どうも芸人ライターの天狗・横山裕之です。吉本興業には芸人以外にも俳優、ダンサー、アーティスト、タレントがいるのはご存じでしょうか?
そんな方々が登場するガールズ舞台が8月3日(水)~7日(日)まで、東京・よしもと有楽町シアターで開催されます。その名も、ドリームファクトリー第1回工場見学「『アソーテッド・プレイ!』。なんと、演出はよしもと芸人やおやじダンサーズ、ロック兄弟らとのコラボでも有名なパフォーマンスグループ「おしゃれ紳士」の伊東祐輔さん! 今回は、その稽古場に潜入取材に行ってきました。
間違えて女子会に来てしまった!?
稽古場に入ると、メンバーたちがストレッチをしながら、ガールズトークで和気あいあいとしていました。その内容に耳を傾けると……メンバーのなかで「もし彼氏にするなら? 彼女にするなら?」の話で大盛り上がり。僕は、「もしかして、パセラで開いている女子会ではないのか?」と勘違いしました(笑)。
のちに知ることになったのですが、今回のメンバーは19歳から34歳までの年齢幅があり、なおかつ芸人、俳優、ダンサーといった異なる職種同士なので、チームが仲良くなるためにみんなが率先して会話しているとのことでした。しかし、ここでメンバーの平井玲朱さんが気付きます。
「同じストレッチしかしてなくない?」
これには一同、爆笑でした。
「おしゃれ紳士」ならではの演出!
そんな和やかな空気は、稽古が始まると一変。曲が流れた途端に、彼女たちの目が変わりました。身体を思う存分に使って表現し、芝居やダンスをする彼女たちの熱量に圧倒されました。さっきまで和気あいあいとしていた人たちと本当に同一人物なの!? と疑うばかりです。
稽古を見て、この作品の「おススメ」ポイントを3つにまとめてみました。
【1】等身大の彼女たちならではの作品
今回の作品のキーワードは「夢」。オムニバスの作品ですが、大まかに言うと、夢を食らう魔女が出てきて夢探しの旅に出るといったストーリー。それがなんとも、いまの彼女たちの等身大な感じがして、とにかくエモい! 実際に夢を追いかけている彼女たちが演じるストーリーに大注目です。
【2】チーム全員で作る作品
作品の構成・演出・振付は伊東さんなのですが、メンバーたちの意見も採り入れています。今回は2チームあって、Aチームではメンバーの工藤早弥花さんが振り付けをしたタップダンスがあります。これがまたカッコいい! しかも、このタップダンスがちゃんと物語になっているんです。これは必見です!
そしてBチームでは、メンバーの宮崎琴さんが振り付けをしたということで、タップダンスではない、Aチームとはまったく違う作品になっているようです。ちなみに舞台にセットはなく、机や椅子でさえ身体を使って表現します。
【3】「おしゃれ紳士」ならではの演出
作品で使う曲は約30曲。そのほとんどがメジャーな邦楽です。それぞれの曲の歌詞と芝居やダンスがぴったり合う心地よさ、爽快感が本当にたまらないです。これが、まさに「おしゃれ紳士」の伊東さんならではの演出なんです。この快感を知ってしまうとハマること間違いなしです!
芸人だけの舞台かと思って応募したら…
Aチームの木原実優さん、とうふさん、山口輝鈴さんにインタビューしました。
――皆さんはどうして今回の舞台に参加しようと思ったのですか?
木原 私は、もともと「おしゃれ紳士」さんの大ファンでずっと出たいと言っていたんですけど、「おしゃれ紳士」さんは上半身裸の男性がやる劇団なので絶対に無理だなぁと思ってて(笑)。なので今回、「おしゃれ紳士」の伊東さんの演出でこういった形の公演に出られるのが嬉しくて参加しました。
山口 私は吉本の女の子だけの舞台ってどんなふうなのか、ぜんぜん想像がつかなかったのですが、私はダンサーなので、俳優さんとか芸人さんでどういう人がいるのかを知りたいと思って参加しました。
とうふ 私は芸人だけの舞台と思って応募したんです。それでオーディションに行ってみたら、ぜんぜん芸人じゃない可愛い子たちがたくさんいてビックリして(笑)。
――そうなんですか(笑)。とうふさんは「猫化粧」というトリオを組んでいる芸人ですもんね。すごく戸惑ったんじゃないですか?
とうふ 来る場所を間違えたと思いました(笑)。でも、気が付けば舞台に立つことになりました。
――すごい流れですね。いまはどんな心境ですか?
とうふ 実際に参加してみて、みんな本当に個性的で、吉本にこんな素敵な女子たちがいたんだと思ってます。
――木原さんはどうですか?
