吉本興業が創業110周年を迎える今年、吉本新喜劇に新たに導入されたゼネラルマネージャー(GM)制度。その初代GMに就任した間寛平が2月28日(月)、大阪市内の吉本興業本社で第1回目となる月例会見に臨み、若手を育てる『吉本新喜劇セカンドシアター』など新たな取り組みを発表しました。今後も毎月、新喜劇のホットなニュースを発信するこの会見。ファニマガでは毎回、寛平GMの独占インタビューとともにお届けします!
2分で勝負する若手座員ネタバトルも
「恩返しと思って、新喜劇をよりいっそうよくするためGMになりました。がんばりますので、よろしくお願いします」
冒頭でこう意気込みを語った寛平GMは、一方でMCの西川忠志に「(しゃべりが)カタいねん!」と何度もツッコミを入れるなど、会見は和気あいあいとした雰囲気でスタート。
まずは、4月8日(金)からスタートする『吉本新喜劇セカンドシアター』について説明しました。現在、新喜劇には総勢109人が所属しており、さまざまな座員にチャンスを与えて新たな才能を発掘、育成するため、大阪・YES THEATERを拠点として隔週金・土・日曜をベースに公演を行います。
「そこで切磋琢磨しておもしろい芸人になったら、なんばグランド花月、よしもと祇園花月の舞台にも立てる、と。そうやって若手を育てていきたい」(寛平GM)
セカンドシアターでは寛平自身が出演する公演もあるほか、4月9日(土)、10日(日)の夜公演では、持ち時間2分で競う「『吉本新喜劇セカンドシアター』オープン記念公演 寛平GM杯争奪 ネタバトル」が企画されています。ネタバトルの審査員について寛平は、「あたろうかなと思ってるのは、(明石家)さんま……思ってるだけですよ?(笑)」とウソかマコトかビッグネームに言及!? 実際には、笑い飯・哲夫やシャンプーハット(恋さん、てつじ)、スマイル(瀬戸洋祐、ウーイェイよしたか)など、「あえて新喜劇とは違うジャンルの芸人たちに声をかけたい」と話しました。
一方、寛平GMのお披露目公演の発表も。吉本興業110周年を記念して4月2日(土)、3日(日)の2日間にわたって、なんばグランド花月で開催される特別公演『伝説の一日』のなかで寛平GMの“新・新喜劇”が上演されることになりました。
『伝説の一日』では、桂文枝、西川きよしをはじめ、明石家さんま、ダウンタウンといった大御所から、新進気鋭の若手まで吉本興業のオールスターが勢ぞろい! 各日4回の全8公演で出演者は計223組315人という大ボリュームです。
もちろん新喜劇も超豪華版。GMである寛平に加え、座長の川畑泰史、小籔千豊、すっちー、酒井藍らはもちろん、新喜劇の全座員が2日に分けて総出演するほか、豪華ゲストの出演も予定しています。
ファンクラブも拡充
この日の会見では、吉本新喜劇ファンクラブ『すんの会!』のリニューアルについても発表されました。座員の1人である曽麻綾が登場し、説明役を買って出ます。これまで小学生限定だった『すんの会!』ですが、ファンからの熱い要望に応えて、4月1日(金)から年齢制限を撤廃し、誰でも参加可能になるとのこと。
ここでおもむろに、四ヶ国語を操る曽麻が英語、中国語、フランス語でも概要を説明する一幕も……カナダで生まれ育った曽麻は、4年前にオーディションを受けて新喜劇に入団するまでは、日本語を話せなかったといいます。当初はひらがなも読めず、台本にローマ字でルビをふっていましたが、いまや寛平GMが「オレよりしゃべれるやん」と驚くほどペラペラに。こうした個性あふれる座員も、今後の月例会見で紹介していきたいとのことでした。
『すんの会!』では、8月に会員向けイベント「みんなで作ろう新喜劇」を企画中。その内容について寛平は、「ファンと座員、スタッフが一緒に新喜劇を作って、みんなに新喜劇はどういうものかを知ってもらいたい。舞台に出演するだけではなく、小道具を作ったり、衣装を考えたり、本番で実際に音も流したりもしてもらいます」と説明し、「ぜひともファンクラブに入って!」と呼びかけました。
