どーも! 芸人ライターのブロードキャスト!!・吉村憲二です! せんきゅっそ!
今回、登場するのは、4月15日(金)に歌手デビュー曲『はつ恋』が配信スタートしたリットン調査団・水野透さん(61)。この曲、まさに誰しも心の中にあるあの何とも言えない郷愁、幼いころの淡い想い……そんなこんなが琴線に触れる超名曲なのです。還暦も過ぎてなぜいま歌手デビューなのか、いろいろと話を聞いてみると――そこには、とんでもないこだわりと思いが込められていました!
「最大のボケ」から生まれた名曲。
リットン調査団・水野透さんといえば、芸人ライターの僕からしたら、かなり先輩の大大面白兄さん。最初に、その水野さんをインタビューすると聞いたとき、果たしてどんな面白ライブや面白DVD発売の話題だろうと思っていたら、なんと歌手デビュー曲の取材。これは最大のボケだ! しかし! どんなボケよりも、面白ネタよりも、それを超えてくる名曲だったのです!
『はつ恋』は、水野さんが40歳ごろに作った“小4のころの初恋の歌”で、人気YouTubeチャンネル「街録ch~あなたの人生、教えて下さい~」と「よしもと中尾班YouTube劇場」のコラボ企画から“発掘”されました。これを、「街録ch」を主宰する三谷三四郎さんが「還暦超えて初めてフルで人前で披露したら面白い」と思い立ち、今回の歌手デビューとなったというわけです。
まずは、思いがけない歌手デビューをもたらしたこの曲について水野さんに聞くと、照れくさそうにこう語ります。
「むかしやったお笑いライブのなかで、曲を作ってそれを披露する部分があったんです。そのわけわからん曲のなかに、まともな曲を演ったらお客さんの意表をつくんじゃないかと思ってね」
たしかに意表をつく、予想を超えてくる最大のボケです。それを体現しているこの曲は、それくらい真面目で熱い想いのこもった作品になっています。
続けて水野さんが言います。
「この曲、8番まであんねん」
いや、最大のボケだな! 長い、長い! でも、8番まである理由のひとつは「実体験のストーリーをもとにしたラブソングだから長くなった」とのこと。たしかに聴き始めたら、本当あっという間に聴き終わるくらい引き込まれる魅力の詰まった曲になっています。
そして、もうひとつの理由が「最初っから8番まであったわけじゃなくて、4番まで歌って、その途中で相方の藤原(光博)さんが出てきて面白恋バナが入る。『曲の途中ですが、横綱みたいな女と付き合ったときの話です』みたいな?」ということらしい。だから、最大のボケだな! 8番まである理由がめちゃくちゃ面白い。
そして、「まさか40歳そこらで作った曲が、還暦超えて歌手デビュー曲としてカタチになるとは、そりゃ思わへんで!」と笑いながら嬉しそうに話していたのが、とても印象的でした。
ここまで聞いてどうですか? むちゃくちゃ聴きたくなったでしょ?
芸人が本気で歌作ったら菅田将暉に届く!?
作詞作曲は水野さん自身で、曲中のブルースハープも吹いています。もともと曲作りをしていたのか聞くと、「むかしバンドやったりしてて、ビートルズ聴いたりして、それでかなぁ。でも日本で衝撃受けたのが、吉田拓郎さんや」と答えたあと、こう言います。
「歌詞に“シュロの木”って出てくるのは、拓郎さんの曲にある歌詞からの影響、ってか、まぁ気ぃついたらポケットに入ってた」って、いやどんな表現? そして、「オマージュというか、ステキな言葉で言うと拝借やな、拝借」と話していました。オマージュしつつ、しっかりオリジナルになっていますから!
もうひとつ聞いたのが、「目指すところはどこですか?」という質問。たとえば「100万ダウンロード!」とか、「この曲で紅白出る!」とか、いろいろあるなかで水野さんの答えは、「まぁ、菅田将暉くんにどこかで会ったときに肩にポンっと手をおいて、聞きましたよ、って言ってほしい」でした。
急に出て来た菅田将暉さんの名前。なぜ目標が“そこ”なのかと聞くと、「同じ曲のジャンルにいるかと。『まちがいさがし』とかの曲の感じ? すっごい遠いとこからでも手を振ってほしい。ちょっと遠いよ~! って言われながらも。だから菅田くんに届くように……」と真剣に答えてくれました。
たしかにこの曲は、フォーク調の曲がポップに仕上がっています。それは、ももいろクローバーZの代表曲「走れ」を作ったmichitomoさんの編曲アレンジで仕上がった楽曲だからでしょう。いい曲なはずだ。きっと菅田さんにも届く、至極の名曲だと僕は確信しています。
第2弾はぜひ共作を!
今回、こうやってまた芸人から名曲が生まれたわけで、大きく言えば、芸人さんのスゴさ、素晴らしさを痛感できる曲だと思います。
芸人として、同期の東野幸治さんや木村祐一さんと切磋琢磨して本気で取り組んできたからこそ、お笑いライブの一環として作られた曲がカタチとなって歌手デビューすることに繋がった――これは、芸人として芸達者なことの証明であり、本当に尊敬すべきことだし、同じ芸人として嬉しいです。
リットン調査団さんのネタは、われわれ男子が好きなマニアックな部分があって、またそこが魅力的なところですが、今回の『はつ恋』はどんな世代にも、性別にも刺さるメロディと歌詞で胸に染み込んでくること間違いなしです。あなたの人生のなかの大事な1曲になるかもしれません。
だから、たくさんの人に聴いてもらって、菅田将暉さんに届いて、ぜひ第2弾は共作してもらいたいです!
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