「初心に戻った気持ちでリベンジだ!」涙の初単独から20年、円熟のグランジ3人「本当の関係性」をしずる×ライス田所が聞き出す!

グランジ(五明拓弥、遠山大輔、大)の結成20年周年単独ライブ『グランジ上京物語2025』が、10月11日(土)に東京・ルミネtheよしもとで開催されます。漫画家ごめたんとして「カーシェアグルメドライブ」などを執筆する五明、ラジオで活躍する遠山大輔、椿鬼奴の夫でありボートレース芸人としても全国を飛び回る大。個々での活動が増えるなか、5年ぶりに単独ライブに臨む理由とは。公私ともに親しい後輩であるしずる(池田一真、純)とライス・田所仁も集まり、グランジのこれまでとこれからを語り合いました。

出典: FANY マガジン
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5年ぶり単独のきっかけはマンボウやしろ

──まず、みなさんの関係性から教えてください。

田所 グランジさんは先輩なんですけど、本当にお世話になっていて。五明さんとは年に1回、旅行に行っていたり、大さんには若手のおカネのないころにお酒をいっぱいおごってもらったりしていたんで。

 仁(田所)もそうだけど、一真(池田)も純も、劇場とかで一緒にやってきた後輩ですよね。

 僕もそれぞれ違う部分でというか、遠山さんには、奥田民生さんとかユニコーンとか音楽つながりで。五明さんとは中本(蒙古タンメン中本)、大さんとは酒ですね。家も近いし、奴さん(大の妻・椿鬼奴)も一緒によく飲みに行きますよ。

池田 あれ? 遠山さんとは、なんか因縁があるんじゃないの? 

田所 そうそう、モメたって話は聞きましたけど。

 それね、オレは直接は言われてないんだよ。でも……正直、遠山さんとは距離を置いてますから。オレがいないところでなんか言っているっていうのが。オレはもう今日はケンカしに来てますから!

遠山 ……おい、池田! どうすんだこれ。こんなんでこれ読んで単独行ってみようとならないよ!

田所 そんな企画じゃないでしょ!

遠山 違うんだよ。関町(ライス)が焚きつけてきて、最初の火を点けてるから! そういうノリですから。楽屋とかでも「遠山さん、あれ聞きました?」って。

田所 でも、関町は遠山さんが目で「早く来い」みたいにしていると話してましたよ。

池田 「オレは準備OKだぞ」って(笑)。

 なので、今日は大さんと五明さん、2人のよさを話さなきゃと思ってます。

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──グランジさんは現在、それぞれの活動が中心になっていて。3人でネタをやるっていうのは久しぶりだと思いますが、開催の経緯を教えてください。

 大輔がまずやろうって言い出したんですよ。

遠山 オレは、もとから1年に1回はやっておいたほうがいいんじゃないかなって言ってて。でも、いろいろと仕事もあるし。せっかく、いま3人で各々やってて、ケンカなんて数年していないんだけど。単独やるってなると、どこのコンビでも毎日顔を合わせてやるってなるのが普通で。オレらは若手のとき、ケンカすごかったんですよ。それで疲れちゃうっていうのもあったし。

 大輔が「単独ライブどうだ?」っていうときは、オレと拓弥は「もういいよ」って感じで。大輔のラジオがいちばん忙しかったときに、「単独ライブやろう」と逆の立場だったのにね。ヒマになってきたから単独ライブやろうって言うもんだから。

遠山 いや、オレはラジオやってるときから言ってるよ! なんならオレは手売りもめちゃくちゃしたからね。それは訂正してください!

池田 ここは五明さんに聞いてみよう。

 そうだ、冷静な声を聞かせてもらおう。

五明 ……マジで言うと、単独は毎年やってた。

出典: FANY マガジン
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遠山 だよな! 年に2回とかやってましたから!

