女優でモデルの太田夢莉が、2021年1月放送開始の新ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)に出演が決定しました。役柄は、ドラマの舞台である大手出版社のファッション雑誌編集部のアシスタント・加賀栞役。ファニマガでは、役づくりのために大胆な「金髪ショート」に変身した彼女に独占インタビューしました!
2019年11月にNMB48を卒業し、現在は女優やモデルとして活躍する太田。映画『せみのこえ』や、舞台『Cheer up act -vol.1-「裏方の女」~ハロー野菜祭り大きなカブ~ 』など多くの作品に出演する、いま注目の俳優です。
そんな彼女が出演するのが、上白石萌音が主演を務めるTBS系の火曜ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』。ファッション雑誌編集部を舞台に、主人公の鈴木奈未(上白石)がドSな鬼編集長・宝来麗子(菜々緒)や子犬系イケメンカメラマン・潤之介(玉森裕太)に振り回されながらも、恋や仕事に立ち向かう物語です。
今回は、連続ドラマ初レギュラー出演となる太田に、作品の魅力や役どころについてはもちろん、女優業への思いなどを語ってもらいました。
最初は不安だった初の「金髪」
――役づくりで金髪になりましたが、いざ自分の姿を見てどう感じましたか?
人生でいちばん髪が短くて、いちばん髪色が明るいんですけど、初めて見たときは「大丈夫かな?」と思いました(笑)。もちろん、役作りのために美容師さんが仕上げてくださっているんですけど、童顔ということもあって不安になって。
――周囲の反応はどうですか?
お母さんに写真を見せたら、「おー。めちゃいい感じ。似合うよ」って返してくれて、友だちも同じように言ってくれるんですけど、仕事で髪色を変えた人に対して「似合わんなぁ」とは言わないじゃないですか(笑)。なので、不安は拭えなかったんですけど、最近やっと慣れましたね。
――今回、本格的なドラマレギュラー出演です。話がきたときは、どんなことを思いましたか?
TBSさんのドラマに出させていただくと聞いたときは、信じられなくて……。衣装あわせをして、髪色も変えましょうって打ち合わせをして、やっとそこで「出るんだ!」って実感が湧きました。TBSさんのドラマは有名な作品ばかりですし、その枠に出演させていただくなんて、すごく光栄です。
――上白石さんをはじめとした豪華キャストが出演する注目作ですが、プレッシャーを感じることは?
撮影中は、ここに私がいるんだ、と不思議な気持ちでいたんですけど、その反面、ちゃんと結果を残していかないと!っていうプレッシャーはあります。
――演じる「加賀栞」はどんな人物ですか?
編集部のアシスタントで、ファッションリーダーのような人です。なので、みなさんより衣装が奇抜で、真ピンクのタイツだったり、髪色も派手で本当にオシャレですね。私の日常生活が派手ではないので、現場で正反対の人を演じられるのはとても楽しいです。
――撮影現場での印象的な出来事を教えてください。
同じ吉本(グループ)のなだぎ武さんとも共演させていただいているんですけど、知りあいのスタッフさんから「なだぎさんいい人だから」って事前に伺っていたので、お会いするのがすごく楽しみでした。実際にお会いして、そのスタッフさんのお話もできたので、少し打ち解けられた気がします。
上白石さんはめっちゃ気さくで、自然に話しかけてくださいました。愛される人なんだろうなって思いますし、現場でもそれは感じましたね。素敵な方です! あと、猫を飼っている人が多いんですよ。私も飼っているので、猫の話で盛り上がっています。動物がつないでくれるものって大きいなって思いました。
「悔しさ」をバネに立ち直ったコロナ期間
――今年は新型コロナの影響で、エンタメ界では、ドラマや映画の撮影がストップすることもありました。今回、無事にクランクインしたときは、どう感じましたか?
グループ(NMB48)にいたときは、当たり前のようにスケジュールが埋まっていたので、そのありがたさが分かっていなかったんですよ。卒業して1人になると、そう簡単にお仕事は決まらないし、オーディションにも受からないし、そこでさらにコロナも加わって。お仕事があることって本当にありがたいことなんだって実感しました。
(コロナ禍による)自粛期間が明けても、お仕事が毎日ないときは本当に不安で気持ちが落ちてしまい、芸能界じゃなくても……と思ったこともありました。その後にドラマが決まったので、いままで以上に、お芝居ができる喜びを深く感じています。
――落ち込んだ時期は、どのようにして気持ちを切り替えていったのですか?
