未踏IT人材発掘・育成事業』とタッグを組んで、学生や若手IT人材のためのセッションを提供。ナレッジシアターで行われたStage Programでは、田村淳がモデレータとして登場し、若者の挑戦についてスペシャリストとトークを繰り広げました。

出典: FANY マガジン
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「グローバルに働くということ」

「未踏」とは、IPAが実施する突出した IT 人材の発掘・育成事業のこと。ITを駆使してイノベーションを創出する独創的なアイデアと技術を有する突出した人材=未踏人材を、積極的に発掘・育成しようという取り組みです。

開会の挨拶に立った、未踏IT人材発掘・育成事業プロジェクトマネージャーを務める、さくらインターネット株式会社代表取締役の田中邦裕さんがこう語りかけました。

「日本は、19歳の年齢での“社会を変える力”が世界でいちばん低い。日本の19歳は、社会が変えられないものだと思っているが、これは非常に悲しいこと。起業しなくてもいい。本当にやりたいこと、社会を変えられると思えるようなことを見つけられれば、それが人生の幸せ。大きな成長、大きな変化を楽しむ方こそ、ぜひ『未踏』に、起業にチャレンジしてほしい」

最初のセッションは、「Make a Global Impact! 世界を変えるMITOU人材」と題し、田中さんが「未踏ジュニア」代表の鵜飼佑さんとクロストーク。先日、1年間のフランス留学から戻ったばかりの吉本新喜劇・曽麻綾がモデレーターとして加わりました。

出典: FANY マガジン
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「グローバルに働くということ」というテーマでは、海外で働くうえでの言語や文化、働き方の難しさなどが話題に。鵜飼さんが「最初は上司の話の2割しかわからないところから始まった」と自身の経験を振り返ると、カナダ育ちで日本語がほとんどしゃべれなかったという曽麻も「私は初めての面接が新喜劇のオーディションで、本当にしどろもどろだった」と苦笑いします。

鵜飼さんは、「日本ではわからないことをわからないまま進める文化があるようだが、(海外では)発言して議論に貢献していかないといけないと言われた」と語ります。

田中さんは、「シンプルに、海外に行くと『ぜんぜん違うんだ』ということがわかる。日本は海外に行ったことのない人が多すぎる。日本のパスポートならどこでもいけるんだから……」と、まずは世界へ飛び出すことを勧めました。

「未踏」について田中さんは、「海外へ留学したいという人には、たくさんのプログラムが用意されていて、チャレンジしやすい環境にある。大人の人たちも、それをまわりに伝えてほしい」と呼びかけました。

X(旧Twitter)やUberの出発点「SXSW」とは?

出典: FANY マガジン
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続いてのセッションは「From Here to the Global Stage! 世界が君たちを待っている! グローバルカンファレンスへの道」です。アメリカ・テキサス州オースティンで毎年3月に開催される、映画や音楽、ビジネスが融合したイベント「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」について、SXSW Japan代表の宮川麻衣子さん、SXSWに参加した未踏修了生の鷲見直さんと水野史暁さん、そしてモデレーターの淳が語り合います。

SXSWは1987年に音楽祭として始まり、これまでX(旧Twitter)やSiri、Uberといったテック系スタートアップの革新サービスが、ここで注目されたのを機に一気に飛躍したことで知られます。いまではのべ30万人が参加する一大イベントになっていて、次世代型コミュニティメディア「XU(クロスユー)」を立ち上げたばかりの淳は「ぜひ取材に行きたい!」と興味津々です。

宮川さんは、日本からSXSWに参加する人たちのサポートや広報活動を担当しています。水野さんは遠隔での映像伝達システム、鷲見さんは内視鏡のトレーニングシステムという、それぞれの研究プロジェクトをひっさげてSXSWに乗り込んだとのこと。来場者の反応や、出資者とのマッチングなど、現場でのリアルなエピソードをに加え、実際のプレゼン風景の映像も紹介されました。

淳が「日本のスタートアップの方は、SXSWを経由していくことに大きな意義がありそう」と語ると、水野さんも「世界でスタートアップをされている方も、意外と自分たちと変わらないんだなと自信がついた」と振り返ります。一方、鷲見さんからは「最終的なビジョンがないと難しい。相手の心をつかむ説明をしないといけないので、そこを伝える努力が必要と痛感した」という意見も出ました。

宮川さんは「SXSWは世界でいちばん登竜門として出やすいところ。(行くための)おカネは、行政やSXSWに行かせたいと思っている大人も多いので、マッチングさせることもできる」と語り、「若い人はSXSWに行くことで人生が変わる。みなさんが気軽に来れるような場所にしたい」と力を込めました。

淳「ワクワクが多分につまっている」

出典: FANY マガジン
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この日、最後のセッションは「Connect Beyond Borders! どう世界につなげるか? 育成・連携・越境のリアル」。引き続き淳がモデレーターを務め、未踏アドバンスト事業プロジェクトマネージャーでウルシステムズ株式会社取締役会長・一般社団法人Generative AI Japan発起人理事の漆原茂さん、一般社団法人ベンチャー・カフェ東京エグゼクティブ・ディレクターの小村隆祐さんとともにトークを展開しました。

まずは「グローバルに活躍する人材を育成するためには何が必要か」をディスカッション。小村さんは大学を卒業して日本企業で働いたあと、起業家教育で全米トップクラスとして知られる米バブソン大学に留学して得た貴重な経験を語りました。

一方、「自分の根っこはバリバリのエンジニア」と言う漆原さんはこう話します。

「技術屋が社長をやるのはクレイジーだと言われていた時代に起業した。そういう素養を持っているエンジニアが、実は日本にもゴロゴロしている。やりたいんだけど、どうしたらいいかわからない人がいる。気づいていない人は、ぜひ未踏プログラムに応募してくだされば」

出典: FANY マガジン
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トークでは「コミュニティにはセーフティネット的役割もある。職場以外にコミュニティを持つことが大切」「挑戦も失敗も助け合うのも当たり前。安定的な考え方をむしろ排除する」といった意見も。淳は「僕も安定志向ではないので、違う場所に身をおきたい、芸能の仕事だけだと成長がないと思っている。ある種、挑戦だしワクワクが多分につまっている」と語ります。

また日本のコミュニティの閉鎖性について、漆原さんは「明らかに光は差している。未踏プログラムはもう25年間やっている。こうした人たちが、いまはマジョリティにはなり得なくても、累積していずれマジョリティ側になればいい」と熱弁。

小村さんは「経団連や経産省、文科省、内閣府がスタートアップをやろうという大きな動きが生まれている。東大出身でもスタートアップで働くのは当たり前になってきていて、うねりは大きくなっている」と語りました。

エンディングの質疑応答コーナーでは、客席の若者から「いままで海外にあまり興味がなかったが、行ってみたくなった」という声も飛び出し、大きな拍手に包まれながらイベントは終了しました。

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