「バレエ大好き!」のフレーズでおなじみの“バレリーナ芸人”松浦景子による公演『けっけバレエvol.2~ガニ股の大暴走~』が、8月28日(木)に東京・目黒パーシモンホールで開催されました。第2弾となった今回も実績のあるバレリーナが集まり、ゲストの人気芸人たちと熱演! 吉本新喜劇で培ったお笑い力に、クラシックバレエの魅力を“マリアージュ”した松浦オリジナルのコメディに、会場から大きな笑いが起こりました。

“バレエあるある”を舞台化
松浦オリジナルの『けっけバレエ』は、お笑いと本格バレエを融合した日本初のコメディバレエ公演です。昨年10月、東京と大阪で開催された初公演のチケットは即日完売。再演を希望するファンの熱い声援に応えて、今回の公演が開催されました。
8月23日(土)に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで開催された大阪公演には、ゲストとしてアキナ(山名文和、秋山賢太)が出演。この日の東京公演には、ゲストのジャルジャル(福徳秀介、後藤淳平)、そして大阪公演に引き続きバンビーノ(藤田ユウキ、石山タオル)が登場し、松浦やプロのダンサーたちとともに舞台を盛り上げました。
開演前に松浦が公演についてアナウンスします。
「この公演は完全なるバレエ公演ではなく、コメディバレエ公演ですので、どれだけダンサーのつま先が伸びてなくても、いっさいクレームは受け付けません。そして足が高くきれいに上がっていなくても、いっさい返金は受け付けません。SNSでバレエ評論するには対象外の公演となっております。ダンサーが素晴らしいパフォーマンスをした際のたくさんの温かい拍手、ご声援、笑い声は大歓迎でございます!」

まずは、『ライモンダ』の曲に合わせて、ダンサーたちが踊りながら登場。松浦が登場すると、客席からいっそう大きな拍手が起きます。最後は「バレエ大好き!」でおなじみのポーズを全員で決め、華々しく幕開けしました。
続く、「先生 vs 生徒」は松浦のYouTubeチャンネルや書籍『バレエあるある』でおなじみのキャラクターを舞台化したお笑い要素強めの演目です。
バレエ教室の先生と生徒のやりとりをコミカルに表現したもので、松浦は熱心なあまりに感情的になり過ぎてしまう先生を熱演。「休憩なのに休憩させないバレエの先生」「とにかく付いてくるバレエの先生」などを面白おかしく表現しました。

圧巻のラインダンスでフィナーレ!
「アイドルの推し活」では、『ラ・バヤデール』2幕「ブロンズアイドルの踊り」をモチーフに、松浦が思う理想のブロンズアイドルを表現。パフォーマンスの中に“推し活”のうちわを盛り込むなど遊び心満点です。
「花の誘い?!」は松浦が以前からやりたかったという念願の演目で、『薔薇の精』という知る人ぞ知るバレエ作品をオマージュしたもの。自分が持っている1本の薔薇の香りで眠りについた少女が夢の中で踊るというのが本来の内容ですが、このステージでは花を複数本にしたことでいろんな花の精だけではなく、虫まで出てきてしまい笑わせます。


幕間には、松浦から出されたクイズにバンビーノが答えるコーナーも。出題された「シャンジュマン」というバレエ用語にバンビーノの2人は戸惑うばかり。客席から次々と出されるヒントをつなぎ合せて、最後に藤田が正解を導くと大きな拍手が起きました。
前半最後は『眠れる森の美女』3幕。本来は男性ダンサーが見せるパフォーマンスを、女性の松浦が黒子の手を借りながら華麗に踊り、笑いに包まれながら休憩に入りました。


後半最初の演目の「初めてのバレエ」は、第1回公演で大好評だったシリーズの長編バージョンです。「白鳥の湖」2幕をモチーフに、友人と2人でバレエ観劇に訪れた男をジャルジャル・後藤が演じ、後藤と見るはずだったのになぜか出演者としてステージに登場する男をジャルジャル・福徳が担当。
演目の中でバンビーノが“ダンソン”を披露すると、観客から待ってましたとばかり大きな声援と拍手が起きます。その後もハッピ姿のダンサーが和太鼓を披露するなど、松浦らしさの詰まったステージに観客は大喜びです。



「男性技オンパレード」の演目では『ドン・キホーテ』3幕 から「コーダ」に合わせて、男性ダンサーによる迫力あるパフォーマンスを披露。会場が高揚するなか、最後は第1回公演同様、トゥシューズを履いたバレリーナによる圧巻のラインダンスで幕を下ろしました。
吉本新喜劇仕込みのフリとボケをダンサーたちが身体を使って表現することによって、言葉がなくとも面白さが伝わるのがこの公演の魅力。バレエに精通しているファンだけでなく、バレエに詳しくない観客も松浦による演出に魅了され、大いに笑うエネルギッシュな公演になりました。