スケジュールがパンパンに詰まっていたわけではないんですけど、目の前にあるお仕事をありがたく思い、こなしていくことの達成感をモチベーションにしていました。最初は、できないって思った仕事も、終わるころには楽しかったし、成長したいって思うようになっていましたね。
あとは、このままでは終わりたくないっていう気持ちが強かったです。役者を目指すと言って卒業して、大成もしていないのに辞めるのは悔しい。応援してくださっている人からすれば、「コツコツやればいいよ」って見守ってくださるとは思うんですけど、客観的に見たら“アイドル辞めて、仕事も少なくなって落ちぶれている”って見方をされるんですよね。
それが悔しいし、そう思わせているのは自分だし……。でも、その悔しさがバネにもなるから、そうやって言ってくれる人の声もプラスなのかなって思います。正直、ムカつきますけど(笑)、その気持ちがなければ這い上がろうとは思わないなって。
演技レッスンを通じて「素直になった」
――演技力を向上させるためにワークショップやレッスンを受けていると聞ました。
初めて講師の方に演技の基礎から教えていただいています。まだ始めて1、2カ月なんですけど、基礎的なことを学ぶって本当に大事だし、受けてよかったなって心から思っています。
――講師の人と対峙する中で、太田さんの女優としての考え方になにか変化は?
私は感情を出すのが苦手で、いま自分の感情を出す練習をしているんですけど、みなさんが真摯に向き合ってくれるので、怖がらずにみんなを信用して、できない自分が恥ずかしくないって思えるようになりました。はじめは、人前で泣きたくなかったんですけど、いまは抑えることなく泣きたかったら泣くし、笑いたかったら笑うし、どんどん自分が変わっている印象があります。
――プライベートでも変化があるんですね。
素直になったと思います。以前は、初対面の人とは緊張していて、人間関係が広くなくても……っていう感じだったんですけど、最近は共演者の方と緊張せずに話せます。人を信用することを学んだというか、心の信用というか、“その人に何か思われるんじゃないか”って気にしたらダメだなって思いました。
「人と比べるのはやめました」
――2019年11月にNMB48を卒業して1年あまりが経ちました。振り返ってみていかがですか?
卒業して険しい道ってわかっていたし、同世代にはすごい俳優さんがいらっしゃって、そこに飛び込むなんて……って思っていたんですけど、本当になかなかうまくいかなくて。コロナもあったし、このままでいいのかって思ったりしたんですけど、絶対に自分にしかできない役もあるんじゃないかと思ったので、人と比べるのはやめました。いつか主演を張れるようになるまで地道に頑張りたいです。
――いま、演じるのが楽しい時期なのか、苦しみながらの時期なのかどちらですか?
お芝居が楽しいので続けたいと思ったんですけど、いまは楽しむほどの余裕がなくて修行の段階だと思います。楽しいからやっているというよりは、強い自分になりたいし、負けたくないし、達成感を味わいたいという気持ちが強いです。
――先日、バースデーイベントがありましたが、やはりファンの力は大きいですか?
大きいです! 自分のお芝居ができなくて“ダメだ”って思っても、応援してくださる方は絶対に待っていてくださるというか。どんなにダメでも、それを受け入れて応援してくれるし、なんなら私の存在が「救い」って言ってくれる人もいて……。
アイドルをやっていなかったら絶対にこの人生にはなっていなかったと思いますし、私にとってファンの方々の存在が大きいなって。そんな方々の救いになりたいし、(ファンの存在は)大切ですよね。本当に恵まれているなって思います。
――最後に、2年目となる女優業での目標を教えてください。
「KAAT神奈川芸術劇場」(横浜市)と「天王洲 銀河劇場」(東京都品川区)の舞台に立ちたいです。歌もダンスもあって走り回るような全身を使った舞台がしたくて(笑)。もちろん、ドラマにも映画にも出演したいです。せっかく髪を短く切ったので、ボーイッシュな役にも挑戦してみたいですね。
(取材・文:浜瀬将樹)
番組概要
火曜ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)
2021年1月12日(火)スタート
放送日:毎週火曜22:00~
出演:上白石萌音、菜々緒、玉森裕太、間宮祥太朗、久保田紗友、亜生(ミキ)、秋山ゆずき、太田夢莉、高橋メアリージュン、なだぎ武、橋爪淳、山之内すず、宮崎美子、高橋ひとみ、倉科カナ、ユースケ・サンタマリア