福岡よしもとで新たなライブがスタート! 芸歴3年目のとらんじっとが語る“コンビの絆”と芸人道

福岡よしもと(吉本興業福岡支社)に所属する芸人たちの拠点「よしもと福岡大和証券/CONNECT劇場」で、7月から新たに「NEXT LIVE」と「Regular LIVE」という2つのライブが始まりました! 「NEXT LIVE」は、福岡よしもと所属の芸歴9年目以下の芸人が出演するライブ。一方、「Regular LIVE」は、10年目以上の芸人が顔を揃えるライブです。今回は「NEXT LIVE」に出演中の芸歴3年目、とらんじっと(あらた、原ノコシ)の2人に、デビューまでの道のりやお笑いへの熱い思い、新しいライブの魅力などを話してもらいました。

出典: FANY マガジン
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高校時代に立ったNGKの舞台が忘れられない

――とらんじっとのおふたりは、「よしもと福岡大和証券/CONNECT劇場」がオープンした2020年にコンビを結成したんですね。

あらた そうなんです。僕らがデビューした年の夏に劇場がオープンしたので、“劇場と共に”っていう思いはありますね。

――芸人を志した決め手は、高校時代の2013年に出場した「ハイスクールマンザイ」だそうですが、やはり昔からお笑いは好きだったんですか?

あらた 僕は、とんねるずさんが好きで『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)をよく観ていました。テレビのおもしろさを教えてもらった番組です。

 僕も『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)とかバラエティ番組がきっかけで芸人さんに憧れるようになりました。『M-1グランプリ』で漫才に憧れるというよりは、バラエティ番組を観て、という気持ちのほうが強かったですね。

あらた 僕らは小学校からの幼なじみで、学校は違うんですけど小学生のころは野球のライバルチーム、中学時代は同じ塾で。そのうち仲良くなり、将来はお互い芸人になりたいと思っていたんです。同じ高校に進学して、3年生になったら文化祭で好きな出し物ができるというので、そこで漫才をしよう、と。当時は原ともう1人いて、トリオでした。

出典: FANY マガジン
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 僕らが目立ちたがり屋だったというのもありますね。

あらた 文化祭の後に、そのまま3人で「ハイスクールマンザイ」に出場して福岡大会、九州大会と優勝しました。九州・沖縄代表として全国大会に出場し、NGK(なんばグランド花月)で漫才をやらせてもらって、そのときの拍手喝采が頭にこびりついて忘れられないんですよ。あのときの映像と音は、いまでも鮮明に覚えています。

 「僕らのことをぜんぜん知らない人たちでも、こんなに笑ってくれるんだ」って快感でしたね。

――ちなみに今年5月25日に、デビュー後、初めてNGKの本公演の舞台に立ったそうですが、高校時代と比べてなにか違いましたか?

あらた 高校時代に見たときのほうがデカく感じましたね。でも、怖さはいまのほうが数段上。デビューしてから、いろんな経験をしてきたからかもしれません。

 確かに、高校生のときのほうが無邪気に楽しめましたよ。

あらた 本当にお互いびっくりするくらい緊張して(笑)。守りに入りそうなところを必死に頑張りました。

「絶対に芸人やるから信じて待っててくれ」

――話は戻りますが、「ハイスクールマンザイ」に出てからは、まっしぐらに芸人になる道を目指したんですか?

あらた はい。ただ、僕ら2人とも大学に行きたかったんです。僕はどうしても15年続けてきた野球の道が諦めきれず、大学野球までやりたかった。お互いの意思が一致したので、ひとまず高校卒業後はNSC(吉本総合芸能学院)ではなく、大学に進学しました。

 僕は東京の大学に進学して、在学中の4年間は東京に住んでいました。

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――東京で「NSCに行こうかな」という気持ちは芽生えなかったですか?

 お笑い芸人になろうと決めたとき、「オレはあらたと、もう1人の奴としかやらない」と決めていたので、1人で東京のNSCに入ろうとはまったく考えなかったです。

あらた ありがとう!

 やめてよ、恥ずかしい(笑)。僕は現役で大学に入学したんですが、あらたは浪人して1年のブランクがあったんです。なので、みんなが就活を始める3年生の後半あたりはめちゃくちゃ不安で。もし、あらたがオレとお笑い芸人をやらないとしたら就活をしないといけないし……と気持ちが揺れて、一度、福岡に戻ってあらたの意思を確認したところ、「絶対に芸人やるから信じて待っててくれ」と。それで迷いが吹き飛んで「芸人になろう」と決意を固めました。大学卒業後は福岡に戻って1年間、フリーターをしながらあらたの卒業を待ちました。

あらた 僕は大学卒業後、もし1人だったとしてもお笑い芸人をやるつもりだったし、コンビを組むなら原、と決めていたので、「やるよ、オレは芸人で確定してるよ」と伝えました。

――でも、あらたさんは大学野球に情熱を注いでいたんですよね?

あらた はい。福岡教育大学の野球部でした。福岡六大学野球リーグというプロを輩出するようなリーグがあるんですけど、そこでベストナインという個人タイトルも獲らせてもらったんですが、自分に限界を感じてしまって。プロ野球選手を目指すか、芸人になるかを天秤にかけたときに、「長い人生、芸人としてやってきたい」という気持ちが勝ちました。

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――その後、原さんはあらたさんの大学卒業を待ってNSC福岡校に入学。絆が深いですね。

あらた 自分で話していても、そう思います。

 人から言われるからいいのよ(笑)。

あらた NSC福岡校の2期生として卒業したんですが、その直後にもう1人が辞めてしまって。デビューしてすぐ、いまのコンビになりました。

テキトーな“原”と真面目で実直な“あらた”

――あらたさんから見た原さんって、どんな人ですか?

