「東京パラリンピック後のパラスポーツは…」よしもとパラスポーツ部が活動報告!

史上2番目のメダルラッシュに沸いた今夏の東京パラリンピックで、初めてパラスポーツに触れたという人も多いのではないでしょうか。吉本興業でも「よしもと部活動プロジェクト」の一環として、2019年に「よしもとパラスポーツ部」を立ち上げ、さまざまな活動をしています。そこで今回は、11月にあったボッチャ大会にも出場した部長のイダリアン、ミッドランド・玉城メイウェザー、2人のトイボックス(くらっさん、いけちゃん)の4人を招集、その魅力を語ってもらいました!

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン 左から2人のトイボックス(いけちゃん、くらっさん)、イダリアン、玉城メイウェザー

パラスポーツは誰でもできる!

ーーパラスポーツに興味を持ったきっかけを教えてください。

イダリアン 最初に衝撃を受けたのは、ゴールボールという競技でした。視覚障害の方が鈴の鳴るボールを投げ合う競技なんですけど、最初はどういう競技かわからない状態で観たんですよ。ただ、解説とか実況を聞いているとルールが分かってきて、最終的には“これ、すごいことなんだな!”という驚きの連続でしたね。そこからパラスポーツに興味を持ち始めました。玉城も僕と同じ「公認障がい者スポーツ指導者」の資格を持っていて、一緒にパラバドミントンやブラインドサッカーなどの観戦に行っています。

玉城 吉本から「(公認障がい者スポーツ指導者などの)資格をとりませんか」って案内が来たのが始まりです。僕自身、大学では福祉の専攻をしていたので若干知識があったんですけど、資格を取るうえで、一通りパラスポーツを体験させてもらって、“面白いな”と興味を持ち始めました。

出典: FANY マガジン
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くらっさん 2人のトイボックスでは、よく子どもたちが参加するイベントのMCをしているんですが、そのなかで、“子どもたちやお年寄りのほかにも、いろいろな人と交流できるものは何かな”と探していたとき、パラスポーツと出合って。それで、 イダさん(イダリアン)と玉ちゃん(玉城)に紹介してもらってパラスポーツ部に入部しました。

いけちゃん 最初は何の知識もない状態で入ったんですけど、いざやってみるとすぐに理解できる分かりやすいスポーツばかりで、“僕でもできるんだ”って思いました。

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ーーパラスポーツに接してみて、どんな魅力を感じましたか?

イダリアン 障がいの有無に関わらず、工夫をすれば誰でもできるスポーツなんですよ。健常者と障がい者が一緒に出場できる大会も開かれていますし、みんなが楽しめて、ひとつになれる魅力があると思います。

玉城 やってみると本当に面白いんですよ。スポーツなので奥が深いし、ルールもしっかりしていて、障がい者も子どもも、みんなで楽しめます。興味本位でいいので、一度やってほしいですね。

くらっさん たとえば自分たちがMCをしたゴールボールの体験イベントだと、実際に子どもたちが目隠しをしてゲームに挑戦するので、障がい者の生活に少し触れることができるんですよ。スポーツを通じて、そういったことを知る機会が増えるのはいいことだと思います。

出典: FANY マガジン
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いけちゃん ぜんぶ言われちゃいました(笑)。でも、いい運動になるので、ストレスも発散できると思います。

ーーふだん、よしもとパラスポーツ部はどんな活動をしているんですか?

イダリアン いまはコロナ禍でなかなか活動できていないんですけど、その前は、みんなで大会を観に行ったり、体験しに行ったり、大会に参加したりと、パラスポーツ関連のことに楽しく取り組んでいます。
個人的にはパラスポーツチームの練習に参加させてもらったり、質問されたら答えられるように、パラリンピック選手のプロフィールや結果などのデータをノートにまとめたりしています。

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「ボッチャ 東京カップ」で大健闘!