埋もれている才能に期待
GM就任発表会見の場で「必ず大スターを作る」と意気込んでいた寛平は、この日も「若手が思っていることをしっかりと受け止めるために、僕がその受け皿になってやらないと。難しいこともいっぱい言ってくるけど、できるだけがんばろうと思ってます」と決意を新たにしました。
ベテラン組についても、昨年末のM-1で50歳で優勝した錦鯉を例に挙げ、「新喜劇のなかにも埋もれてるヤツがいっぱいて、そのなかから出てくるんちゃうかなと思っている」と期待を寄せました。
寛平GMは新喜劇について、熱くこう言い切ります。
「(新喜劇は)できた時から今まで、テレビも通じて何十億人を笑わせてきた。こんなすごい劇団はない。それをもっともっと盛り上げないとアカンし、子どもからおっちゃん・おばちゃんまで、みんなを笑わせないとアカン」
そのために必要なこととして、新喜劇が人気低迷していた時期の「新喜劇やめよっカナ?キャンペーン」(1989~90年)を振り返りながら、「当時は島木譲二みたいな座員がどんどん出てきたし、藤井(隆)くんも出てきた。ああいう人を作っていかないとアカン」と展望を語りました。
ナイナイ岡村が「兄さん、大丈夫?」
初めての月例会見を終えた寛平GMが、FANYマガジンのインタビューに答えました。
──GM就任後、新喜劇座員以外の芸人からは、どんな反応がありましたか?
みんな「大丈夫?」って言ってくれます。(ナインティナインの)岡村(隆史)も「GMになられてどうです?」ってこの前楽屋に来てくれたり、みんな色々気にかけてくれている、やっぱり僕が頼りないからかな。(笑)
──どう答えるんですか?
「大変やけど、大丈夫や〜」って。僕がやっていかなしゃあないしね。次長課長の井上(聡)なんかは(明石家さんまがいる収録現場で)「GMかっこいいなあ〜」とか言ってくるんやけど、「そんなん言うな、さんまちゃんがまだいてるから」って(笑)。
そしたら、さんまちゃんはニヤッと笑って、小っちゃい声で「兄やん、大丈夫?」って。「ああ、大丈夫やで」って答えて、「また相談行くわ。聞いてほしいこともあるしな」とか言うんですけど、さんまちゃんは「もう〜ホンマに〜」みたいな感じで流すしなぁ(笑)。
──「吉本新喜劇セカンドシアター」から、どんなスターが生まれてほしいですか。
この中から島木譲二とか「フォー!」(藤井隆のギャグ)とかを作っていかなアカンから……食べるフォーちゃうで(笑)。ネタバトルで何か出てくるんちゃうかなと。
──若手にとってはチャンスです。
いや、若手って言うても、大体40過ぎてるから(笑)。GMになってから、いろんな漫才とかも見るし、「こいつは新喜劇にどう合うかな」と考えるんですけど……たとえば、ななまがりの初瀬(悠太)って、男前じゃないけどすごいかわいいやん。大きくて、ブサイクやねんけどしゃべってる感じとか仕草とか、目をむくところがかわいい。あれが新喜劇には必要やねん。だから太田(芳伸)に電話入れて、「あいつ(初瀬)を見て勉強せなアカンわ」と言ってます(笑)。
あと諸見里(大介)もね、めっちゃオモロなるねん、うまいことしたら。(いつも滑舌の悪さで笑いをとっているが)「ホンマはちゃんとしゃべれるんやろ?」って困らせたらパニックになっていって、ドーンとウケ出す。そういう具合に遊んでやらなアカンのよ。新喜劇はやっぱり笑いすぎてお客さんが揺れるぐらいにならんと。とにかくまず、3人ぐらいはニュースターがほしいですね。「座長やリーダーなんかに負けない!」という気持ちでどんどん出てきてほしいです。
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