多発性骨髄腫で余命宣告を受けた宮川花子の闘病生活を綴った著書『あわてず、あせらず、あきらめず』(主婦の友社)の出版を記念した講演会が、4月24日(日)に奈良県生駒市で開催され、著者である宮川大助・花子の2人が登壇しました。闘病後初となる単身の講演もあった花子は、今年1月のがん検査で腫瘍がすべて消え、「寛解状態」になったことを報告しました。
笑いを散りばめて闘病を振り返り
当日は、あいにくの天候でしたが約350人の観客が来場。会場のスクリーンで花子の闘病を記録した映像が流され、いよいよ車椅子に乗った花子がステージに登場です。
「みなさん、こんにちは!」と挨拶すると、「本当は舞台袖から走って来ようと思っていた」とひとボケ。前半は、まずは単身の講演会で、病気が発覚したときのことから振り返っていきました。
4年前の淀川寛平マラソン前日の12キロウォーキングに参加したときに異変を感じてから、骨髄腫の診断、2019年6月からの休養。一時は下半身不随の状態で「余命1週間」の宣告も受けました。そして2020年4月に退院してからも続く、懸命のリハビリ……。
深刻な闘病の話でありながら、医師がイケメンだったことや、「余命」について聞いたときに大助がよそ見をしていたことなど、随所に笑いを散りばめます。退院するときに大助がよくやってくれたと感謝しながらも、すぐに大助の失敗エピソードを連発して会場を沸かせました。
花子は「がんばってんのは、主治医とリハビリの先生と家族、お弟子さん。まわりが戦ってくれた」と振り返りました。
お馴染みの夫婦の掛け合いも
休憩をはさんで、大助・花子のトークショーがスタート。花子が大助を「ウチの介護男子です」と紹介すると会場からは大きな拍手が起こりました。
イスに座ってリラックスした雰囲気ながら、花子のマシンガントークに大助がボヤキつつツッコむという、お馴染みのスタイルでこれまでの闘病を振り返ると、客席は笑いに包まれます。大助が、この日の講演について、「4年ぶりで体力が心配だった。今日、見ているとがんばってるなぁと思う。話す内容はぜんぶ嫁はんが決めた。僕はついて来て座ってるだけ」と話すと、花子がすかさず「それはいま始まったことじゃない」とツッコみました。
花子は、今年1月の検査で「体の中から腫瘍がぜんぶ消えてます」と言われたとのこと。病状についても、「血液検査の数値もだいぶいいところまで来ていて寛解状態である」と説明されたことを明かしました。
それでも油断せずに、「長い戦いになりますが、百戦百勝で勝ち続けていきたいと思います」と決意を語ります。花子が「いちばんの夢は99歳まで生き抜くこと、ともに戦いましょうね」と客席に呼びかけると、大きな拍手が起きました。
大助が「早期発見がいちばん。自分の体は自分で管理して知識を持ちましょう。知識がないと罪になる時代だと思う」と話すと、花子も「市役所からがん検診、病気検診を受けましょうと来るのは、生きるためのチャンスと思ってほしい」と検査の重要性を訴えました。
「嫁はんが元気なのがいちばんの喜び」
講演会終了後の囲み取材で、花子は「なんとか体力もったね」と笑顔を見せました。ここで大助について、改めて「ホンマに介護男子。感謝めちゃくちゃしてる」と話しますが、すぐに「介護ベッドの横で寝てるけど、いびきがうるさくて眠れない」と混ぜっ返します。
この日のイベントについて聞かれた大助は、「いちばんは無事に終わったのが最高の喜び」とホッとした表情。「嫁はんが元気で生きてるのが、いちばんの最高の喜び。それが確認できたのが最高にうれしい」と笑顔を見せます。花子は何日も前から楽しみで仕方なかったそうですが、大助自身は「不安で昨夜も寝てないぐらい」とボロリ。花子からすかさず、「寝てたで」とツッコミが入りました。
いまは体調がすごくいい状態だと言う花子は、今後について「しゃべれるかどうかじゃなく、体調がもつかどうか」だと話します。センターマイクに立ちたいという思いは変わらず、大助が許してくれるならば、車椅子に乗ってもここで勝負していきたいと思ったと明かしました。
現在は、リハビリとして立つ練習をしているとのこと。今後、車椅子で活動するかどうか会社と相談するといい、「ホンマは歩きたい。夢のなかでは走ってる」。最後に大助が改めて、「無事で終わって、嫁はんの体力が残っててよかった。よくがんばりました」と笑顔を見せました。
書籍概要
『あわてず、あせらず、あきらめず』(主婦の友社)
ページ数:192ページ
定価:1650円(税込)
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