ーー皆さんは、11月21日(日)に開催された「ボッチャ 東京カップ2022 予選 ~一般の部~」に、よしもとパラスポーツ部として参加したんですよね。惜しくも予選敗退とはなりましたが、3試合中2勝という大健闘でした。イダリアンさんと玉城さんは2回目の出場でしたが、感想を聞かせてください。

イダリアン 出場枠は24チームで、エントリーは今までは先着順で2チームが出場できない程度の応募数だったんです。でも今回は応募が多くて抽選になりました。50チーム近くの応募があったとか。パラリンピックで人気が出て、競技人口が広まったということもあって、いい試合内容のものばかりでしたね。まわりのレベルが上がっているなかで、僕たちとしては2勝できたので万々歳です。2人のトイボックスは当日に猛練習して間に合わせたんですが、それでもかなり上達してスーパーショットを出していました。

出典: FANY マガジン
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玉城 それぞれのチームの本気度を感じましたね。相手もバチバチでくるし、チーム戦の要素もあるし、1人2投までで集中力も必要だし。気分はスポ根、まさに『週刊少年ジャンプ』の主人公ですよ。“今日は俺、ジャンプやってるな!”って思っていました(笑)。

ーー2人のトイボックスは初参戦。いかがでしたか?

くらっさん ぜんぜん思い通りにはならなくて、1投のプレッシャーが半端なかったです。しかも最後の1投で決まるとなったときの手の震えは尋常じゃない……。合間合間で仲間と相談しながらゲームを進めていったので、「一致団結できるスポーツなんだな」と思いました。とはいえ予選敗退は悔しいので、次回は少しでもいい成績を残したいです。

いけちゃん ボッチャを通じてコミュニケーションが取れて楽しかったですね。いいショットが決まったら、やった! という気持ちになります。もちろん、またやりたいですし、みんなでユニフォームを揃えたいですね。

出典: FANY マガジン
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【ボッチャ】
脳性まひなどの比較的重い運動機能障がいがある人のために考案されたヨーロッパ生まれのスポーツで、パラリンピックの正式種目。2チームがそれぞれ6球ずつボールを所持し、投げたり、転がしたり、ほかのボールに当てたりして、いかにジャックボール(目標球)に近づけるかを競う「カーリング」に似た戦略性の高い競技。

ーー東京パラリンピック後、パラスポーツを取り巻く環境や雰囲気に変化を感じましたか?

イダリアン 東京パラリンピックのあと、千葉で開催された車いすラグビーの大会を観に行ったんですけど、初めて会場に来たという人がたくさんいたんですよ。パラリンピック前は、会場に行っても、関係者や車いすラグビーの存在を知っている人しかいなかったんですけど、テレビで試合を観て、興味を持った人が増えたみたいですね。
あと来年、パラリンピックで銀メダルを獲得した車いすバスケが有観客の試合をやるんです。また、いままで無料だったものが有料になるということなので、スポーツとして認められたんだなと実感しました。

玉城 今回のパラリンピックを機に選手の認知度は上がったと思いますし、なによりパラスポーツに詳しい人、実際にプレーしている人が増えた気がします。パラスポーツのイベントMCをしていても、親子での参加が多いんですよ。だからこそ、もっとテレビで取り扱ってほしいですね。選手はもちろん、携わっている人たちも同じ気持ちだと思います。

出典: FANY マガジン
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ーー最後に、今後の活動目標を教えてください。

イダリアン パラスポーツでも有観客の試合がどんどん増えているので、みんなで観に行きたいですね。あと、大会にも出たいです。

玉城 僕が好きなパラスポーツとボクシングが融合した“車いすボクシング構想”を進めている団体があるんですが、この動きに注目しています。みんなで顔を殴り合いたいですね(笑)。

くらっさん 僕、車いすに乗ったことはあるんですけど、車いすに乗ってスポーツをしたことがないんで、車いすバスケをやってみたいですね。当たりが強いスポーツではありますが、自分が体験してみないとその衝撃は分からないじゃないですか。多くの方に魅力を伝えていけるよう、体験してみたいです。

いけちゃん また言うことがなくなっちゃいました(笑)。僕も年代関係なくできるパラスポーツをいろいろ体験したいです!


「よしもとパラスポーツ部」の公式サイトはこちらから。