宮城県気仙沼市と地元の水産・観光業「阿部長商店」、そして吉本興業がタッグを組んで、気仙沼の海産物を使った商品開発などに取り組む『フカカツ(復活)気仙沼プロジェクト』が始動しました。1月19日(水)に同市の観光施設「気仙沼海の市」で開かれた発表会では、その第1弾として、現地の住みます芸人・けせんぬまペイ!が開発したオリジナルメニュー「気仙沼フカカツサンド」がお披露目されました!
今年1月から気仙沼市住みます芸人として現地で活動を始めたけせんぬまペイ!は、NSC(吉本総合芸能学院)東京18期生のピン芸人。気仙沼市への移住に合わせて、この芸名に改名しました。調理師免許を持っていて、「阿部長商店」とともに新商品の開発や販促PRに取り組んでいます。
宮城出身のパンサー尾形も応援
発表会では、プロジェクトに向けて、菅原茂・気仙沼市長からタスキをかけてもらったけせんぬまペイ!。「ペイ!」という持ちギャグを挟みながら、「さまざまな企画やイベントに挑戦して、気仙沼市を最大限に盛り上げていきたいと思います」と意気込みを語ります。
さらにプロジェクトの応援芸人として、宮城県東松島市出身のパンサー・尾形貴弘が、気仙沼市観光キャラクターの「海の子ホヤぼーや」とともにかけつけました。
尾形は「サンキュー!」とおなじみギャグを披露。さっそく「いま、吉本興業とコラボしてくれる企業なんていないですよ!」とボケをいれつつ、「本当は吉本めちゃくちゃいい会社ですし、阿部長商店さんも素敵な会社だから、これは期待できますね!」とプロジェクトに太鼓判。阿部長商店の阿部泰浩社長に「いつでも来ますので、呼んでください。靴でも何でも舐めますから!」とアピールしました。
また先輩芸人として、けせんぬまペイ!に「気仙沼、いいところなんだから、絶対に悪いことすんなよ!」と釘を刺す一幕もありました。
「フカカツ」「メカジキ」「ホヤ」…
今後、けせんぬまペイ!が取り組んで行くプロジェクトは以下のとおり。
【メカジキの魅力を発信】
メカジキの水揚げ量日本一を誇る気仙沼市ですが、関東近辺までは出荷されているものの、西日本での消費量はまだまだ少ないのが実情……。そこで、特に脂がのる冬に「メカジキまつり」を開催して、全国へ魅力を発信します!
【ホヤまつりの開催】
気仙沼市では、新鮮な三陸ホヤを食べることができます。三陸ホヤの魅力を発信すべく、「ホヤまつり」を開催し、ホヤの新しい楽しみ方・味わい方を日本全国に伝えていきます。
【フカカツを使った新商品を考案】
気仙沼市は高級食材フカヒレの名産地であり、原料となるサメの水揚げ量が日本一です。今回、けせんぬまペイ!が、低カロリーで高たんぱく、コラーゲンたっぷりのフカ肉を使った「フカカツ」の新メニューを考案。同時にレトルト開発もして、全国展開を目指す予定です。
さっそく、けせんぬまペイ!が開発した「気仙沼フカカツサンド」を試食することに。この日の会場、気仙沼海の市の1階にある「リアスキッチン」で販売されるこの商品は、「食べて、二度、三度(サンド)足を運んでいただきたい」という思いが込められていると言います。価格は、ポテト、気仙沼チャウダーとセットで税抜き975円。こちらにも「くな(97)んをこ(5)えろ」の意味が込められています。
気仙沼産のフカ肉カツにテリヤキソースを絡めた味付けは、気仙沼市のサンフレッシュ小泉農園で栽培される「波乗りトマト とまたん」と相性抜群。一口ほおばると、甘辛いタレと酸味のあるトマトが口いっぱいに広がります。
尾形は「臭みもないし、めちゃくちゃウマい! 味濃いめだからトマトと合う。これは流行りますよ!」と大絶賛。「子どもも好きな味で、若者とか最高。部活帰りとかにもいいし、(大人は)ビールにも合う」と舌鼓を打ちました。
気仙沼の魅力発信に市長も期待!
発表会には、菅市長と阿部社長に加え、吉本興業の地域事業を担う株式会社よしもとエリアアクションの泉正隆社長も出席し、それぞれ挨拶しました。
「気仙沼は四季を通じて豊富な魚介類が獲れます。これら素材の良さを生かしつつ、(けせんぬまペイ!には)料理の腕を振るっていただくことで、新たな商品の開発にもつながるのではないかと思います。“ペイ”と聞くと、どこかのキャッシュレス決済サービスを思い浮かべますが、けせんぬまペイ!の名前の通り、気仙沼におカネが落ちる、気仙沼に利益をもたらす仕組みを作っていただきたいと切に願っています」(阿部社長)
「阿部長商店さんは、気仙沼でいちばんの水産会社であるだけでなく、宮城県でも有数の観光業者でもあります。調理師免許を持っているけせんぬまペイ!さんが、そのセンスやノウハウを生かして気仙沼を売り込み、ご自身も大きくなっていくよう願っています。気仙沼は昨年、NHK朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』を通じて、多くの発信が続いています。ぜひ、この勢いをけせんぬまペイ!さんに受け継いでいただきたいです」(菅原市長)
「プロジェクト名の『フカカツ(フッカツ)』には、新たな気仙沼の特産物として『フカカツ(サメ肉のカツ)』を普及、活用していきたいという思いが込められています。阿部長商店さんへ打ち合わせにいったとき、阿部社長が何度も『フカカツ=フッカツ』とおっしゃっていました。“気仙沼復興”に向けて、フカカツの需要を高めていきたいという思いを受け止め、今回のプロジェクト名にしました」(泉社長)
プロジェクトの今後の活動は、けせんぬまペイ!のYouTubeチャンネルやSNSで発信されるほか、今年3月に開局する「BSよしもと」で番組化される予定。これからも、気仙沼のさまざまな魅力や復興に向けた取り組みを全国に向けて発信していきます。