陣内智則、ムーディ勝山、ガンバレルーヤ(まひる、よしこ)の4人が、警視庁の「特殊詐欺被害防止」の広報大使に就任し、9月10日(水)に警視庁本部で委嘱式が行われました。この日は、4人が出演した広報啓発動画やオリジナルの楽曲も初披露。それぞれの体験談に笑いを織り交ぜつつ、特殊詐欺を防ぐ意気込みを語りました。

詐欺の被害額は史上最悪を更新中
SNSやビデオ通話を使って警察を名乗る詐欺や、オレオレ詐欺、還付金詐欺、ロマンス詐欺など、各種の詐欺による被害が増加の一途を辿っています。しかも最近は高齢者に限らず、幅広い年代が被害に遭っているそう。広報大使たちは「疑え!すべての電話を。」をキャッチコピーに、高齢者だけでなく、すべての国民に詐欺被害防止を呼びかけます。
まずは警視庁の鎌田徹郎副総監から広報大使の4人へ委嘱状が手渡されました。


鎌田副総監は、現在の特殊詐欺をめぐる状況について、“史上最悪の被害額”と言われた昨年の被害額を、今年8月末の時点ですでに大きく上回っているという非常に厳しい現実を明かしたうえで、こう力を込めます。
「被害を防ぐためには、具体的な手口やその対策について広く国民に知っていただくことが大切。そのためにも、大使のみなさんと一緒になって積極的に広報活動を行い、国民のみなさんに『もしかしたら自分も特殊詐欺の被害に遭うかもしれない』と感じてもらえるよう注意喚起を促していきたい」
続いて、吉本興業の岡本昭彦社長が挨拶しました。
「弊社は都内に劇場が数カ所あり、日ごろよりイベントなども多く開催しております。そこには子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで幅広い年齢層の方々が来てくださり、日ごろから支えていただいております。そんな方々のためにも、少しでも被害を未然に防げるよう、大使となった彼らを通じてみなさまへ啓発していければと思っております」

委嘱式で“渾身の警視庁ボケ”が発動!?
この日、お披露目された広報啓発動画では、ムーディが警察官を名乗る詐欺犯人、まひるが息子を名乗る詐欺犯人、よしこが還付金詐欺犯人をそれぞれ演じ、これら詐欺犯人たちからの電話を名探偵(?)役の陣内が次々と詐欺だと見破っていく姿が描かれます。
役にちなんで、ケープをまとって虫眼鏡を持つという探偵風の衣装で登場した陣内ですが、動画を観終わったころにはケープを脱ぎ、手にはなぜか虫眼鏡ではなくハンディファンが……。
陣内が「虫眼鏡じゃなくてハンディファンを渡されたんですけど、これは渾身の“警視庁ボケ”だと思います。僕がやったんじゃないです!(笑)」と必死に弁解する姿に、会場から大きな笑いが起きました。

さらに今回は広報啓発楽曲「No more サギ!!〜いきなりお電話 だいたいサギ〜」も披露。大使たちみんなで歌ったこの曲は、ときにラップ調だったり、ときに歌い上げたりと、全体的にコミカルな出来ですが、歌詞はしっかり“特殊詐欺防止”になるようなフレーズが耳に残ります。
楽曲について、陣内は「めちゃめちゃカッコよくて、ムーディの『右から左に受け流す』のリメイク版みたいな箇所もあるんで、TikTokとかでバズりそうなんですよ。だから若い子とかにSNSで発信してもらって、紅白とか……」と大きすぎる夢を語っていました。
まひる「友だちがロマンス詐欺に遭って…」
そんな陣内は、広報大使就任について「大役を任されて、身の引き締まる思いです」と恐縮しながら、自分自身の経験を明かします。
「僕自身、海外からの電話があったり、怪しいメールが来ることもあって。ただ、『広瀬すずです』みたいなメールが来ると、一般の人ならダマされないと思うんですけど、『あれ? ひょっとしてすずちゃん、俺のメアド知ってたんかな?』みたいに思ってしまうので、ちょっと引っかかりそうになってしまうんですよね」
さらに、「母親が一人暮らしなんで心配で、母親に『電話は疑わなあかんで』って言ったら、えらいもんで僕が電話しても全然出てくれないんですよ」とも話し、会場が笑いに包まれました。
よしこも「私も怪しい電話がかかってきたことがあります。片言の日本語を話す女性が『私、ラフィのワイフだけど、話し合おう』って。『私はラフィを知らないので人違いだと思います』って言って切っても、何度も何度もかかってきて……」と“経験談”を話しますが、陣内に「それ、ただの間違い電話ちゃう?」とツッコまれていました。

まひるは、高校時代の友だちがロマンス詐欺の被害に遭ってしまったそうで、「優しい人がその気持ちにつけ込まれて被害に遭っているのを目の当たりにして、まずは疑うことをしなきゃなって思いました。だから今日も、警視庁に入って中を案内されても、『この人ほんとに警視庁の人なんだろうか』と疑いながらここに来ました」と“膨らんだ猜疑心”を明かし、笑いを誘いました。
「自分は絶対大丈夫」が危ない
最後に、陣内が改めて意気込みを語りました。
「オレオレ詐欺とかもうみんな知ってるはずやのに引っかかってしまうということは、『自分は絶対大丈夫』とみんなが思ってるからだと思います。僕もそう思ってました。でもその思い込みが危ないんですよね。いつ誰に魔の手が伸びてくるかわからないし、僕らの活動によって少しでも詐欺被害が減るようにがんばります」
ムーディも、「僕もがんばりますので、みなさんもすべての電話は右から左に受け流して、詐欺に遭わないようにしてください」と、お馴染みのフレーズを使って呼びかけます。

すると、よしこも「いま、いちばん被害が増えて問題になっている特殊詐欺の手口が“警察を名乗る詐欺”だそうなので、みなさん、警察官を見かけたら『クソが!』と言って身を守ってください」と、自身のギャグを交えて呼びかけますが、陣内に「それはあかんやろ(笑)」と一蹴されていました。
「疑え!すべての電話を。」の広報啓発動画と楽曲「No more サギ!!〜いきなりお電話 だいたいサギ〜」は、警視庁特殊詐欺対策本部のホームページで視聴することができます。
警視庁特殊詐欺対策本部「特殊詐欺根絶アクションプログラム・東京 特殊詐欺まるわかりサイト」:https://action.digipolice.jp