吉本新喜劇の“アスパラマン”中條健一の還暦記念公演に豪華メンバー大集結! 妻の秋田「今日の中條さんが、いちばんカッコよかったです」

全身緑色の衣装とトサカヘアーでおなじみの中條健一による還暦記念単独公演が、11月24日(日)に大阪・なんばグランド花月で開催されました。『60年物のアスパラ収穫祭〜アスパラマン60 妻久美子50〜』と題された舞台には、中條と妻の秋田久美子のほか、吉田ヒロ、吉田裕、池乃めだか、内場勝則、浅香あき恵、未知やすえ、西川忠志といった吉本新喜劇の豪華メンバーに加え、特別ゲストとして大平サブローも登場! 大笑いの公演の模様と、中條、秋田夫婦への直撃インタビューをお届けします。

出典: FANY マガジン
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下着まで緑ずくめのコーディネート

中條は、大学在学中の1987年にピン芸人としてデビュー。のちに新喜劇入りしてからは、チンピラ役での緑のスーツとヘアスタイルをトレードマークに、“アスパラガス”とイジられる定番ネタでお馴染みです。

15年前、新喜劇座員の秋田と結婚し、なんばグランド花月で披露宴を敢行。夫婦で同じ舞台に立つのは、それ以来です。

今回、上演されたのは、ヒロが座長を務めていた時代に上演された新喜劇のスピンオフ作品。中條演じる借金取りがなぜその道に入ったのか──そんな秘密も明らかになるストーリーになっています。

幕が上がると、そこはとある予備校の教室。クセの強い生徒たちが大学合格を目指して猛勉強しているところに、いきなり緑ではないスーツをまとったチンピラ役の中條が乱入します。そして自分たちの金融会社が経営者の借金のカタに予備校を買い取ったと宣言。

驚く生徒のなかには、桜井雅斗扮する若き日の“中條”の姿が……。このころから「緑」が大好きな青年は、実家のそば屋を継がずにいい大学、いい会社を目指していると語りますが……失敗に失敗を重ねて、気づけば自分もその金融会社に就職!? そんな驚きのプロローグから、幕開けしました。

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舞台は、下町のそば屋。秋田演じる未亡人が、青野敏行扮する父とともに切り盛りしていますが、亡き夫と同じ味が出せず、最近は客足も減っています。そこに現れたのが借金取りの中條です。しかし借金を取り立てるはずが、実家がそば屋という経歴と腕を見込まれ、なぜか店の再建を手伝うことに。

弟分役のヒロ、向かいの喫茶店のマスター夫婦の内場&やすえ、めだか扮する謎の老人ら個性豊かなキャラクターも入り乱れ、爆笑の舞台が展開します。

中條はヒロとのコンビでボケを連発。のびのび自由すぎるヒロに手を焼きつつ、「久しぶりや、このコンビでやるの」「こんなんばっかりやってたわ」と懐かしそうです。

中條はこの日も下着まで緑ずくめのコーディネートで、おなじみの“アスパラいじり”も大ウケ。また、客役の吉田に詰め寄って“乳首ドリル”にも挑戦します。

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「いちばん頑張ってくれた妻の久美子」

脇を固める座員たちも、それぞれが持ち味を発揮して中條を全力サポートします。秋田は中條の相手役にしてマドンナ役。私生活同様、中條をしっかり支えて舞台に華を添えます。ヒロは「ギャグ100連発」ならぬ「3連発」を発動するなど、伝説のギャガーの面目躍如! イキイキとボケ倒して物語を引っ掻き回しました。

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息ぴったりのかけあいやプライベートがちらりのぞくアドリブで沸かせたのは、内場とやすえ。めだかは道で座り込んでいたところを助けられるおじいさん役で、飄々と味わい深い演技を披露しました。忠志はキモキャラ全開のストーカー役! 振り切った演技に、客席からは悲鳴交じりの笑いが上がります。

ゲストのサブローは、あき恵の亡くなった夫役で横山やすしのモノマネで登場。「頭大丈夫か? 無理してんのちゃうか。毛根がかわいそうやな」と中條のトサカヘアーをイジったかと思えば、素に戻ってあき恵との思い出話で盛り上がるひと幕もありました。また、父・西川きよしになりきる忠志と“やすきよ”を再現したシーンでは観客が大盛り上がりです。

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クライマックスでは、金融屋から足を洗いたい中條が、そばづくりと秋田への想いを切々と語り、熱のこもった芝居で観客を魅了。借金はどうなるのか、中條と秋田の恋は実るのか──大笑いしながら心がポッと暖かくなるハッピーエンドに、ひときわ大きな拍手が起きました。

カーテンコールで中條が「台本通りできました!」と胸を張ると、秋田がすかさず「どこが?」とツッコミます。サブローが「還暦おめでとうございます」と改めて祝福の言葉を贈ると、出演者の中で最高齢となる“大先輩”のめだかも「中條さんと出会ったときは20代やった。立派になられて……」としみじみ話しました。

中條が出演者やスタッフ、観客に感謝を述べたあと、「いちばん頑張ってくれた妻の久美子」と秋田を見つめると、秋田は「結婚して15年経つんですが、今日の中條さんがいちばんカッコよかったです」とニッコリ。

この言葉に客席から「ヒュー!」と歓声が上がり、中條は照れながら「これからも夫婦ともども、吉本新喜劇をよろしくお願いします!」と締めくくりました。

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次は10年後に秋田の還暦公演が目標!?

舞台を終えたばかりの中條と秋田を直撃しました!

──まずは、今日の公演の感想から教えてください。

中條 今回の公演は、妻が一生懸命に頑張ってくれたおかげでなんとか成功しました。あと、スタッフの皆さん、出演者の皆さんにも本当に感謝してます。

秋田 とにかく中條さんを支えようという気持ちだけで頑張ってきたんですけれども、結果、お客さま、出演者の皆さま、スタッフの皆さまに支えられて最高に楽しい時間となりました。本当にありがとうございます。

──今回の公演は、約20年前の新喜劇をリメイクしたものだそうですね。

中條 ヒロさんが座長のときにやった芝居で、ずっと「面白かったな」「いつかどこかでやろう」と言い合ってたんですよ。今回は長かったですけど、もともとは本公演の新喜劇なので、ギューっと縮めたら50分ぐらいになります。またどこか営業で呼んでいただけたら(笑)。

秋田 すごくいい話で、私も最後ちょっと泣きそうになって。でも、泣いたら私が目立ってしまうので、奥歯を噛みしめて我慢しました。今日は泣かない、笑ってお祝いをしようと決めてたんです。お客さまの顔を見たら、やっぱりすごく込み上げるものがありましたが、いまは終わってとにかくホッとしています。

──最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

中條 還暦ですけど、これからも緑で頑張っていきます。赤は着ません!

秋田 これからも、吉本新喜劇をよろしくお願いいたします。私も還暦公演ができるように頑張ってまいります。

中條 10年後? いやぁ、生きてるかな?(笑)

出典: FANY マガジン
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