お笑いコンビ・天竺鼠(川原克己、瀬下豊)が、前代未聞の無観客・無配信のライブを開催しました。『高級ジャンピングボレーライブ』と題されたこのライブでは、シークレットゲストにミルクボーイ(駒場孝、内海崇)も登場。誰もいないし、誰も観ていないという、とにかく“不可解”な展開は、天竺鼠ならではのツッコミどころ満載のステージとなりました。
2回目の緊急事態宣言に伴って、本来ならば「中止」となるはずだったこのライブ。配信では使えない音楽・使えないセリフがあるため、「制御のない環境でいつも通りにやりたい」という本人たちの意向もあり、無観客・無配信での公演が決定しました。
運営に必要な費用を、クラウドファンディングサービス「シルクハット」で募ったところ、予想以上の支援が殺到。1月29日(金)に、無事に“誰も観ることができない”ライブを開催することができました。
“本気ネタ”11本を披露
本番当日。スタッフと関係者以外は本当に無観客。リハーサルかと疑うほど静まり返った異様な空間の中、天竺鼠の公演がスタートしました。
「5、4、3、4、5……」
カウントダウンが狂い出すオープニングVTRのあとは、怒涛のネタラッシュ。プロレスラーのマイクパフォーマンスを題材にしたコントや、オフィスが舞台のコント、あるいは天竺鼠流の漫才まで、2人でしか作り得ない新作11本です。
最後のネタは、風船をくくりつけた瀬下がドラム缶の上に寝そべり、頭の上からハイヒールを吊るした川原がその付近に立っている……というナゾの設定のコント。BGMだけが流れ、台詞は一切ありません。
そんなコントが終了すると、突然、「蒲田行進曲」が流れます。単なるカーテンコールかと思いきや、なぜかそれまで一度も出てきていないミルクボーイが登場。4人で観客のいない会場に無言で頭を下げました。
「もう1回、説明してください!」
ネタの終了後は、ミルクボーイとゲームコーナーへ。ようやく、しゃべるタイミングがきた内海が「もう1回、説明してください!」と詰め寄ります。それまで出番のなかったミルクボーイが、なぜ最後に挨拶をしたのか、とにかく解せない様子です。
しかも天竺鼠が熱演するあまり、この時点で予定の時間を1時間以上オーバー。内海は「無観客・無配信でも(時間が)押すんですね! 駒場は(公演の最初から)着替えていますよ!」とクレームが止まりません。
さらに、クラウドファンディングの特典用にスタッフが撮影しているものの、一般に出す予定がないことが明らかになると、内海はさらにエキサイト。「出せよ! 出したらええやん!」「めちゃめちゃ面白いコントやってましたやん。面白いやつ見せたらええやん!」と訴えました。
川原考案ゲームに内海が“被害妄想”
結局、本来であれば、川原の考えたゲームを4種類やる予定が、時間オーバーのため2つに。何から何まで型破りの展開に、心境を問われた川原がこう答えます。
「入り口のない建物を作っている感じ。(ライブを)やっているけど、“どうするんやろこれ”って」
1つ目のゲームは「種類は違うけど対決」。駒場が「木へんの漢字をできるだけ書く」、瀬下が「手にほうきを乗せ続ける」、内海が「感動話をして川原を感動させる」というお題を3分間やり続け、川原の独断と偏見で勝利者を決めるというもの。
結果は、一度もほうきを落とさなかった瀬下が勝利。母親や行きつけの理髪店の店主との感動話を一生懸命披露した内海は、川原の傍若無人ぶりに「僕の話聞いてました? 言い損やな!」と、ここでも大クレームです。
最後のゲームは「クイズ」。アイマスクと大音量ヘッドホンを装着した3人が、その間に川原が会場内に隠したクイズを探して回答するというものです。
ところが、3人がアイマスク&大音量ヘッドホンを装着したところで、川原が本当のルールを説明します。
「クイズはフェイクです。これは『放置ゲーム』。このまま放置して、自分から(ヘッドホンなどを)外したら負け」
数分たって「長いな~。まだ?」と反応したのは内海。しばらくヤジを飛ばした後、「怖なってきた!」と恐怖心を感じるように。川原が何もしていないのに「なにか濡れたぞ!」と被害妄想まで……。
最終的に内海、瀬下がアイマスク&ヘッドホンをはずしてアウトに。最後まで微動だにしなかった駒場が勝利したものの、彼にはネタバラシしないまま終演を迎えました。
シルクハットでは、天竺鼠のクラウドファンディング『緊急事態宣言で中止になった単独ライブを無観客無配信で開催したい』が2月7日(日)23:59まで開催中。セシタマン(瀬下)が、お悩みを退治する3分間動画を送ってくれる「セシタマンにあなたのお悩みを退治してもらう権利」や、グッズのマスク、サイン入りポスター、携帯で撮影した動画など、豪華リターンが揃っています。
天竺鼠のクラウドファンディングはこちらから。