木原 女子だけなので、それがすごく面白いところと大変なところもあるというか……。
――大変というのは?
木原 じつは組体操とかあって。
――組体操!?
木原 そうなんです。みんな、終わってからプロテインとか飲み出すんです(笑)。そういった努力をして頑張っています。
――山口さんはどうですか?
山口 めっちゃ楽しいです。みんなテンション高いし。
――稽古を見て、僕もそう思います(笑)。
山口 もう、なんか「はっちゃけ~」って感じですよね。
――さすがテンションが若い(笑)。では、作品への意気込みを教えて下さい。
木原 曲中にセリフを言うので、曲に負けないテンションでやりたいです。使う曲が有名な曲ばかりなので、それを私たちのエネルギーを使って面白くして、私たちの熱量を感じてもらえる舞台にします。
――稽古でも汗がすごいですもんね。
木原 そうですね。だから、私たちの汗を観に来てほしいです(笑)。
とうふ いつものお笑いライブとは尺も内容もぜんぜん違うので、いつもお笑いのライブに来てくれるとうふのファンの方々にも、そして他の来てくれた方々にも、がっかりさせないように思いっきり楽しんでもらえる作品になるように頑張ります!
――ちなみに相方のおふたりは、なんと言っているんですか?
とうふ 「頑張ってね~」くらいです。
――相方って、そんなもんですよね(笑)。
山口 私はダンサーなので、ダンスに注目してもらいたいです。特にタップダンスはめちゃくちゃカッコいいんで! それにダンサーじゃない木原実優ちゃんとか、乾らいむちゃんみたいな俳優さんも、一緒にタップダンスしているのが見どころです。本当にめちゃくちゃ絶対に面白い舞台にはなっているので、大人が全力で真剣にヘンなことをしている姿を大勢の人に観てもらいたいです!
演出の伊東さんが思う見どころは…!?
そして演出の伊東さんにもインタビューしました。
――女性だけのグループの演出で難しいところはありますか?
ふだん僕がやっているグループが男だけのグループですし、コラボでも、たとえば男性の芸人さんとうちのグループという形でやっているので、女性だけのグループで芝居や小ネタなどがある「おしゃれ紳士」の作品に近いものの演出するのは初めてなんです。
――そうなんですね。
ましてや年齢も離れていますし……なので、わりと手探りな感じもありまして(笑)。
――たしかに稽古での伊東さんは、すごく優しい印象を受けました。
基本的に本人たちも集中して取り組んでいただいているので、そこまで強く言う必要がないんです。課題はちゃんと意識できていますし、どうしても気になった点で、たぶん本人では気付けていないだろうなという部分を少し変えていくのと、彼女たちが出してきたものを「こうしたら面白いんじゃないか」という点を深く考えている感じですかね。あとは、オムニバスで曲がどんどん変わっていくので、それぞれ目立つポイントができるようにしてあげたいと思っています。
――作品のなかで曲を約30曲使うというのは驚きました。伊東さんは、ものすごい数の曲を知ってますね。
もうずっと音楽は聞いてますね。今回は「おしゃれ紳士」でやっていない曲を使っているので、ゼロから作る面白さや苦しさはありますね(笑)。ふだんから曲を聞いて、これ面白そうと思っても「これは男性でやると面白いけど、女性だけでやるとネタ的にどうかなぁ」とかもあったりするので、常に探し続けているって感じですね。
――最後に、伊東さんの思う作品の見どころを教えていただきたいです。
曲に合わせた面白さと、展開ですね。曲ごとにいろんなお話が織り交ざっているので、気楽な気持ちで見てほしいです。なるべく、お芝居とか舞台とか観に来たことがない人でも楽しんでもらえるように作っているので、気構えずに観てくださったら嬉しいです。
これから吉本で大きくなっていく彼女たちの魅力をお客さんに持ち帰ってもらえたらという思いで作っているので、そこが見どころですかね。
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公演概要
ドリームファクトリー第1回工場見学「アソーテッド・プレイ」
日時:8月3日(水)~8月7日(日)
場所:よしもと有楽町シアター
構成・演出・振付:伊東祐輔(おしゃれ紳士)
出演:
【Aチーム】
いし垣のいしこ、乾らいむ、大貫菜子、木原実優、工藤早弥花、杉下希美、とうふ、平井玲朱、福冨タカラ、藤田こころ、堀口愛叶、山口輝鈴
【Bチーム】
天野穂、石田みう、今泉彩良、えり子、菊田万琴、佐野あやめ、七條ひなた、乃緑、原口侑季、宮崎琴、宮地恭子、蘭
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