上方落語の定席である大阪の天満天神繁昌亭が、9月15日(火)に開場20周年を迎えました。前日の14日(月)には、地元である天神橋筋商店街で“お練り”が行われ、桂文枝ら上方落語協会に所属する60人以上の噺家が参加。天神橋6丁目の「大阪くらしの今昔館」からJR天満駅を経て繁昌亭までの道を、詰めかけた沿道の人たちと触れ合いながら練り歩きました。

文枝の音頭で“大阪締め”
司会を務めた桂慶枝による来賓紹介のあと、上方落語協会の会長である笑福亭仁智が挨拶します。仁智は繁昌亭オープンに尽力した関係各位に感謝し、「20年間、繁昌亭を支えてくださった皆さん、これから愛してくれる皆さん、9日間、精一杯務めますのでよろしくお願いいたします」と挨拶しました。
仁智は、20周年に合わせて新調された緞帳についても言及。「初代の緞帳とは違う、現代的でポップな緞帳に仕上げられているのでご期待いただきたい」と語ります。

大阪市北区の寺本譲区長、天神橋筋商店街4丁目・5丁目・6丁目連合会の松井満宏会長、天神橋筋商店街2丁目・3丁目連合会の堀浩之会長による来賓挨拶のあとは、落語協会の最高顧問である文枝が登場。
文枝はかけつけた観客に感謝しつつ、「落語もあのころの活気がなくなってる、この20年を機会に活気を取り戻したい」と訴えます。そして文枝の音頭で、“大阪締め”を行いました。

その後、文枝らが人力車へ乗り込み、“お練り”がスタート。「天満天神繁昌亭 大誕生祭」と書かれたのぼりがずらりと並ぶアーケードの下を進みます。司会を務めた慶枝を先頭に、その後ろに落語協会の錚々たるメンバーが続きました。
笑福亭仁智「楽しんでもらおうと精一杯がんばります」
赤い人力車に乗った文枝は、沿道の人たちに手を振り、笑顔で挨拶。6丁目から5丁目へと商店街を進み、JR天満駅前で文枝は桂春団治にバトンタッチします。人力車から降りた文枝は、拡声器を片手に詰めかけた観衆に挨拶しました。

再度、“大阪締め”で盛り上げて「行ってみよう!」と声を上げると、春団治の乗った人力車がスタートしました。春団治は天神橋筋2丁目交差点周辺で改めて“大阪締め”をして、天神橋3丁目付近で桂福團治と交代です。
そして福團治の乗った人力車が繁昌亭前に姿を見せると、待ち構えていた大勢の観衆と鳴り物がお出迎えしました。

繁昌亭前では仁智が改めて挨拶し、翌日からスタートする特別公演について、「たっぷり楽しんでもらおうと噺家一同、精一杯がんばりますので、よろしくお願いいたします」と力を込めました。
続いて、特別公演の総合プロデュースを担当した文枝の音頭で最後の“大阪締め”です。笑顔でマイク前に進んだ文枝は、協会のメンバーに感謝。そして大阪の土地柄にも触れ、活気を取り戻したい、と再度アピールしました。

その後、囲み取材に応じた文枝はこの20年を振り返り、「お礼を言いたい方々が旅立たれていて残念」とポツリ。そのうえで「皆さまの思いに応えられるようにがんばりたい」と前を向きます。
文枝は、特別公演の中入後に若い噺家が登場することに触れ、「もっと若い子にチャンスを与えたい。次の世代に受け継ぐことが仕事」と力説。
この日の“お練り”で文枝は、人力車の引き手が持ち上げて落ちそうになるギャグをやろうと思っていたようですが、「気を使ったみたいで、それがなかった」と残念そうな表情でおどけました。
天神祭りをテーマにした新たな緞帳お披露目!
続いて、繁昌亭内で新しい緞帳のお披露目内覧会がスタート。会長の仁智は、詰めかけた観客にお礼を伝えつつ、「挨拶のネタが尽きてきた」と笑わせます。そして、特別公演のチケットがすべて売り切れたことを明かし、「力を入れて公演に臨んでいきたい」と宣言しました。
そして、いよいよ新緞帳のお披露目へ。場内が暗転してお囃子が響くなか、するすると緞帳が降りてきます。明るくなり、新しい緞帳がお披露目されると詰めかけた観客から「オオッ!」と歓声が上がりました。

落語協会副会長の米團治が緞帳に描かれた絵について説明。前回の緞帳と同じく女性画家の生田花朝の作品で、今回のテーマは天神祭のお神輿で「活気や喜びを感じていただければ」と話しました。
続いては「上方落語若手噺家グランプリ2026」で優勝した桂三実が一席披露。登場前に散々あおられたあと、三実が姿を見せると客席から拍手と歓声が起こります。三実は商店街の野球チームをテーマにした噺を口演し、場を盛り上げて内覧会を締めくくりました。

内覧会終了後は、仁智、米團治が囲み取材に応じました。仁智は「節目の20年、気持ち新たに明日からスタートしたい。次の20年の幕が開くという心地よい緊張感が噺家全員にあると思う」と語ります。
新緞帳について米團治は、「この絵には“夢の天神祭”という副題がついている」とコメント。緞帳が変わっていいネタができるのでは? という質問に仁智は「そうなるようにね」と返しました。

そして、仁智は20周年記念公演について「出る噺家はすべて心して出ると思います。そうすることで、次の21年、22年、30年、40年と続いていく」と力を込めました。
天満天神繁昌亭では9月15日(火)~23日(水・祝)の間、六代桂文枝が総合プロデューサーを務める20周年の特別公演を開催しており、各日とも人気、注目の落語家が続々と高座に上がります!
「天満天神繁昌亭 開場二十周年記念特別公演」公式ページ:https://www.hanjotei.jp/kawaraban/62559/