五明 単独ってやっぱり結構カロリーがかかるものだから、その後、それぞれバラバラになってきて。それで「もういいか」とやらなくなったけど、確かに遠山さんは「やろう」というスタンスではあった。でも、オレと大は「やる必要ないだろ、いま」ってなって。というのも、単独ライブをやったところで、結果が見えすぎてるなと。同じことになるのは面白くないなと思っていたからで。

池田 なら、なんで今回やることになったんですか?

五明 今回、マンボウやしろさんが「オレ、演出するからやろうよ」と言ってくれて。いままで単独ライブってさ、ネタをただやってみたいなのだったから「また同じことやんのか」っていうイメージになってたんだけど、「やしろさんが入ってくれるなら、新しいことできるんじゃないかな」と。

 いい、それは!

 やしろさんを引っ張り出してきたからね。

池田 え、遠山さんが頼んだんですか?

遠山 いや、やしろさんが「単独とかやんないの?」と。それで「バラバラに活動してるけど、オレは1年に1回は、単独ライブでトリオとして集まってやったほうがいいと思っている」と話したのよ。そうしたら、やしろさんが「五明とか大に個別に話をしてみるよ」と。

 そう、それで呑みに行って。

出典: FANY マガジン
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五明 そうそう、ぜんぜん別件で呑みに行って、したらその話になって。

池田 それって、言うの難しいかもですけど、断れない状況だったみたいな感じではなかったんですか?

五明 それは全然なかった。

 オレは最初は断ったよ。「やしろさん、そういうフェーズじゃないんです」と一度断った。3人で集まってバカやったって、需要がないじゃないですかと。でも結局、やしろさんとの付き合いもあるし、やしろさんが入るならと思って。それと、やっぱり板(舞台)が好きなのよ。ひとつの仕事だと偏ってくるから、自分の表現力の全方位っていう部分で舞台に立ってないと落ちてくるじゃない? だから、そこらへんもあったんだよね。

田所 ネタをやるのは好きってことですよね?

 そうそう、ネタやるのは好きだし。

後輩たちが語るグランジの好きなコント&漫才

──グランジさんは後輩からも慕われているイメージがありますが、後輩の3人から見てグランジさんの好きなネタや印象的な思い出などありますか?

田所 それこそ僕、最近、ピク兄(ピクニック)とも話したんですけど、グランジさんはKOC(キング・オブ・コント)の準決勝常連組で。

遠山 7年連続! 7年ね! 

田所 最後に準決勝に行ったとき、たまたま僕らも見たんですけど。爆弾処理のネタがあって。

遠山 2013年ね!

出典: FANY マガジン
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YouTube「グランジ BEST NETA LIVE」:https://www.youtube.com/watch?v=srXPV-7SQ4M

 あのとき、(決勝)行く感じ出てましたよね!

田所 あれ見てて、めっちゃウケてたんですよ。だから「あ、グランジさん、KOC行くの、今年なんだな」って。

 爆弾を起爆させないようにするネタなんですけど、客席の笑いが大爆発で。

一同 ふはははは(笑)。

 でも、あれで決勝いけなかったのはデカいですか?

 あれは確かに決勝行くと思ってた。

池田 2年ぐらい連続で準決勝でめっちゃウケてませんでした?

遠山 それが2013年で。ウケもすごかったから、絶対に(決勝に)呼ばれると思って。呼ばれたとき、コメントは誰が話すかまで考えてたのよ。だから、行けなかったのが本当にしんどくて。それでその次の年こそはと新ネタライブをめちゃくちゃやって。そのなかで、どこでやっても100%ウケるネタができたんだけど、それもいろいろあって決勝行けず。

五明 でも、突き抜けていたら決勝行ってたはずだからね。

田所 それでいったら、2013年の爆弾のネタのときは突き抜けていた感じしてましたけどね。だから、グランジさんもネタの人っていうイメージですよね。

 M-1もグランジさんはめちゃくちゃオモシロかったですからね。3人の漫才はめっちゃオモロイ。他にない。オレ、じゃんけんとか大好きです。

出典: FANY マガジン
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YouTube「グランジ BEST NETA LIVE」:https://www.youtube.com/watch?v=kdTRnG5nY7c

遠山 漫才では、オレと五明も舞台からはけたりとかもしてるし。大もスタンドマイクを手持ちで持ったりしてますからね。

 古き良きというか、賞レースがまだ神格化されてなくて考察とかもない、それぞれが面白いことをっていう時代で。

笑顔が戻ってきた五明、その理由は!?