あらた 聞き取りやすい声をお持ちの方です。

 なんやねんそれ! もっとあるやろ?

あらた うーん、すべてにルーズというか、テキトーですね。「何も考えていない」と、よくまわりから言われています。先輩に失礼なことをしてもあまり気にしていなくて、オレはドキッとするんですけど、先輩からするとそれがかわいいらしくて、「おまえはそういう奴やもんな」って愛されています。

 なんか、許されると思っています。

あらた 本人がそれを言うと終わりなんだよ!

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――では、原さんから見たあらたさんは?

 明るい人間です。

あらた おまえこそ、もっとあったやろ!

 見た目で言うと、あらたのほうがテキトーでガサツに見えるんですけど、それがもう完全に真逆。あらたはもう、めちゃくちゃしっかり者です。曲がったことがキライだし、正義感も強い。明るいイメージと、真面目な一面もあります。でも、なにぶん真面目なので短気というか。

あらた すべては野球から学びました。短気なのは自覚しています。ムダなことは、ぜんぶ省きたくなっちゃう。

――ネタを書いているのはどちらですか?

 基本的には2人ですり合わせて、意見を出し合いながら、という感じですね。いい設定があったらどっちかが出すことはありますけど、最終的には2人の意見を入れてつくります。

あらた でも、高校とかNSC時代は原が書いていましたね。

 当時はウケる、ウケないとか関係なく、ネタを書く行為自体に憧れていて書いていました。でも、デビューして舞台に立つようになってから、難しさを知ったというか。これまでは何も考えずに出せていたものが、なんかちょっと怖くなったりもして、2人で考えるようになりました。

いつか冠番組でMCもやりたい!!

――今年7月から新しく「NEXT LIVE」が始まりましたが、手応えはありますか?

あらた これまで2年くらいは、企画コーナーをやりたくてもコーナーライブと謳っているライブでしかやれなかったんです。ずっと「コーナーがやりたい」と思っていたところにネタとコーナーで構成された「NEXT LIVE」が始まって、めちゃくちゃありがたいです。

出典: FANY マガジン
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それに、これまではずっとネタバトルで、勝ち残って頂点を目指さないといけないし、そのために月2~3本は新ネタをつくらないといけないというプレッシャーがあったんですが、「NEXT LIVE」が始まったことでバトルシステムがなくなり、ちょっと落ち着いています。でもそのぶん、自分たちでちゃんとスケジュール管理して、新ネタを書いていかないと。

 そうした劇場スタッフさんからのメッセージも、ちゃんと受け取っています。

――たとえば楽屋の雰囲気や芸人さん同士の交流など、福岡よしもとの雰囲気はどんな感じですか?

 東京や大阪と比べて人数が少ないぶん、仲はめちゃくちゃいいですね。

あらた 僕としては、仲がいいのはいいんですが、馴れ合いはよくないなと思っていて。馴れ合いからは何も生まれない。ライバル同士だからケンカ腰で、というわけではなく、絶対に崩してはいけないプライドってあると思うんです。先輩が後輩をかわいがるとか、そういった上下関係はいいんですが、「同期で一緒にいこうぜ!」というようなことは、僕は思っていないです。仲がいいことと馴れ合いは違う。これも野球で学びました。

――そばにいて勉強になったり、尊敬している先輩はいますか?

あらた カイキンショウのショウきんさんです。リポートからネタまで全部できて尊敬しています。公私ともにお世話になっていて、多いときだと週4~5日で家に遊びに行かせてもらっています。仲良くさせてもらっているだけじゃなく、ちゃんと怒ってもくださる先輩です。

 僕はメタルラックの美意識タカシさん。MCを回す技術もすごいですし、すごくイジられるタイプなんですが、じつは進行もできて、みんなが安心してコーナーを楽しめるようにしてくれる。後輩が舞台でミスしたり、スベっちゃったときもすぐ助けてくれたり、そういう姿は見ていてすごく勉強になります。

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――原さんは将来、MCで活躍するのが目標ですか?

 そうですね。具体的にはやっぱりバラエティ番組のMCをやりたいという気持ちが強いです。あと、『とらんじっとの○○』みたいな冠番組に憧れていて、そのためにはまず賞レースで結果を出すのもそうですし、漫才をがんばるのもそうですし、すべてに通じるところで、日ごろからおもしろいことをしていかないといけないと思っています。
「NEXT LIVE」ではいま、ゲストの東京や大阪の先輩の方々がMCをやってくださるので、それを間近で見て勉強できる環境はありがたいです。もちろん「ゲストの方に回してもらうなんて」という悔しさもあるんですけど、いまは勉強ですね。

――あらたさんの今後の目標は?

あらた 僕は、見ているだけでワクワクさせられるような芸人になりたいです。宮川大輔さんとか、テレビに出ているだけで「何かしてくれるかも」という期待感が半端ないですし、日本全国の方が知っていて、テレビに出ているだけで笑顔になっちゃうみたいな。僕にとって宮川大輔さんはそんな存在です。とにかく僕はテレビっ子なので、テレビが先行しちゃいますね。まずは福岡で圧倒的なナンバーワンになって、全国に活躍できる場を広げていきたいですね。


「よしもと福岡大和証券/CONNECT劇場」公式サイトはこちらから。

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