カナダ出身の桂三輝“浅草定期公演”が大盛況! 子どもから外国人まで大笑い「世界中の人が気軽に落語を味わえるようにしたい」

カナダ・トロント出身の落語家・桂三輝(かつら・さんしゃいん)による月に1回の定期公演が、7月30日(水)に東京・浅草の木馬亭で開催されました。この日の『桂三輝落語会 7月公演ーJuly Showsー』で三輝は、夏休みの子どもや外国人のお客さんを前に日本語で創作落語を披露。終了後に三輝を直撃して、定期公演への思いや、最近移住した浅草の魅力についてインタビューしました。

出典: FANY マガジン
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ニューヨーク公演以外は毎日浅草でやりたい

三輝は、2008年に桂三枝(現:六代桂文枝)のもとに入門。日本のみならず、アメリカやカナダ、イギリスなど世界ツアーを行って、落語の魅力を世界に発信しています。

今年1月からは月に1回、木馬亭で1週間の定期公演を開催。通常は、インバウンド向けに英語落語を披露する挑戦的な公演ですが、この日は、日本語での落語会ということもあり、子どもから年配の方、外国人と幅広い層のお客さんが足を運びました。

三輝は、マクラで毎月開催している今年で6年目のニューヨーク公演のことや、日本とアメリカの文化の違い、大阪に住む人たちのユニークさなどを軽妙に語ります。そして、三輝の弟子や、自身が弟子だった時代のことにも触れたあと、練りに練られた圧巻の創作落語を口演。客席は爆笑の渦に包まれました。

出典: FANY マガジン
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公演終了後、桂三輝に話を聞きました。

――木馬亭で毎月1週間の定期公演をやろうと思ったきっかけを教えてください。

日本には、インバウンドや仕事で、世界中から毎月何百万人もいらっしゃるじゃないですか。月1日の公演は2年ほどやっていたんですけど、1日だとスケジュールが合わせづらい。そこで、長くやれば、たくさんの人が来てくれるんじゃないかと思ったんです。

――外国の人たちが落語に触れる機会があるのは素敵なことですね。

2026年はもっと公演を増やして10日間とか2週間とか、長期間やるつもりです。理想は、ニューヨーク公演の日以外、毎日、木馬亭でやることです。

――英語落語の日に日本のお客さんもいらっしゃいますか?

英語がわかる日本人の方も来てくれます。そして日本に住んでる外国人の方が、年間パスを購入し、何度も来てくれることもあります。

出典: FANY マガジン
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浅草は「ザ・日本」を感じられて大好き

――本日は日本語での公演でしたが、反応はどうでしたか?

基本は英語落語の公演で、1週間のうち1日は日本語でやる日を設けているのですが、今日もいろいろな方が来てくれました。お客さま、すごくよかった。明るかった! 

――最近、浅草に引っ越ししたそうですね。浅草はどんな街ですか?

毎月浅草で公演をやるんだったら、外から来るのではなく、浅草の人間としてやるのが大事だと思って、先月引っ越してきました。浅草は最高ですね! 住んでみて実感しましたけど、下町は温かいし、(以前住んでいた)大阪に近い雰囲気があります。外国人もいっぱいいるけど、「ザ・日本」を感じられて大好きです。

出典: FANY マガジン
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――ニューヨーク公演も行っていますが、日本人と外国の人とで笑うポイントは違いますか?

落語は万国共通です。まったく同じ内容の落語をしているんですけど、反応は変わらないですね。ただ、ブロードウェイの劇場で英語落語をやっていると、日本人の方が「この言葉とこの言葉をかけている」と理解して先に笑うことがあるんです。アメリカ人は「なぜ笑ってるの?」と楽しみにしていて、僕が説明をした途端にドカンと笑いがくる。そういう遊びもできるから、すごく楽しいですね。

――落語家として今後の目標を教えてください。

私たちがプロデュースしている木馬亭の公演とニューヨーク公演を成功させたいし、それぞれの公演数をもっと増やしたいです。そのためにも、もうちょっと頑張らないといけないな、と思いますね。あとは、世界中の人が気軽に落語を味わえるようにしたい。Netflixで落語の配信にも挑戦したいです!

出典: FANY マガジン
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公演概要

【8月の浅草木馬亭落語会】
Friday August 22・2pm 7pm
Monday August 25・2pm 7pm
Tuesday August 26・2pm 7pm
Wednesday August 27(Japanese Show)・2pm 7pm
Thursday August 28・2pm 7pm

詳細はこちら:http://www.rakugo.lol/tokyo