──今回、やしろさんが演出に入ったことで、これまでの単独ライブとは違う変化がすでに準備段階でも生まれていますか?

遠山 ネタは僕らがやっているんですけど、それ以外のところでやしろさんがかかわってくれているので、とにかくいろんなことが早いです。「どういうのがいい?」ってこちらの意向を吸い上げてくれて、「なら、こうしてみようか」とか。大の特性はこれだからこうしたらいいんじゃない? とか。めっちゃ早いです。

 あとは、拓弥に笑顔が返ってきましたよ(笑)。

一同 (笑)

田所 それまで笑顔忘れてたんですか?

 それはめっちゃデカいですね。

遠山 みんな待ってたからね。

出典: FANY マガジン
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五明 僕らたぶん、3人で何かやるのは向いてないんですよ。考え方がみんな全然違うし、人間性も違うし。誰かになんか言われたほうがやりやすいんだと思います。しかも、それがやしろさんっていうのがいいんでしょうね。僕らより後輩だと「いやいや」とか言っちゃうけど。

 日本人なんですよね、感覚が。集団を司る人がいて、初めて機能するんです。

池田 グランジさんから、グランジさんへのこだわりが感じられなくなったから良かったんじゃないですか? いい意味で、グランジっていうものを誰かにゆだねたというか。

 なるほどね、そのグランジへのプライドをね。

池田 スゴイわかるんですよ。オレらもそうだから。オレらも2人では壊滅的なので。

一同 なんでだよ(笑)。

 でも、言っていることはわかります。コンビとかトリオの理想を抱いてしまうと、相手にもそれを求めてしまう。でも、理想が重なる部分ってなかなかない。いい歳になってくると、そこら辺にこだわるよりも生きていくほうが大事だから。

五明 でも、しずるはコンビやっている意味があるじゃん。コンビでの活躍がメトロンズ(しずる、ライスらでつくる7人組演劇ユニット)に返ってくるわけだから。

 そうなんですよ。だから、グランジさんにメトロンズみたいなのがあったら、また変わってくると思います。そういうユニットが定期的にあったら、グランジだけでない、風通しの良さがある場所があるから。

池田 いや、オレはグランジさんは逆だと思う。単独をやって、お客さんに来てもらって、それぞれの個別のことが気になって、個別の活動にお客さんを呼んでいくという流れ。だから、個々でやっていくトリオだと思います。

 確かに、それぞれのファンが来て、ほかの2人の活動を知るっていうのがいいですよね。

五明 クマを見に来たけど、ゾウも面白いぞって。

池田 そうそう。3人という塊で考えなくてもいい。あと、グランジさんはいい意味でプライドに固執せず、柔軟に変えられたっていうのがすごい。だから、やしろさんが入ったときにもスムーズにまわっている。オレだったら絶対に入れないです。なんで従わないといけないのかってなる。だから、本当の意味で優しい3人なんでしょうね。

出典: FANY マガジン
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 一真の言うとおりで。僕の考え方は、グランジって屋号で。コロナもあって、名前だけは残しているけど、ラーメンショップと一緒で。チェーン店の名前だけど、やってるのは個人経営。グランジって名前を残しているから、自己紹介でも「グランジ・大です」というんですけど。ひとつイヤだなってのが、ラジオで、大輔が「グランジの遠山大輔です」というときと、「遠山大輔です」と使い分けているんですよ。

遠山 それも優しさだよ! 台本に書いてあるのをそのまま言ってるだけよ。

田所 そこに「グランジの」って、つければいいじゃないですか。

 そもそもグランジって名前をつけたのは彼(遠山)なんですけどね。

 大さんはなんてコンビ名がよかったんでしたっけ?

 オレは「パワートゥーザピーポー」がよかった。

池田 危なかった(笑)。グランジでよかった。

五明 それを言うなら、僕はグランジになんの愛もないので。もともと2人がグランジで、そこに僕が入ったので、グランジっていうものへの愛は本当になくて。

 それを言うなら、オレも大輔が組んでたコンビにあとから入ったから何のこだわりもないですよ。

出典: FANY マガジン
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五明 そんな感じなのに、この前、僕らのことをあんまり知らないスタッフさんで、サンプラザ中野くんと同じ感じで、僕のことを「グランジ五明」っていう人だと思っているらしい人がいて。ずっとグランジさん、グランジさんって言われてた(笑)。

 オレも一緒だよ。芸名がグランジ・大だと思われているから。どこに行っても「グランジさん」と。

 グランジに愛のない2人が、グランジと呼ばれて。名付け親である遠山さんがグランジの名前をはずすってことですね(笑)。

五明 そうそう。呼ばれてんだよ、こっちは!!

遠山 ……いい3人ですね!

成功の秘訣は3人が集まるペース!?

――グランジのよさは、一人ひとりは方向性がバラバラなのに、そのバラバラさがぶつかって爆発するというか、味になるというところかなと思います。

田所 そうなんです! (千原)ジュニアさんのYouTubeにグランジさんが出られてて、そこでも言っていたんですけど、結局、3人集まったときがいちばん面白いんだなって思いました。

五明 久しぶりだったっていうのもあるけどな。

 確かに、グランジ3人が集まるペースが大事なのかもしれないですね。

池田 結婚と似ているのかもしれない。

──ペースと、他からの人が入るという、グランジの法則からすると、今回の単独ライブは期待できそうですね!

 今度の単独ライブは若手の時代と違って、お客さんの雰囲気も全然違うと思うんですよね。そこが少し緊張感ありますけどね。昔からのファンはいても3分の1くらいで、20代の人はほとんど来ないんじゃないかと。

五明 でも、この間、バスツアーやったんです。

遠山 あの時代にやってたやつを久々にやったら面白いんじゃないかって。

五明 来てくれたお客さんの顔を見ると、「あのときに来てくれていた人たちだな」っていう方々が多くて、めちゃくちゃありがたかったんですけど。平均年齢にすると、確かに20代ではなかった。

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遠山 いまや結婚されて家族がいてっていう人も多いなかで、出かけるのも大変ななか、朝から来てくれて本当にありがたかったよな。

五明 そう! 朝8時に新宿集合で、都内をとにかくぐるぐる回って最後、お台場でバーベキューして夜22時にお台場解散。

遠山 しかも、天気の問題で、とんでもない豪雨の中でのBBQ(笑)。

 都内ぐるぐる回っているとき、皇居を9周くらいしたり(笑)。でも、そういう方々の強い関係性のなかでお笑いをさんざんやってきましたけど、今回はまた違うんだろうなって思います。

──では、最後に一言ずつお願いします!

五明 まず、20周年ライブなんで。なので祝ってもらいたいです。お祝い気分ということで、単独ライブという厳しい目で見ないでほしい。

 今回、僕らはほんとに初単独みたいな気持ちでいるので。

遠山 ……初単独ライブが思い出したくない涙の記憶ですからね。幕が閉まった瞬間に3人とも泣いたのは後にも先にもあれだけ。

田所 それがグランジさんだから、今回も幕閉まった瞬間に泣いてほしいですけどね(笑)。

遠山 単独終わりで泣きたくないなぁ。「めちゃくちゃやって良かったな」って最後に笑って泣きたいです。20年前のリベンジだ!

公演概要

グランジ結成20周年単独ライブ『グランジ上京物語2025』
日時:2025年10月11日(土)開場 18:30/開演 19:00
会場:ルミネtheよしもと
チケット:前売 4,500円/当日 5,000円

FANYチケット:https://ticket.fany.lol/reception/12010/13006

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